マックンのメモ日記

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拡大続ける中国の信用リスク!

2016-09-23 16:04:19 | ネット、ビジネス、IT
中国が金融危機に直面する可能性を警告した少数の「中国弱気派」を一流の金融アナリストたちがかつてあざ笑っていました。しかし、過去1年で不良債権のツケを巡るリスクは通説になりました。中国政府には金融システムを下支えするリソースがあるが、融資拡大による経済刺激策の継続で中国の経済的・政治的苦境は複雑化しています。

 最近警鐘を鳴らしたのは、スイス・バーゼルの国際決済銀行(BIS)です。最新の四半期国際与信統計によると、中国の国内総生産(GDP)に対する総与信ギャップは現在30.1%となっています。同ギャップは与信伸び率と長期トレンドとの乖離(かいり)を示す指標で、10%を超える数字は通常、危険信号とみなされています。

 どの国にも問題を生じさせる具体的な債務水準はが、借入残高が急増していれば、危機が到来する予兆となり得ます。つまり、融資が高いリターンという幻想を生み出し、それが借り入れを正当化するバブル状態を示しています。米国の総与信GDP比率ギャップが10%を超えたのは、住宅バブルがはじける直前の2007年です。ゴールドマン・サックスは今年に入り次のように警告しています。「債務が急増した主要国はいずれも金融危機を経験しているか、GDP成長率の停滞が長引いている」と。

 中国の借り入れは驚異的なペースで増えました。世界的金融危機の影響が中国に及ばないよう、中国政府が与信を拡大したためです。中国の対GDP比債務残高は2007年末の150%弱から2015年末には250%超に拡大しました。ちなみに日本は資料が古いですが、2008年は171.1%です。ギリシャは118.6%です。

 しかも、中国政府が昨年、無駄な投資の抑制と供給サイド改革に乗り出したにもかかわらず、対GDP比債務残高は増え続けています。これは非常に気掛かりなことです。中国政府は国有銀行に継続的な信用供与をやめさせ、苦境に陥った銀行に返済資金を新たに融資させないようにすると約束しました。そのようなゾンビ銀行は破綻するはずだったのです。しかし、中国ではデフォルト(債務不履行)はほとんど起きていません。

 中国政府には慎重になる政治的理由があるのです。改革の実施は成長を減速させることになる上、改革を行うたびに社会不安は高まります。広東省烏坎村では景気が減速した2011年に抗議運動が発生しましたが、今年に入って再びデモが起きています。

 中国政府は過去数カ月、政策銀行3行に国有企業の新規投資に融資するよう促しています。銀行は住宅ローンブームをあおり、不動産価格を高騰させてもいます。中央銀行は金利や預金準備率は引き下げていませんが、公開市場操作を通じて銀行にさらに流動性を与えています。

 政府統計によると、銀行の不良債権比率は2%という11年ぶりの高水準に近づきつつあります。しかし、当局者でさえ実際の数字がはるかに高いことを認めているのです。銀行アナリストのシャーリーン・チュウ氏は、22%に達する可能性があると予想しています。だとすれば、中国政府は2000年代初めのように銀行システムの資本再編を行う必要があります。

 ただし、影の銀行の誕生によって、今回の金融システムの是正は一段と厄介になる可能性があります。国営銀行は普通預金よりも高い利回りを売りにした「理財商品」を抱えており、それらは複雑に入り組んでいます。チュウ氏によると、理財商品は昨年、1兆1000億ドル(約112兆円)増え、総信用伸び率の40%近くを占めるに至っています。

 これら短期負債で長期資産の資金を賄っており、この不整合が危機をあちこちで悪化させています。しかも買い手の多くは他の金融機関です。これは2008年の米国の住宅ローン担保証券(MBS)市場をほうふつとさせるものです。預金者はリスクを理解しておらず、理財商品が破綻したときは、銀行が彼らの元本の返済を余儀なくされています。これら投資に対する取り付け騒ぎが起きれば深刻な社会不安が引き起こされ、政府に対する中流階級の信頼が損なわれかねないのです。

 中国政府は、金融や財政刺激策に依存した経済が市場主導でレバレッジを解消できるかじ取りするという難題に直面しています。政治的副作用は避けられず、その管理は経済リスクと同じくらい危険な可能性があります。(ソースWSJ)

ポケモンGOの売り上げはいくら?

