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「植物はすごい 七不思議編」 田中修 中公新書

2016-08-28 | 読書


なぜ「昆虫はすごい」やこの「植物はすごい」、「雲の名前」といった自然科学、柔らかくいえば、自然の営みに目が向くのか。それは私が4歳から10歳くらいまで、人里はなれた山に中の一軒家で、大人たちに囲まれて過ごした歳月が、いつも心の底にあるからで。
山に登らずに「お~い」と叫んで帰ってくるこだまを聞いたことがあるだろうか、遠くの山が煙り、瞬く間に迫ってきた夕立に追いかけられるのを知っているだろうか。
回りに言わせれば私の元風景だと言うことだ。そこで自然の中で体験したことが、後で気がついたある寂しさとともに、一時期自然の草木や四季折々の移り変わる風景や音の中で育ち、大人が話してくれる民話などで育ったということが折にふれて甦る。
成長期にまた都会に戻り、学生時代を経て社会人になり、人にもまれた別な任健的な体験を積み重ねてきた。そうして今、やはり帰るところは全ての意味で自然の中ではないだろうかと感じる。

朝TVをつけると、「子供電話相談室」の録音風景を放送していた。学校が休みになると始まるこの放送がカーラジオから聞こえると、車を止めて聞いてきた。その回答者が書かれた本を買ってきた。
「トマトの種の周りのヌルヌルは何のためにあるの?」「それはね。すぐ芽が出たら食べられないでしょう」
種をまくには洗ってこのヌルヌルを取らなければならない(今は接木をした苗を買ってくるが)。昔は洗ってから蒔いたものだ。でもなぜ?といわれると先生の回答を待たなくてはならない。この番組は面白かった。子供の「なぜ?」にはっとさせられた。

ちょうど本屋さんで目に付いたので読んでみた。確かに何気なく見ている中に「不思議」は一杯あるものだ。

一一一 たしかに、植物のすごさ、巧みさ、アッパレさを紹介するときには、いろいろな植物のもつ”ふしぎ”をいろいろ取り上げます。そして、その”ふしぎ”に潜むしくみや工夫について、分かりやすい植物を例にあげて説明して来ました。一一一 

第1話 サクラの”7ふしぎ”
    なぜ、ソメイヨシノの開花は”はなやか”なのか ほか

第2話 アサガオの”7ふしぎ”
    なぜ、青かった花が赤紫色になるのか ほか

第3話 ゴーヤの”7ふしぎ”
    表面のブツブツは何の役にたつのか ほか

第4話 トマトの”7ふしぎ”
    トマトは野菜か果物か ほか 
   
第5話 トウモロコシの”7ふしぎ”
    なぜ黄色と白色の粒が混じっているのか ほか

第6話 イチゴの”7ふしぎ”
    タネの働きは ほか

第7話 チューリップの”7ふしぎ”
    なぜタネで栽培しないのか ほか

知っていることも知らなかったこともある。
生きていることは植物だけに限らない”不思議”に囲まれている。”不思議なこと”に気がつくことは、どんな環境にあっても、どんな分野であっても生活を豊かにし考えを深める役にたつ思う。そして
こうして回答書があり胸のつかえがおりるりることが嬉しい。







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