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止まらない人員整理- 産業予備軍としての非正規
ソニーが正職員を削減する方針だということが報じられている(参照)。金融危機を発端にした日本での首切りは新たな段階に移行したといえる。事態はいっそう深刻さを増している。
今日、明日の期間工・派遣労働者切りをやめさせるとともに、労働者を守る本格的で強力な措置がいよいよ不可欠になっている。「しんぶん赤旗」によれば、厚労省が不適切な解雇・雇い止めをしないよう指導することを全国の労働局長あてに通知したそうだから、一歩前進だが、いっそうの規制を大企業にかける必要がある。
ソニーが正社員に手をつけはじめたことは、今後、正規労働者にも解雇が広がるだろうことを暗示している。
その上で思うのは、当ブログで先にのべていた2009年問題が迫っていることだ(参照)。
いわゆる2009年問題が語られるのは、次の理由からである。
06年に偽装請負が大きな社会問題となったが、企業は、偽装請負を労働者派遣に切り替えることで乗り切る方針をとった。しかし、労働者派遣には、請負にはない制限がある。それは、同じ業務への派遣は最長3年までというものだ。だから、06年から3年後の09年に、いっせいに契約期間が切れる派遣労働者を直接雇用するか、請負にするか、派遣打ち切りにするか、大企業・財界にとって選択が迫られるという問題が待ち受けているわけだ(*1)。
そうした派遣労働者の処遇を09年3月末には決着しなければならない。むろん労働者の立場にそって考えると、正規労働者への切り替えを要求しなければならない性質の問題なのだが、率直にいえば、これだけの状況から判断すると、企業が派遣打ち切りに乗り出す可能性は高い。
いずれにせよ、現場の欠かせない戦力として派遣労働者を最大限活用してきた企業は、この「難問」に直面しているのだが、非正規雇用労働者の雇用環境はいっそう厳しくなることが予想されるわけだ。
労働者派遣法が施行されたのは1986年。そして、規制緩和の連続のなかで派遣労働者は320万人を超えるともいわれている。
そのうちの多くは、いわゆる登録型の派遣だが、彼らは不安定な雇用形態、低賃金と無権利のなかに置かれている。最低限の生活すら保障されないという事実が、たとえば彼らにネットカフェ難民という貧困を強いてきた。
思えば、バブル崩壊以後、今日の非正規雇用の拡大が目にみえてすすんでいる。
新規採用は1991年を境に大きく減少した。就職氷河期の到来だ。同時に、規制緩和の名で、人材を外部から調達する方途として派遣・請負(労働者)が広がった。これによって彼らは、低賃金で、しかも保険や年金等の社会保障費用、法定福利費を負担する必要もない、調整弁として機能することになった。
一般的にいえば、資本の蓄積がすすみ、企業の経済活動が拡大すれば、そこで働く労働者の数も増えなければならない。この際の増える労働者は、どこから調達されるのか。日本の50年ばかりのスパンで考えると、それは、農民や自営業者を没落させて労働者に転化させてきたといえる。けれど、資本蓄積によって労働者の数はふえるが、実際に必要とされる労働者は、それを下回る速度でしか増えない。技術進歩によって、機械・原材料に投下される資本量の比率はふえるが、労働力確保に投下される資本は相対的に緩やかにしか増えない。このスピードの差によって、産業予備軍とよばれる失業者、半失業者がつくりだされる。
この産業予備軍の存在が企業が高い利潤を生む環境となっている。日本の失業率は、90年代に4%になって以来、高い水準で推移している。すでに過去エントリーでふれたように日本の統計上の問題もあるのだが。多数の潜在的失業と半失業をあわせると、労働力人口の20%にのぼるという見解もある。
不本意ながら非正規で働く人は半失業だと考えられる。非正規雇用の拡大は、つまり、この産業予備軍を大きく拡大させたことになる。そのことは、すなわち企業にとっての利潤を生み出す環境を、使い勝手のよい環境をつくり出したといえる。
非正規をこのように、企業が自らの都合で、モノ扱いにするのはこのためだ。
こうして、富と貧困は広がるのである。
いすゞに続き、日産でも、キヤノンでも非正規労働者の組合が結成された。
これまで日本では企業別労働組合として出発したことによる弱点が常々、指摘されてきた。それに年功序列賃金と終身雇用制が労働者を企業内にとどめることに機能してきた。労働者は企業をこえて連帯することはなかった。
企業が推進してきた非正規雇用というアウトソーシング。今度は、その非正規雇用の削減に乗り出した大企業を前に、個人加盟ユニオンという企業横断的な新たな形態が一つの流れとなって運動をつくりあげることが期待されているのではないだろうか。
(「世相を拾う」08258)