2016-09-21 20:19:32 | ネット、ビジネス、IT
モバイルゲームが空前の人気を博せば映画の大ヒット作より大きな収益をもたらすかもしれませんが、ゲームの「興行収入」を把握するのは難しい。このため投資家は暗闇でゲームをさせられているようなものです。

 「ポケモンGO(ゴー)」がいい例です。この記録破りの人気ゲームを世に送り出したことによって任天堂は今年、株価が急騰しています。しかし、実際の収益を数字で押さえるのは至難の業です。多くの情報会社が欠けている部分を補おうと試みてきましたが、そうした算出方法は科学と呼べるものではありません。

 調査会社センサータワーは今月、拡張現実(AR)ゲームのポケモンGOがこの夏稼いだ売上高が「ウォークラフト」や「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」といったハリウッド映画の興行収入を上回ったと述べました。同社によると、9月10日時点でポケモンGOの売上高は5億2900万ドル(約540億円)に達しています。

 これよりさらに好調だと見る向きもあるほどです。市場データ提供会社のアップ・アニーは、9月8日時点ですでにポケモンGOによって開発会社などが得た収入が5億ドルを突破していたとし、年内に10億ドルに達する勢いだとの見方を示しました。アップルやグーグルはアプリストアで課金分の30%を手数料として徴収するため、アップ・アニーもゲームの収入を算出するにあたりこれを差し引いている。つまり、同社の推計に基づけばポケモンGOの売上高は7億ドル余りということになる。

 楽観的とはほど遠い予測もあります。調査会社プライオリ・データによるポケモンGOの推定売上高は1億ドルをわずかに超える程度です。スーパーデータ・リサーチは3億5900万ドル近辺と見込んでいます。

 問題の根源は、アップルとグーグルが個別アプリの売上高情報を公表していないという事実にあります。さらに、アプリのランキングは単なる売上高順位ではなく、開発会社が自社アプリの順位を押し上げるべくシステムを操作するのを防ぐため、非公開のアルゴリズムを用いています。特に大手は、売上高情報を明かさない会社が多い。ゲームの成功は、多額のアプリ内購入をする「クジラ」と呼ばれる一握りのプレーヤーにかかっており、こうした事実も売上高の算出を一段と複雑にしています。

 従って、データ分析会社は頭を使って推測するほかありません。売上高を提供する一部の開発会社からデータを収集し、全体的な市場規模やアプリストアのランキング、レビュー件数といった他の測定基準との相関関係をあぶり出そうとします。センサータワーのようにユーザー調査を行う場合もあります。あるいはスーパーデータのように、開発会社の決済を請け負う決済サービス会社からデータを集める会社もあります。

 こうした手法は過去の売れ行きが参考になるゲームには有効ですが、ポケモンGOのような超ヒット作では当てにできない可能性があります。「ビッグデータ」的な分析は過去との相関関係に基づく推論に頼りますが、ゲームが桁違いのヒット作となれば相関関係も成り立たちません。

 ゲームの世界でモバイルゲームが主役に躍り出て、投資家が収益を推し量りにくい超ヒット作がたくさん出て来るでしょう。あのスーパーマリオが初めてスマホ向けゲームに登場する「スーパーマリオラン」は12月に配信開始予定でしたが、次なる大ヒット作となるかもしれません。ここ2カ月の任天堂株の乱高下は、投資家が意志決定する上でより優れたデータを必要としていることを浮き彫りにしているのかもしれません。(ソースWSJ)

iPhoneとiPad、旧モデル「消費期限」は?

