私が子供のころは、「いじめ」というのはまだ取沙汰される前の時代だが…。
振り返ってみれば、当時から「いじめ」は確かに存在した。
中学のとき、クラスのほぼ半分にあたる女子がグループを作っていた。
「8人組」と言われていた。
個人的には、みんな普通に話せる友達だったけれど、
数学の教科係というのをやっていた私は、授業中に8人組のメンバーを指名するときはちょっと緊張した。
ある時から、8人組の中の一人がメンバーからいじめられるようになった。
いじめられていた彼女は、教室で泣いていた。
私と仲の良かった友達が、彼女と親しかったようで、
「あの子は、ちょっと体臭があるから、それでいじめられてるみたい」と言っていたが、
その子に、「いじめられてまでグループにいることないよ」と言われて彼女はグループを抜けた。
グループを抜けてからもしつこくいじめられるような、そんな時代ではなかった。
彼女が抜けた後、7人組になったグループでは、またその中の別の子をいじめ出した。
その後のことはよく覚えていないが、彼女も結局グループを抜けるかして、
特別問題が起こることもなく、解消していったように思う。
地味で目立たない子とか、ちょっとどんくさいと言われるような子が標的にされることもあった。
私は、そんな子の一人に特別仲が良かったわけではなかったが、
と言うか、ほとんど話したこともないような子だったけれど、
別に私はあなたのことが嫌いではないというような気持ちから、
一人で本を読んでいた彼女に、「何読んでるの?」と声をかけたりした。
高校のときには、多くの人からちょっと嫌われてしまった子がいて、
それがたまたまクラス替えの時期に重なってしまったため、
彼女を嫌う人間が、各クラスに分散して悪口を言ったので、
新学期には、彼女の悪い噂は学年全体に広がってしまい、(おおげさかもしれない)
とってもかわいそうだった。
私は彼女とは、友達の友達くらいの関係で、特別仲が良かったわけではないし、
彼女のことはよく知らないので、
悪く言ったりもしなかったけれど、まあいわゆる「傍観」というやつだったと思う。
彼女は先日の同窓会にも来て、みんなと楽しそうにやっていたので、
卒業までにちゃんと和解できたのではなかったろうか?
私も、「いじめられた?」と思える事件が一度だけあった。
中学の修学旅行のとき、仲の良い4人のグループだったのだけれど、
そのうちの一人が、クラスの男子と密かにつき合っていた。
それを知っていたのは、女子では私たち4人だけだったと思うのだが…。
旅行中に一度、私たちはパスの中で、彼と彼女を隣の席に座らせようと企んだ。
彼の隣には、ちょっと怖いE子ちゃんという女の子が座って、懸命に彼に話しかけていた。
私たち(彼女さんを除く3人であるが)は、「E子、E子、ちょっと~」とE子ちゃんを呼び、
E子ちゃんを彼から離して、そこに彼女さんを座らせた。
ところが、E子ちゃんは、彼のことが本当に好きだったらしい。
それで、私たちがしたことに怒り心頭だったらしいのである。
旅行後、私たち4人はクラスの女子から無視をされるという事態になった。
朝「おはよう」と声をかけても、そそそそ…と横を向いて歩いていってしまう。
「あれー?何だ?」と思っていると、
給食の時間にある子がわけを教えてくれる。
E子ちゃんと、E子ちゃんと仲の良かったK子ちゃんが、私たちを無視するように、
クラスの女子に指令を出したというのだ。
教えてくれた子は、「私は別にそんなことする意味がわからんから」と普通に話してくれた。
ちなみに、K子ちゃんとは私は小学校のときすごく仲が良かったのだけれど。
私は、腹が立ったけれど、
腹が立ったのは、E子ちゃんとK子ちゃんに対してではなく、
二人に言われて、私たちを無視した他の子たちに対してである。
E子ちゃんたちには、私たちのことを怒ってそういう行動に出る理由があるのだ。
でも、他の子たちは私たちに恨みはないはずなのに、ただ言われるままに無視をする。
それが私には許せなかった。
私は怒って「生活記録」という先生との交換ノートのようなものにそのことを書きまくる!!
一週間分のスペースを使って書いたものを翌日先生に提出した。
(いわゆる「チクリ」というやつだろうか?)
