父の妹

2022-10-31 17:18:00 | あれこれ
姉のところに、「父の妹」を名乗る人から連絡があった。
父がもう随分体が弱っていて、会いたがっている。
だが、父に会う前に自分に会ってほしい。
まあ、会ってもいいんじゃないかということで、
姉と二人で父の妹に会いに行った。

いろいろと話はしたのだが。
私の印象は、「この人あまり知的な感じじゃないな」。
年齢のせいもあるのかもしれないが、
自分の話したいことをべらべらとしゃべる。
そんなこと、私たちに言ったってわかるわけないじゃないかと思うことも多い。
こちらから何かを聞くと、「わからない」。

まあ、彼女は母のことが大好きだったそうだ。
父の再婚相手のことは好きじゃなかったと。
また、亡くなった弟の嫁さんもものすごくキツイ人で・・・云々。
私たちに(特に姉に)会えたことをとても喜んではいた。

父が私たちに会いたくて妹に仲立ちを頼んだのかと思っていたが、
思うにそうじゃなくて、
父としては、会いたいと思ったとしても、今さらどの面さげて的な思いがあったんじゃないかと思う。
妹の方が、今会わなきゃとけしかけて連絡先を聞き出したというところじゃないだろうか?

私たちは父からの相続を受けるつもりはないのだけれど、
父は、その辺り弁護士に頼んでちゃんとしてあると言っているという。
父の妹は「辞退なんかしちゃダメだよ。もらうものはもらわなきゃ」と言うが。
私たちにはもらうつもりはない。

父は再婚相手と一人息子に先立たれ、今面倒を見ているのは息子の嫁さんだと言う。
敷地内の別棟に住んでいるという。
その嫁さんがいかにひどい人かということを説明される。
そんな話を聞いていると、さすがに父が気の毒になる。
自分の財産をそんな嫁(正確にはその娘たちだろうが)に全部持っていかれるのかと。
だったら、私たちが幾分かでももらってあげた方がいいのか?とか思ってしまう。
でも、少し時間がたったら、そんな思いも無くなった。
全くの他人の話だと思えばそんなこともあるだろうと思う。

父の妹は、父の連絡先を教えてくれたけれど...。
私は連絡をするつもりは全くないし、多分姉にもないと思う。
でも、父の妹という人に会えたことはそれなりに良かったとは思う。
何となく見えてきたこともあるし。
今までよりも更にふっきれたものもある。


お得

2018-11-21 19:00:58 | あれこれ
私は「お得」というやつが苦手だ。
苦手と言うと意味がわからないと思うが、「お得」をうまく使いこなせない。
「お得」より「面倒臭い」が先に立つ。

たとえばポイントカード。
テレビなどではよく言われる。
ポイントカードがいかに「お得」かと。
でも私が使いこなせるポイントカードは、近所の薬局とよく行くスーパーのものくらい。

元をただせば、かつてガソリン屋さんとか、夫の会社関係のものとかで、
溜まったポイントを有効期限までに使ってくださいと言われ、
でも、それらは商品を選ぶタイプのもので、
(昔はそういうものが多かったんじゃないかな?)
選べる商品の中には何も欲しいものがないのである。
ポイントとはそういうものだと私の頭に刷り込まれたような気がする。

何枚かポイントカードを作ったことはあるが、
お店によっては、支払いの時にポイントが溜まっているとか、
有効期限の近いものがあるとか言ってくれないところもある。
カードを作ったとたん、その店に行かなくなってしまったりもある。
セブンイレブンのnanakoも作ってしばらくは使っていたけれど、
一番便利なセブンがなくなってしまってから、あまり行く機会がなくなって、
たまに行っても、一々「チャージ」して何度かピッピッってやるより現金を払った方が面倒臭くないと思ってしまう。
溜まったポイントを上手に使うタイミングもよくわからない。

保険屋さんにプレゼントを選んでくださいと、パソコンを見せられた時にも、
何も欲しいと思うものはなかった。
昔はもらえるものは何でももらう人だったけれど、
最近はいらないものは受け取らない主義の私。
だけどわざわざ来てくれた人に「いらない」とも言いづらく…。
「温泉卵を作る容器をもらった」と娘に言ったら、
「よっぽど欲しいものがなかったんだね」と言われた。

新聞のチラシもほとんど見ない。
ずっと欲しかったものがすごく安くなってるとかでなければ、
わざわざ出かけて行こうとは思わない。
周りの人は、お店によって安いものが違うから薬局とか使い分けてると言うが、
慣れた店に行った方がいい。