2016-09-20 20:35:50 | ネット、ビジネス、IT
米アップルのモバイル端末用基本ソフト(OS)「iOS」の新バージョンが出るたびに、「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」の旧モデルのユーザーにも、OSのアップデートを促す通知が届きます。しかし、エンジニアがせき立てるような快適さが実現されないこともあります。

 今週、最新OSの「iOS 10」とスマートフォーンの最新モデル「iPhone 7」「iPhone 7 Plus(プラス)」が発売されるのに合わせ、旧モデルの鮮度を保つソフトウエア更新がいつまで可能かを、iPhoneとiPadの全機種について調査したそうです。

 そこで分かったのは、買い換えを促すために、アップルが比較的古い機種についてはサポートを停止したことです。ただ、実際にはサポート期間が伸びている製品が多かったのですが。(iPhone 6を見捨てる理由を探している向きには悪い知らせでしょう)。

 最も長持ちしたのは2011年春に発売された「iOS 5」搭載の「iPad 2」です。アップルが3年にわたって販売し、2014年以降は販売を停止しましたが、最新版iOSを使える期間は2013日間に及びました。その記録は今月、「iOS 10」の登場とともに途絶えました。

 iPhoneの最長ランナーはというと「iPhone 4S」ですが、今回やはりお払い箱となりました。「iPhone 5」は「iOS 10」でも生き延びています。

 初代の「iPhone」と「iPad」は、早々にiOS更新やサポートを打ち切られました。「iPhone 3G」も同様に短かかったのです。

 iOSのどのバージョンもリリースのたびに複数の端末が使えなくなりますが、サポート対象モデルの数は増加傾向にあります。ピークは「iOS 9」でiPhone、iPad合わせて20機種でした。「iOS 10」とともにアップルは掃除をしたようですが、全18機種にインストールが可能。充電用「ライトニングポート」のない旧モデルは除外されました。(ソースWSJ)

「iOS 10」で端末買い換えは不要に?

2016-09-17 16:24:14 | ネット、ビジネス、IT
「ビッグニュースです。米アップルが14日から新しいiPhone(アイフォーン)を無料で配布しました」。

アップルの最新OSでは、頻繁に利用するアプリに多くの新機能が追加されました。問題は新機能を見つけ出すのが困難なことです。

 これは誤って開いたスパムメールではありません。ハードウエアの多少の変更よりソフトウエアの大型アップデートの方が重要だと思う人は、最新モデル「iPhone 7」ば魅力的に見えても財布のひもは締めた方がいい。アップルのモバイル端末用基本ソフト(OS)「iOS 10」を使えば旧モデルのiPhoneでも新鮮さを感じることができるからです。ただし、ヘッドホン用の穴は付いたままだですが。

 デザインに大きな変更はありませんが、iOS 10によって、利用頻度の高いアプリに本当に必要だった見直しが行われました。さらに、オンラインサービスの分野でグーグルやフェイスブックなどと競争する知性をアップルが手にした可能性も示されています。

 問題はアップデートをすべきか否かではなく、いつすべきかです。アップルからの絶え間ないアップデートの催促に応じなくても、最新OSを要求する他のアプリやアクセサリーがユーザーをせっつくことでしょう。

 最新OSにアップデートすればきっと満足できるはずえす。多くの新機能は非常に素晴らしいので、筆者はもっとアップルのサービスを使い始める、あるいは少なくとも気に入っているサービスを使い続けると心に誓いました。

メッセージ

 改良点:iOS 10では「メッセージ」アプリが早くなった感じがします。また、送られてきたウェブリンクのプレビューを見られるほか、他のアプリと連動させて友人に送金したり、一緒に食事を注文したりすることも可能です。さらに楽しいのはスタンプやGIFメッセージ、手書きメッセージ、アニメスタンプ、「ドゥードゥル(いたずら書き)」ができるフォトメッセージ、レーザーライトが光り輝くような背景を乗せたメッセージなど、多種多様な選択肢がリストアップされていることです。

