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民主党も問われている。
民主党は10日、福田首相が出席予定の12日の衆院決算行政監視委員会で、民主党の会派に所属する田中真紀子・元外相(無所属)を質問者に立てることを決めた。
首相の父、福田赳夫・元首相と、田中氏の父、田中角栄・元首相はかつて、首相の座をめぐって「角福戦争」と呼ばれる政争を繰り広げた。
民主党幹部は「舌ぽう鋭く首相を追い込んでもらいたい。第2の『角福戦争』として、国民の関心も集まる」として田中氏を起用。質問内容に一切注文をつけず、「自由に質問してもらう」という。
「第2の『角福戦争』として、国民の関心も集まる」といえるこの政党に、どうも今ひとつ信頼を寄せることができないのです。
自民か民主かという舞台をつくりあげて、国民の目をそこに集中させる、争点はそこだといわんばかりの選挙戦とそれをあおるメディアに批判的な態度を当ブログはとってきました。
自民か民主かという問題設定は、両党間に明確な違いがないと成立しません。けれど、私には、2つのものを2つのものとして区分できる決定的な差異を見出すことができない。個々の分野で政策的な違いはあっても、審議では政府与党に同調する。そんな繰り返しが幾度となくあった。何よりも同党の基本線は自民党から派生したという出自があるからです。
ともあれ先の参院選は、民主党が大勝しました。国民の意思は、自民党ではこんどはダメで、野党第一党たる民主党に投票しようというものだったのでしょうが、選挙後の民主党は、それに応えているのでしょうか。そもそも期待はしていない、自民党も少しは反省するだろうという程度のものだいわれるのかもしれません。
テロ特措法をめぐる動向ではっきりしてきたと思います。自民党ではない民主党への期待ということであれば、同法延長はありえない、新法もいらない、海外での武力行使は認めない、これがこの問題での対決軸でしょう。だが、この立場に民主党はたてない。小沢氏の態度にそれが現われました。
たしかに参院選直後、テロ特措法延長反対という立場を明確にしましたが、いまや自民党(の対応)より海外での武力行使に積極的です。自民党への対決しようとすればするほど、民主党内の矛盾は深まる。すでに不協和音が聞こえてきました。
自民ノーの声をうけての大勝ですから、野党第一党として、自民党政治転換の道筋を示すべきです。たしかに、国会内での共闘は一歩前進しました。けれど、これとて国民新党からゆさぶりをかけられる始末で、順風満帆とはいいがたい。むしろ、政権をとりたい一心のみが、とくに小沢氏から感じられ、こう政治を変えようという強い意思は私には感じられません。
選挙後、民主党新人議員の「不祥事」がいくつか伝えられ、また「政治とカネ」問題で同党議員の政治資金収支報告書の記載問題が発覚しました。小沢氏の事務所費問題も再浮上しています。自民党からの巻き返しも反映して、風向きは、ますます悪くなっています。
これは何も要領が悪いからではないでしょう。冒頭の言葉のように、あたかも受けをねらうような国会でのふるまいや、あるいは候補者選びにおいてもそうであったように、大衆迎合的な態度であっては、政策面だけでなく、行動においても今の自民党となんら違いがないのではないでしょうか。記事の言葉は、民主党が自民党の一潮流であることを自他ともに認めているわけで、重要な意味をもつといえなくもない。このままではむしろ国民の政治不信が深まるばかりでしょう。
自民党と対決し、自民党とはちがった政治をめざす、そのために民主党が踏ん張れるかどうか、これが今、問われているのではないでしょうか。
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