カヌレを焼き始めると、250度という高温なので沸騰します。
この全体の沸騰までに至る温度の上昇中にデンプン質が固化する温度を通り
卵黄が焼き固まる温度をとおり卵白が焼き固まる温度を通ります。
オーブンの癖もあるので、本当に250度であるかは不明です。
270度まであげてから、ドアをあけて250度にしていますが
正確な温度は不明で、温度計が必要ですって、書いてあります。
次に、デンプンの固化やタンパク質が焼き固まると、半液体、半固体
みたいなトロトロな状態になっていきます。
この時に生地の内側に発生する水蒸気を、このトロリとした生地が包み込み
膨らみます。
次は、縮んでいくのです。型の上からほんの少し、でたとしても1センチぐらい飛び出すくらいを目処に膨張した後に
静かに沈んでいきます。が、そうはいかない。
膨らみすぎて、生地があがってしまって戻らないとそのままになってしまいます。
型の中の下で水蒸気が発生してあがってくるのです。温度管理が難しいです。
これは、タンパク質に火を入れ続けると縮む現象。
やっとちじみきった状態で本格的に焼き始まります。
いったんは膨らんでも、縮んで型の底に生地がついた状態がないと
焼けません。
こんな一連の焼き始めから焼き終わりまでの過程を見ると、
沸騰、膨張、収縮、固化、タンパク質変性の順序だったバランスと
内側に存在する気泡、発生する水蒸気の量
これらがバランスが取れていないとできないと言う事になります。
250度で15分、200度で50分で焼いて、よく焼けていたのにできなくなりました。
なんで?オーブンも新しくてとても調子がよかったのに。不思議です。
やはりボルドーに行かないとだめです。