 問題点:こうした機能を探し出すのは、ウォルマートで裁縫用の指ぬきを探すようなものです。全ての機能を探し出せたとしても、手書きメッセージのような一部の機能は余計だと感じるでしょう。「iMessage(アイメッセージ)」はインターネットテキストだけでなくショートメッセージサービス(SMS)も管理しているため、よりシンプルなフェイスブックの「メッセンジャー」などよりもバックエンドで問題が生じてきます。つまり、メッセージが異なるアップル端末と同期できなくなることが頻発する可能性があるのです。


写真

 改良点:新しい「写真」アプリではアルゴリズムを使って撮影したコンテンツが分析されます。画像がクラウドに送られて分析されることはないため、プライバシーも保たれます。右上の虫眼鏡マークをタップすれば、写真アプリ内のコンテンツを検索することができます。筆者の場合、「プードル」と入力したら愛犬の写真が1500枚出てきました。

 問題点:特に重たい作業は端末がコンセントにつながれている間に行われるため、このサービスが画像を分析するのに数日かかる可能性があります。アップルは一般的な画像の量であれば一晩でタグ付けされますが、容量が大きければ数日かかる可能性があると述べています。

ミュージック

 改良点:アップルはついに、欠陥だらけで粗雑な「ミュージック」アプリを、最初からそうあるべきだった姿に変えました。聴きたい音楽を簡単に探し出せるようになり、記憶はあいまいでも探し出したい曲について気の利いたヒントを与えてくれます。そして、ついに最近聴いた曲を呼び出せるタブが登場しました。どうしてこの機能を最初から搭載しなかったのだろう。さらに、多くの曲で歌詞が読めるようになったほか、毎週金曜日には自分だけのプレイリスト「My New Music Mix(マイ・ニュー・ミュージック・ミックス)」が更新されます。

 問題点:筆者にアップルのサービスを敬遠させる最大の要因はノート型PCでのオプションが貧弱なことです。

改良点:音声アシスタント機能「Siri(シリ)」がもっと仕事をする準備を整えました。アップルは他社製アプリとSiriを連携できるよう機能を拡張したのです。例えば、「Siri、ウィルソンに1ドル送金して」と言えば自動的に決済アプリ「スクエア・キャッシュ」が開かれ、筆者に送金を促します。この機能拡張は車の運転中に便利です。多くのアプリが数週間内にSiriの新機能に対応するようアップデートされるはずです。

問題点:Siri画面の隅にある小さな「?」マークをタップすれば質問事例を確認できますが、これはもっとわかりやすくあるべきです。

ロックとウィジェット

 改良点:今回のアップデートで最も悩ましいのは「スライドでロックを解除する」機能がなくなったことです。パスワード入力画面を表示してロックを解除するには、ホームボタンを押さなければなりません。指紋認証を使っているユーザーも、ホームボタンに指を置いておくだけではなく、ボタンを押す必要があります。(元の設定に戻したければ「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」→「ホームボタン」まで行き「指を当てて開く」をオンにする)

 アップルは一部でモデルの変更も行いました。ロック中の画面であれホーム画面であれ、左にスワイプすれば「ウィジェット」と呼ばれる通知センターの新画面が登場します。ここには天気やニュース、イベントなどの情報リストが表示されます。

 問題点:新しいウィジェットを追加したり削除したりするには、ページの一番下までスクロールして「編集」ボタンをタップする必要があります。タップや長押しでウィジェットを編集できれば便利だったでしょう。

その他

 改良点:「時計」アプリには新たに「ベッドタイム」タブが追加され、日常の就寝時間と起床時間を設定することで理想的な8時間睡眠を取る手助けをしてくれます。画面の下から上にスワイプして表示させる「コントロールセンター」も整然となりました。そこから右にスワイプすればミュージック操作画面が出てきます。そして最高の改良点は、ついに決して使わないアップルのアプリを消去できるようになったことです。

 問題点:コントロールセンターの新画面は素晴らしいのですが、個人的にはWi-Fi(ワイファイ)設定に直接つながるようにしてほしかったということです。(ソースWSJ)

iPhone7、「不安解消」には買い替え価値あり!