その日の放課後、私たち4人は教室に残って話していた。
「困ったね、どうしよう?」と一人が言う。
私は「生活記録に書いといた!」と、あっけらかんとして言う。
そう言うと、あとの3人の目が点になる。「書いたのー!?」
いかにも「とんでもないことをしてくれた」とでも言いたげな表情だったが。
その翌日、女子を集めて先生からお話があった。
先生がどんな風に説得を試みたのかは全く覚えていないが、
特別心を揺さぶられるような有り難いお話でもなく、ありきたりなことを言っただけだったと思う。
それで、この事件は解決してしまった。
E子ちゃんもK子ちゃんも、「友達とは仲良くしなきゃね」みたいなことを言って、
私たちともそれまで通りつき合ってくれるようになった。
私は内心、「先生のあの程度の話でやめちゃうような怒りの程度で、あんなことしたんだ」
みたいに冷めた思いを持った。
私は、こんな風に昔からちょっと変な子だったと思う。
他人と同じような考え方ができない人間だった。
振り返ってみれば、当時から「いじめ」は確かに存在した。
中学のとき、クラスのほぼ半分にあたる女子がグループを作っていた。
「8人組」と言われていた。
個人的には、みんな普通に話せる友達だったけれど、
数学の教科係というのをやっていた私は、授業中に8人組のメンバーを指名するときはちょっと緊張した。
ある時から、8人組の中の一人がメンバーからいじめられるようになった。
いじめられていた彼女は、教室で泣いていた。
私と仲の良かった友達が、彼女と親しかったようで、
「あの子は、ちょっと体臭があるから、それでいじめられてるみたい」と言っていたが、
その子に、「いじめられてまでグループにいることないよ」と言われて彼女はグループを抜けた。
グループを抜けてからもしつこくいじめられるような、そんな時代ではなかった。
彼女が抜けた後、7人組になったグループでは、またその中の別の子をいじめ出した。
その後のことはよく覚えていないが、彼女も結局グループを抜けるかして、
特別問題が起こることもなく、解消していったように思う。
地味で目立たない子とか、ちょっとどんくさいと言われるような子が標的にされることもあった。
私は、そんな子の一人に特別仲が良かったわけではなかったが、
と言うか、ほとんど話したこともないような子だったけれど、
別に私はあなたのことが嫌いではないというような気持ちから、
一人で本を読んでいた彼女に、「何読んでるの?」と声をかけたりした。
高校のときには、多くの人からちょっと嫌われてしまった子がいて、
それがたまたまクラス替えの時期に重なってしまったため、
彼女を嫌う人間が、各クラスに分散して悪口を言ったので、
新学期には、彼女の悪い噂は学年全体に広がってしまい、(おおげさかもしれない)
とってもかわいそうだった。
私は彼女とは、友達の友達くらいの関係で、特別仲が良かったわけではないし、
彼女のことはよく知らないので、
悪く言ったりもしなかったけれど、まあいわゆる「傍観」というやつだったと思う。
彼女は先日の同窓会にも来て、みんなと楽しそうにやっていたので、
卒業までにちゃんと和解できたのではなかったろうか?
私も、「いじめられた?」と思える事件が一度だけあった。
中学の修学旅行のとき、仲の良い4人のグループだったのだけれど、
そのうちの一人が、クラスの男子と密かにつき合っていた。
それを知っていたのは、女子では私たち4人だけだったと思うのだが…。
旅行中に一度、私たちはパスの中で、彼と彼女を隣の席に座らせようと企んだ。
彼の隣には、ちょっと怖いE子ちゃんという女の子が座って、懸命に彼に話しかけていた。
私たち(彼女さんを除く3人であるが)は、「E子、E子、ちょっと~」とE子ちゃんを呼び、
E子ちゃんを彼から離して、そこに彼女さんを座らせた。
ところが、E子ちゃんは、彼のことが本当に好きだったらしい。
それで、私たちがしたことに怒り心頭だったらしいのである。
旅行後、私たち4人はクラスの女子から無視をされるという事態になった。
朝「おはよう」と声をかけても、そそそそ…と横を向いて歩いていってしまう。
「あれー?何だ?」と思っていると、
給食の時間にある子がわけを教えてくれる。
E子ちゃんと、E子ちゃんと仲の良かったK子ちゃんが、私たちを無視するように、
クラスの女子に指令を出したというのだ。
教えてくれた子は、「私は別にそんなことする意味がわからんから」と普通に話してくれた。
ちなみに、K子ちゃんとは私は小学校のときすごく仲が良かったのだけれど。
私は、腹が立ったけれど、
腹が立ったのは、E子ちゃんとK子ちゃんに対してではなく、
二人に言われて、私たちを無視した他の子たちに対してである。
E子ちゃんたちには、私たちのことを怒ってそういう行動に出る理由があるのだ。
でも、他の子たちは私たちに恨みはないはずなのに、ただ言われるままに無視をする。
それが私には許せなかった。
私は怒って「生活記録」という先生との交換ノートのようなものにそのことを書きまくる!!
一週間分のスペースを使って書いたものを翌日先生に提出した。
(いわゆる「チクリ」というやつだろうか?)
その日の放課後、私たち4人は教室に残って話していた。
「困ったね、どうしよう?」と一人が言う。
私は「生活記録に書いといた!」と、あっけらかんとして言う。
そう言うと、あとの3人の目が点になる。「書いたのー!?」
いかにも「とんでもないことをしてくれた」とでも言いたげな表情だったが。
その翌日、女子を集めて先生からお話があった。
先生がどんな風に説得を試みたのかは全く覚えていないが、
特別心を揺さぶられるような有り難いお話でもなく、ありきたりなことを言っただけだったと思う。
それで、この事件は解決してしまった。
E子ちゃんもK子ちゃんも、「友達とは仲良くしなきゃね」みたいなことを言って、
私たちともそれまで通りつき合ってくれるようになった。
私は内心、「先生のあの程度の話でやめちゃうような怒りの程度で、あんなことしたんだ」
みたいに冷めた思いを持った。
私は、こんな風に昔からちょっと変な子だったと思う。
他人と同じような考え方ができない人間だった。