イギリスの女性作家を一人覚えたが、巨匠と呼ばれているにしてはこの作品は甘かった。いろんな意味で。
これはこれはと、読み終わって力が抜けた。ミステリの要素は揃っているが、ソフトボイルドというか食べやすさとともに後味にはロマンティックな甘さが残った。ハーレクイン的ミステり。
創元推理文庫にはいつも楽しませてもらっていてハズレがないと思っている。
この作家は知らなかったがまぁイギリスの作品だし信頼は厚い。
時代はさかのぼるが、読書歴は乏しくて、思い出してみても女性作家はクリスティとセイヤーズあたり、男性作家もゴダートやクロフツ、ウィングフィールドなどほんの一握り。なので期待して読み始めた。
人間離れのしたねじ曲がり男。こんなのが隣に越してきた。一家の主婦を狙って忘れたい古傷を種にしげしげと通ってくる。
脅かされる主婦は「悪魔」のような男に怯えている。
その夫は戦争で下半身不随になり車椅子に乗ってはいるが夫婦仲はいい。
なんか貞淑そのものの妻である。
ジェリーがドライブ途中、ケント州の小さな村で、足に豆が出来た娘を家まで送っていった。可愛かったし彼はちょっとときめいたのだ。
あいにく雨に会い雨宿りをしていると、メイドが「殺人!」といって駆けてくる。テンポのいい始まりで殺人事件が幕を開け、なんとジェリーの父はスコットランドヤードの敏腕警部だった。
このジェリー親子で捜査を進めるのだが、この親子は仲がいいほのぼのとした関係で、お父さんの事件に向かう顔と息子に話す顔のやさしさがいい。
反面、殺された男を含め気味が悪い隣の男たちが、これでもかというほど怪しい。
それに比べて脅迫まがいにしげしげとやってくる男達におびえる、ホワイトコテージの夫婦、その妹、小さな娘と養育係、メイド、癖がありそうだがどうも肩を持ちたくなる雰囲気を醸し出す人たち。
なのだが何か曰くがありそうで、脅迫される種を抱えていて、殺す動機もそのあたりかと思える。
隣には前科のある男や後ろ暗そうな男がいる、警部の顔見知りの前科者もいて、彼らのイギリスとフランスをまたにかけた痕跡を追っていく。ここは警部の面目躍如といったところ。
ここで私はハタとたちどまった。国際的な窃盗団が出てくる。世界的な大富豪が裏取引で買いあさっている名品中の名品を調達するグループに、隣の家の居候がかかわっているらしい。というので、知らなかったのだがこの作家はイギリスでは巨匠らしい。ではその世界も広く、ここらで「M」でも出てくるのだろうか。スコットランドヤードのお馴染みの秘密情報部でも出てくるのか。まるで高村薫さんの「リヴィエラを撃て」のような流れになるのか、それなら肝を入れて気を引き締めてと思ったらここで読むのを一休みしてしまった。
改めて読み始めると、さにあらず、なんと居候の彼らは小物で、この追跡劇はさっさと片付き、警部の面目もたつ。
しかしこの件から手がかりを見つけ敏腕警部は、事件捜査を仕上げる。
気をもんだ息子のジェリーは美しい一目ぼれの娘を手に入れる。めでたしなのだが。
厄介者の悪質な隣人はいなくなり、質の悪い居候も去ってホワイトコテージに平和が戻る。
だが、意外な幕切れはなかなか意味深で、読みながら謎解きをするまでもなく、警部と神のみぞ知る予定調和な結末で締めくくられる。
なんとも、読みごたえはないが後味はいい。ストーリや登場人物はわかりやすく極端に分かれて、ただ少々割り切れない気がするグレーゾーンも何気なく終わりになるという、肩すかしの一冊だったけれど
まぁそれでもミステリの要素は揃っていた。
甘さもこのくらいならイギリス風アフタヌーンティータイムということで。
創元推理文庫にはいつも楽しませてもらっていてハズレがないと思っている。
この作家は知らなかったがまぁイギリスの作品だし信頼は厚い。
時代はさかのぼるが、読書歴は乏しくて、思い出してみても女性作家はクリスティとセイヤーズあたり、男性作家もゴダートやクロフツ、ウィングフィールドなどほんの一握り。なので期待して読み始めた。
人間離れのしたねじ曲がり男。こんなのが隣に越してきた。一家の主婦を狙って忘れたい古傷を種にしげしげと通ってくる。
脅かされる主婦は「悪魔」のような男に怯えている。
その夫は戦争で下半身不随になり車椅子に乗ってはいるが夫婦仲はいい。
なんか貞淑そのものの妻である。
ジェリーがドライブ途中、ケント州の小さな村で、足に豆が出来た娘を家まで送っていった。可愛かったし彼はちょっとときめいたのだ。
あいにく雨に会い雨宿りをしていると、メイドが「殺人!」といって駆けてくる。テンポのいい始まりで殺人事件が幕を開け、なんとジェリーの父はスコットランドヤードの敏腕警部だった。
このジェリー親子で捜査を進めるのだが、この親子は仲がいいほのぼのとした関係で、お父さんの事件に向かう顔と息子に話す顔のやさしさがいい。
反面、殺された男を含め気味が悪い隣の男たちが、これでもかというほど怪しい。
それに比べて脅迫まがいにしげしげとやってくる男達におびえる、ホワイトコテージの夫婦、その妹、小さな娘と養育係、メイド、癖がありそうだがどうも肩を持ちたくなる雰囲気を醸し出す人たち。
なのだが何か曰くがありそうで、脅迫される種を抱えていて、殺す動機もそのあたりかと思える。
隣には前科のある男や後ろ暗そうな男がいる、警部の顔見知りの前科者もいて、彼らのイギリスとフランスをまたにかけた痕跡を追っていく。ここは警部の面目躍如といったところ。
ここで私はハタとたちどまった。国際的な窃盗団が出てくる。世界的な大富豪が裏取引で買いあさっている名品中の名品を調達するグループに、隣の家の居候がかかわっているらしい。というので、知らなかったのだがこの作家はイギリスでは巨匠らしい。ではその世界も広く、ここらで「M」でも出てくるのだろうか。スコットランドヤードのお馴染みの秘密情報部でも出てくるのか。まるで高村薫さんの「リヴィエラを撃て」のような流れになるのか、それなら肝を入れて気を引き締めてと思ったらここで読むのを一休みしてしまった。
改めて読み始めると、さにあらず、なんと居候の彼らは小物で、この追跡劇はさっさと片付き、警部の面目もたつ。
しかしこの件から手がかりを見つけ敏腕警部は、事件捜査を仕上げる。
気をもんだ息子のジェリーは美しい一目ぼれの娘を手に入れる。めでたしなのだが。
厄介者の悪質な隣人はいなくなり、質の悪い居候も去ってホワイトコテージに平和が戻る。
だが、意外な幕切れはなかなか意味深で、読みながら謎解きをするまでもなく、警部と神のみぞ知る予定調和な結末で締めくくられる。
なんとも、読みごたえはないが後味はいい。ストーリや登場人物はわかりやすく極端に分かれて、ただ少々割り切れない気がするグレーゾーンも何気なく終わりになるという、肩すかしの一冊だったけれど
まぁそれでもミステリの要素は揃っていた。
甘さもこのくらいならイギリス風アフタヌーンティータイムということで。
☆ 梅雨が明けて暑くなってきました。室内の読書報告(と言っても前に読んだもののリライト)です。
出来たら散歩リポートも書きたいのですが、「日日是好日」で読んだり書いたり遊んだり日記ということで、よろしくお願いいたします。