2016-09-15 15:21:31 | ネット、ビジネス、IT
 アップルが先週発表した650ドル(日本では7万2800円)の「iPhone(アイフォーン) 7」と770ドル(日本では8万5800円)の「iPhone 7 Plus(プラス)」は、瞬間移動でき宙にも浮くような、夢見るスマートフォンではありません。しかし、長年iPhoneを悩ませていた多くの問題が解決され、ヘッドホンジャックがないという点を差し引いても買い替える価値はあります。

 いわば「抗不安iPhone」と考えればいいでしょう。アップルは過去10年、世界中のユーザーの血圧をさまざまな方法で上昇させてきました。iPhoneのバッテリーが切れ、誰かに充電器を貸してくれと懇願したり、ひそかに拝借したりしたことはないだろうか。長方形のデリケートな装置が水にぬれそうになり、ひやひやしたことはないだろうか。夜に撮った子供たちの写真が化け物のような顔色で、かわいく撮り直そうと何度も無駄にカメラをタップしたことはないだろうか。

 筆者はこの5日間、iPhone 7と7 Plusを試してみました。過酷なバッテリーテストをしたところ、駆動時間は1時間半伸びていました。iPhone 7を池に落としてみましたが、壊れませんでした。夜に写真を撮ったところ、自慢できるような作品が結構な枚数撮れました。

 まさに不安解消だ! とはいえiPhone 7は最先端のスマホとは言えません。ようやくアップルはサムスン電子に追いついただけにすぎないのです。サムスンは半年前に「Galaxy(ギャラクシー)S7」に同等レベルのカメラと防水機能を搭載しています。

 iPhone 6の発売から2年たちましたが、iPhone 7の見た目はさほど変わっていません。しかし、アップルはわれわれの忠誠心を保つ多くの理由を与えてくれます。有用な機能を向上させているうえ、比類ない小売店やカスタマーサービスを提供してくれています。iOSは依然最もエレガントなモバイルソフトウエアです。新バージョンの「iOS 10」でも従来通り、便利な新機能を使うために電子メールや写真、やることリストなどのプライバシーを譲り渡さなくてもいいのです。

 では、iPhone 7への買い換えを見送る理由になりそうな点を挙げてみましょう。ヘッドホンジャックの廃止です。アップルはその理由をうまく説明できていませんでした。iPhone 7にはこれまで通りコード付きのイヤホンが付いてきますが、円形の端子ではなく、「Lightning(ライトニング)」端子に差し込んで使用します。このほか、手元の古いヘッドホンも使えるようライトニング端子を円形端子に変換できるアダプターも同梱されています。ただし、大きな欠点が1つあります。もう1つ奇妙な変換アダプターを40ドルで買わない限り、ヘッドホンと充電器を同時に使うことができないことです。

 これはわずらわしいことではありますが、ワイヤレスヘッドホンを検討するいい機会でもあります。ワイヤレスヘッドホンは近年、技術が飛躍的に向上しています。アップルは10月、純正のワイヤレスイヤホン「AirPods(エアポッズ)」を160ドル(日本では1万6800円)で発売します。見た目はイヤリングと電動歯ブラシのヘッドを足して2で割ったような感じです。充電が必要なことと、小さいので紛失してしまわないかが心配が、飛行機やオフィスでの試作品の使い心地は良かったです。

 では、なぜヘッドホンジャックをなくしたのか? アップルはオーディオ技術を進化させるにはそうした「勇気」が必要だと説明しましたが、説得力に欠けました。自画自賛するよりも、主要なメッセージを貫いた方がよかったのえは。つまり、満員電車よりもぎゅうぎゅう詰めのスマホの内部にスペースを空けることで、われわれが本当に望む実用的なことができるようになると説明すべきだったのです。

