私が居る理由

~私が今ここに居る理由を探して生きている・・・~ とは言ってみたが、書いていることは超カルい、日々の雑記帳。

「うたうひと」を読んだ

2008-10-06 20:05:28 | 読んだ本
うたうひと
小路 幸也
祥伝社

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「クラプトンの涙」もよかった。

「何故なのか」「今でも考えるよ。どうしてアンリはいなくなったののかとね」「ちょうど三枚目のアルバムが出たときですね」「そうだ」「最初のバンドの絶頂期だったと言ってもいいんじゃないでしょか」「そんな時期に、愛する人の傍を離れるということは、女性にとっても相当のことのように思います」「君ならどう思う」

「だが、君は彼から離れた」「はい」「何故」「子供ができました」「子供が?」「もちろん私にとっては嬉しい出来事でしたけど、私の中の何かが、それを否定しました。それは、彼を殺すことになると」「殺す?」「その時の彼に家庭という存在は邪魔になるだけだと思ったんです。その重さは彼の感受性を豊かにしない。ガラスのように繊細な彼の才能をこの子供は、この子の存在が、それをきっと砕いてしまうと、判断したんです。だから」・・・・・・「私は、何も告げずに。彼の元を去りました」「辛かったろうな」「だからというわけではありませんが」「アンリもか」「はい」「もちろん他の理由だったかもしれません。けれども、そんなに愛し合ったのに、何もも告げずに去ってしまったのはたぶん、いえ、間違いなくきっと、あなたのためだったのだと思います」そうかもしれない。「恨んでいたんですか?アンリさんを」「いや」・・・・・・「<Cold Rain>はちょうどその頃の曲じゃありませんか?」「あぁ」そうだ。<Cold Rain>。俺の最大にして最高のヒット作。「あれは、そうだな、そうだ」ひそやかに降り続く<Cold Rain>。「アンリがいなくなったことを受け入れたから、できた歌だ」


「左側のボーカリスト」を読んだ時、ポルノのこと、少しだけ思った。

ショウに歌わせることだけを考えた自分だけのオリジナル。
<唄うだけの暗い男><あの天使の歌声がなければただの人><ケントにすがっていなければ生きていけない>
社交的な性格だった私との違いも大きかったのか。スーパースターであり続けることは、大人しく内に閉じこもることの多かったショウには酷な立場だったかもしれない。
「僕はただのスピーカーだ。君が作った歌をきれいな声で出すだけの人間だ。それだけで僕に冨と名声が向こうからやってくるんだ」「ショウ、そんなことはない」
「いっそのこと、本当にただのスピーカーならどんなに良かったことか!」「ただのスピーカーが多くの人を感動させる声を出すことができると思っているのか?僕の歌に命を吹き込んでいるのは紛れもなく君んんだぞ。君はアーティストなんだぞ?君以外に誰が僕の歌をあんなにも素晴らしいものにできるっていうんだ?」
「誰でもいいじゃないか!」「美しい歌声を持った人間は他にもたくさんいる!」「あの歌は、僕の歌じゃない!君のだ!」

ポルノのボーカルがアキヒトでなければ、多分、いや絶対、こんなに彼らにハマらなかっただろう。
そして、もしポルノがなくなってもアキヒトが唄い続けてくれれば、CDを買って、コンサートに通い続けると思う。ポピュラリティという部分でポルノを上回ることがなくても、唄い続けてくれれば。。


「バラードを」もよかった。

「デビューしてからずっと、売れたのはポップチューンばかりよ。バラードはまるで受け入れられなかったの」
「踊るように弾き歌うことばかりがクローズアップされて、それは私にとって自然なことだから嬉しかったけど、・・・」
「どうして私には人の胸を打つバラードが作れないんだろうと悩んだの。・・・」

苦しみから、悲しみからしかバラードは生まれないのだろうか。。。
何かを犠牲にしないと、人の心を打つものはできないのだろうか。。。


「笑うライオン」もバンドマンの気持ちがよくわかる。

そして、「その夜に歌う」は、涙が出そうになった。


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