Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

Operax3版 ボローニャ歌劇場オフィシャルサイト カウフマンのメッセージ訳

2011-08-24 | お知らせ・その他
フジテレビのサイトに掲載されたカウフマンからのメッセージですが、
アーティストやマネジメントが心を砕いて書いた文章に対して、あんな愛情のない、ニュアンスに乏しい、時には意図的に意味を簡略化しているのではないか?
ととれる和訳は私は耐えられませんので、Operax3バージョンの和訳をここに掲載させていただきます。

英語圏の人間がオリジナルの英文を読んだ時に受ける感触を大事にして訳したつもりです。
node(こぶ)を腫瘍と訳するのは医学的には正確ではないかもしれませんが、nodeはtumorをオブラートに包んで言う感じに近く、思い切って腫瘍と訳しました。
日本のヘッズだって、英語圏のヘッズが感じ取るのと同じニュアンスを感じることの出来る訳文を読む権利があるし、主催者側はそれを提供する義務があります。
英文が紹介されたIntermezzoParterre Boxといったサイトでのヘッズの反応と、
日本のオーディエンスの間で反応に温度差があるのはその大事なことがきちんとなされていないからです!



親愛なる皆様へ

皆様のために来月『カルメン』の公演を歌うことが出来なくなった旨、お伝えしなければならないことを非常に残念に思います。
日本に伺うのをとても楽しみにしておりましたし、また、今回の決断がこの何ヶ月の間、皆様が日本で直面されている困難な問題とは
何ら関わり合いがないことだけはお伝えしておきたいと思います。実は、私は胸部の腫瘍を摘出する手術を受けなければならなくなりました。
これを読まれた皆様を驚かせたくはないのですが、医師より出来るだけ早急に手術を受けるように、との指示を受けています。
手術は9/2のストックホルムの公演に出演した後に行う予定です。
おそらく組織検査の結果は“良性”であるとは思いますが、すでに申しました通り、手術を先に引き延ばすことが出来ません。

日本への公演旅行をキャンセルしなければならないこと、また、それによって多くの方々を失望させてしまうことを大変に残念に思っております。
前回日本での公演に出演した折、オーディエンスの皆様が、非常に熱心、かつ、知識に富み、温かかったということが、私の中でとても美しい記憶として残っております。
日本の皆様が私に惜しみなく与えてくださる大きな愛情は、特別な名誉であると常に感じてまいりました。

ここに、私の今ある状況をご理解頂きたく、お願い申し上げます。
いや、もしかすると、ご自身の中にも、私と似た境遇にいらっしゃる方がおられるかもしれません。
一日も早く、皆様に会いに伺えることを心から願っております。

親愛なる思いを込めて

ヨナス・カウフマン