バッテリー

 アップルはスマホのサイズを変えずに性能を向上させることに成功しました。バッテリー容量は昨年のモデルと比較して7では14%、7 Plusでは5%増えました。また、アップルの新型プロセッサーは処理が高速化するとともに、使用していない部分の電源を切る節電機能を備えています。

 筆者の厳しいバッテリーテストでは、iPhone 7の駆動時間は10時間半で、7 Plus(バッテリーは7より大きいが、画面も大きいため消費電力も多い)は約10時間でした。新品のiPhone 6sと6s Plusと比較して、いずれも約1時間半持ちがよく、1年使用済みの6sとの比較では2時間15分長く持ちました。

防水性

 われわれのテストでは、防水性能が加わったiPhone 7を金魚鉢や池に30分沈めてみたり、1時間半にわたってプールに出し入れしたりしてみましたが、壊れませんでした。しかし、泳ぐ際に持っていくことはお薦めしません。アップルは防水性能について「水深1メートルで最大30分」としています。また、標準の1年のハードウエア保証は水による損傷はカバーしていません。水にぬれた場合、少なくとも5時間乾かしてから充電する必要があります。

 iPhoneを買ってからデジタルカメラの使用をやめてしまった人に朗報があります。iPhone 7で最も改良されたのが、暗い場所での撮影性能です。7も7 Plusも新しいセンサーや開放絞り値の大きなレンズ、光学式手ぶれ補正機能が搭載されているのです。

 筆者のテストで最も劇的な違いの1つが確認できたのが、薄暗いバーで撮った同僚のネイサン・オリバレス・ジャイルズ記者の写真です。6sで撮った写真は彼がどんな表情をしているかがほとんど分かりませんが、7sで撮った写真はグラスを掲げて笑っているのが分かります。

 サムスンの「Galaxy S7」と「Galaxy Note(ノート) 7」の素晴らしいカメラとの比較では、引き分けといったところです。筆者が「Galaxy S7 Edge(エッジ)」とiPhone 7で夜に撮影したラジオ・シティー・ミュージック・ホールの写真を比べてみると、Galaxyの方がダイナミックレンジが優れていますがノイズが多く、iPhoneはシャッターをほんの少し長く開きすぎるために露出過度になっているのが分かります。


 iPhone 7 Plusは画面とバッテリーが7よりも大きく、背面カメラが2つあります。1つは広角撮影、もう1つは望遠撮影用です。被写体に近づけないときに使うと便利ですが、安いオートフォーカスのカメラでももっとズームが可能でしょう。

スピーカー

 アップルはステレオスピーカーをiPhoneに組み込み、音量を2倍にしました。これは電話会議をしたり、ベッドで動画を見たり、シャワーでポッドキャストを聴いたりする際に非常に助かります。

 「ホーム」ボタンは、もはやボタンではありません。画面の一部になっていて、触れると小さく振動する「触覚フィードバック」と呼ばれる技術が使われています。動きが少ないということは壊れにくいということでもありますが、押した感じがしないので、ちょっとだまされているような気がしました。

 アップルによるとiPhone 7のディスプレーは前機種よりも25%明るさが増していますが、屋外ではそのメリットがあまり感じられませんでした。iPhone 7はディスプレーに関してサムスン製品よりも遅れています。7の液晶ディスプレー(LCD)にはこれまでと同じ厚い縁取りがありますが、サムスンの有機EL(OLED)ディスプレーは端まで続いています。またサムスンのディスプレーは画素が3倍以上なので写真や文字の表示が非常に鮮明で、バーチャルリアリティー(VR、仮想現実)などの新たな技術にも有用です。

 購入して2年(あるいはそれ以上)のiPhoneから買い替える価値はあるでしょうか? 答えはイエスです。ではアップルが来年、iPhone発売10周年を記念した豪華な有機ELディスプレー搭載の赤色のモデルを発売した場合、7を手放したくなるだろうか? アップルのために、そうなることを期待したい。(ソースWSJ)