警察小説で、主人公がうら若い女性らしい。すこしこういう世界から離れていたので読んでみた。
初めての作家を知るのも楽しみだし、目撃者が相貌失認という設定も、ストーリー展開が面白そうだ。
新設の大学は単科ではあるが自由な気風で、留学生も受け入れている。だが評判のよくない教授が、爆弾を送りつけられて死んだ。
犯人と接触し、教授の研究室のドアの前にいた留学生担当の教授は、そこで犯人と接触していたが、彼は相貌失認という脳障害があった。
墨田所管内の事件なので強行班係一柳美結巡査が相棒と調べに行く。
留学生からの聴取も目撃者の佐々木教授からも、核心に触れる手がかりが得られなかった。
そして第二の爆破事件がおき、留学生との関係がわかってくる。
非常に華々しい展開で、サイバーテロ、大掛かりな国際テロ組織があるらしい、ボスの”C"という人物からのメッセージが届く。
過去のある留学生の集まりは結束も強く、警察も意志の疎通が得られにくい。そのうち爆死した教授ではなく佐々木が狙われたらしいと思われてくる。
彼を狙った国際的な組織とをもつ”C"と警察の情報解析のプロとの対戦。
面白い要素がスピーディに展開するが、警察の捜査が混迷を極める。
やっと留学生の一人を追い詰めるが、それも”C"に操られていたらしい。
現代的な様々な要素が絡んで早く読めてしまえた。
ただ事件が解決して爆破の犯人も挙がった、しかし国際組織というテロ集団と、時に顔を出す”C”の神がかったモノローグが、多少現実の事件の鮮明さから離れ、続編もあるらしい締めくくりは消化不良が残った。
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