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「月への梯子」 樋口有介 文春文庫

2012-12-30 | 読書



この作家には、もっと違った秀作があったと思うが、なぜか図書館からの通知は書名が違っていた。
きっと私が選択を間違えたのだろう。と思うほど、よみやすくて一気読みにしても秀作とは思えなかった。残念。
面白くないというわけではない。ただ後に残すほどでもない。
一応、記録するけど。
別の作品で、自分なりの印象の訂正をしたい。

* * *

知能が小学生並みで、自分のことを僕というので、周りからボクちゃんと呼ばれている、福田幸男。

母が亡くなり独り暮らしになる前に、今後を心配した母からアパートを譲られ管理人になっている。
生活の心配はないので、器用な腕を生かして家の保全は自分でやってしまう、ついでに近所のものも手伝う。人柄は素朴で器用で、正直者なので評判がいい。

6部屋に住んでいるアパートの住人も個性はあるが穏やかに暮らしていた。

だが、アパートで殺人事件が起き、壁塗りに上がった二階の窓から死体を見たボクちゃんは驚いて、梯子から落ちてしまう。

そのショックで、頭の働きは元に戻り、ついでに体形も痩せて引き締まり、犯人探しの推理が出来るようになる。
事件のあと、平和そうに見えた住人の背景が、なかなか面倒なものだったと分かってくる。

* * *

というように話は始まるが、犯人探しの部分も少し興味を引くが、ボクちゃんの変身後が面白い、体も痩せてちょっとした二枚目になり、もてる。
過去のボクちゃんは心の隅に、こういう憧れも秘めていたのだろうか。
などと思いながら、それでも矛盾の多いこの話を楽しんだ。

終盤は、そうだったのかと、多少納得する部分も有るが、なんだか少し足りない、あまり深く考えないで読むのにはいいかな。
この作家には評価の高いものもあるようで、読み直して感想の記憶は上書きすることにする。





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