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*1;企業の本音は、「3年たったら正社員という派遣法は見直すべきだ」(御手洗冨士夫)に尽くされています。
今日、明日の期間工・派遣労働者切りをやめさせるとともに、労働者を守る本格的で強力な措置がいよいよ不可欠になっている。「しんぶん赤旗」によれば、厚労省が不適切な解雇・雇い止めをしないよう指導することを全国の労働局長あてに通知したそうだから、一歩前進だが、いっそうの規制を大企業にかける必要がある。
ソニーが正社員に手をつけはじめたことは、今後、正規労働者にも解雇が広がるだろうことを暗示している。
その上で思うのは、当ブログで先にのべていた2009年問題が迫っていることだ(参照)。
いわゆる2009年問題が語られるのは、次の理由からである。
06年に偽装請負が大きな社会問題となったが、企業は、偽装請負を労働者派遣に切り替えることで乗り切る方針をとった。しかし、労働者派遣には、請負にはない制限がある。それは、同じ業務への派遣は最長3年までというものだ。だから、06年から3年後の09年に、いっせいに契約期間が切れる派遣労働者を直接雇用するか、請負にするか、派遣打ち切りにするか、大企業・財界にとって選択が迫られるという問題が待ち受けているわけだ(*1)。
そうした派遣労働者の処遇を09年3月末には決着しなければならない。むろん労働者の立場にそって考えると、正規労働者への切り替えを要求しなければならない性質の問題なのだが、率直にいえば、これだけの状況から判断すると、企業が派遣打ち切りに乗り出す可能性は高い。
いずれにせよ、現場の欠かせない戦力として派遣労働者を最大限活用してきた企業は、この「難問」に直面しているのだが、非正規雇用労働者の雇用環境はいっそう厳しくなることが予想されるわけだ。
労働者派遣法が施行されたのは1986年。そして、規制緩和の連続のなかで派遣労働者は320万人を超えるともいわれている。
そのうちの多くは、いわゆる登録型の派遣だが、彼らは不安定な雇用形態、低賃金と無権利のなかに置かれている。最低限の生活すら保障されないという事実が、たとえば彼らにネットカフェ難民という貧困を強いてきた。
思えば、バブル崩壊以後、今日の非正規雇用の拡大が目にみえてすすんでいる。
新規採用は1991年を境に大きく減少した。就職氷河期の到来だ。同時に、規制緩和の名で、人材を外部から調達する方途として派遣・請負(労働者)が広がった。これによって彼らは、低賃金で、しかも保険や年金等の社会保障費用、法定福利費を負担する必要もない、調整弁として機能することになった。
一般的にいえば、資本の蓄積がすすみ、企業の経済活動が拡大すれば、そこで働く労働者の数も増えなければならない。この際の増える労働者は、どこから調達されるのか。日本の50年ばかりのスパンで考えると、それは、農民や自営業者を没落させて労働者に転化させてきたといえる。けれど、資本蓄積によって労働者の数はふえるが、実際に必要とされる労働者は、それを下回る速度でしか増えない。技術進歩によって、機械・原材料に投下される資本量の比率はふえるが、労働力確保に投下される資本は相対的に緩やかにしか増えない。このスピードの差によって、産業予備軍とよばれる失業者、半失業者がつくりだされる。
この産業予備軍の存在が企業が高い利潤を生む環境となっている。日本の失業率は、90年代に4%になって以来、高い水準で推移している。すでに過去エントリーでふれたように日本の統計上の問題もあるのだが。多数の潜在的失業と半失業をあわせると、労働力人口の20%にのぼるという見解もある。
不本意ながら非正規で働く人は半失業だと考えられる。非正規雇用の拡大は、つまり、この産業予備軍を大きく拡大させたことになる。そのことは、すなわち企業にとっての利潤を生み出す環境を、使い勝手のよい環境をつくり出したといえる。
非正規をこのように、企業が自らの都合で、モノ扱いにするのはこのためだ。
こうして、富と貧困は広がるのである。
いすゞに続き、日産でも、キヤノンでも非正規労働者の組合が結成された。
これまで日本では企業別労働組合として出発したことによる弱点が常々、指摘されてきた。それに年功序列賃金と終身雇用制が労働者を企業内にとどめることに機能してきた。労働者は企業をこえて連帯することはなかった。
企業が推進してきた非正規雇用というアウトソーシング。今度は、その非正規雇用の削減に乗り出した大企業を前に、個人加盟ユニオンという企業横断的な新たな形態が一つの流れとなって運動をつくりあげることが期待されているのではないだろうか。
(「世相を拾う」08258)
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*1;企業の本音は、「3年たったら正社員という派遣法は見直すべきだ」(御手洗冨士夫)に尽くされています。
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