安いものに興味がないというわけじゃない。
全体的にお安いお店を行きつけにしているし、
その場で安いものを選んでいる。

スマホの機種変をしたら、お試し契約で「お得」なサイトを入れた。
無料期間中にいろいろもらってください。
そう言われたけれど、面倒臭い。
1回だけコンビニでドリンクをもらったけれど、
他にもらえるものもあったけれど、使わずに解約してしまった。
「お得」のついた案内メールがいっぱいくるのもうっとおしい。

決まり事

2018-11-11 22:50:38 | あれこれ
息子の結婚式に留袖を着ることにしていた。
私は色留は持っているが、黒留は持っていない。
それでレンタルを頼んだ。
黒留用の草履も持っていないので、草履も借りるように手配した。
草履にはセットでバッグもついてくる。
でも、着物用のバッグは小さくて実用的でないので、使わないつもりだった。
黒いかわいい合皮のバッグを買った。
Mちゃんにつき合ってもらって、名古屋駅であちこち回って気に入ったものを買った。
何日かして、娘にそのバッグを見せた。
娘は目をまん丸にして、「いつ使うの?」と聞く。
「結婚式」。
「結婚式に皮のバッグは持ってっちゃダメ!!!」
それが始まりだった。

皮は殺生を連想するのでおめでたい席ではタブーなのだという。
娘はそういった形式的なことにこだわるところがある。
「どうしてそんなことにそんなにこだわるの?」
「お客さんに恥をかかせるわけにいかないから」
(娘は一部の慶弔用品の販売もしている)
「じゃあ靴はいいの?男の人なんてみんな皮靴でしょ?」
「屁理屈言わないの!!」

憤慨してMちゃんに話す。
Mちゃんも聞いたことがなかったと言う。
そんな誰もが知っているわけでもない「決まり事」を守る必要もない。
そう思ってはいたが、一番身近なところにいる娘が、それだけ言い張るのだから、
諦めてセットのバッグを使おうとは思っていた。

Mちゃんは、サブバッグとして黒い布のかわいい袋を買ったと言っていた。
(Mちゃんも12月に息子さんの結婚式を控えている)
「布ならいいんだよね?」
その日は、予定外に私が簪を探すことになって、あちこちの着物屋さんを回っていた。
そのあちこちの店で、Mちゃんはことごとく聞く。
「皮のバッグはいけないんですか?」
「黒い布のサブバッグはいいですよね?」

「今は別に皮でも気にする人はいないと思いますよ」という人もいれば、
「皮はダメですね。でもシャークと(何だっけ?ホースだったかな?)ならいいです」という人も。
(何で皮なのに鮫と馬はいいんだよ!?)
驚いたのは、「黒は弔事用だからダメです」という言葉。
はあああああ!?
いつから結婚式で黒がダメになったの!?
私が結婚した頃は、「身内は黒」と言われていた。
だから、姉は私の結婚式で黒いドレスを着ていた。
だんだん腹が立ってくる。
そんな時代や地方によって変わることを一々気にしている必要もない。

大体私は、そういう風に「ああしなきゃだめ、こうしなきゃだめ」というのが嫌いなのである。
ある程度のことは守る。
あまりに場違いな格好とかするつもりはない。
でもそこまでこだわる必要があるのか?
そう言うと、Mちゃんも自分もそうだと言いながらも、気になって仕方ないようである。
「もう聞くのはやめようよ。Mちゃんは買った黒いサブバッグ持ってけばいいよ」
それでも「最後にブライダルショップで聞いてみる!」

「また怒られるといけないから、お祝いの袋はあなたが書いてね」
そう言って、娘に祝儀袋の名前と、内袋の方も書いてもらった。
私は絶対に筆ペンを使ったりしない。私が書くならサインペンだ。
(サインペンで書くなんて言ったらまた娘に怒られる!!)
「お父さんとお母さんの連名にすればいいのね?」
「お父さんの名前だけでいい」
「え?どうして?」
そのへんの感覚も世代の違いか?
内袋を書く時は、「私、いつも迷うんだよねー」と言ってネットで調べる。
ネットで調べたのと、祝儀袋の説明書きとが違う。
「そんなのどうだっていい!わかればいい!」と私。

昔の結婚式は親の名前であげる。
だから、親はお祝いを出すのではなくいただく立場だ。
でも、今の結婚式は本人の主催。
だから、親もお祝いを持って行く。
そんな風に時代が変わっているのに、どうして昔の決まり事を守らなくてはいけないのか?

式の当日、着付けをしてくれた美容師さんが最後に言う。
「セットでバッグがついてますけど、これ何も入らないので、そちらのバッグをお持ちになったらいかがですか?」
私は、例の合皮のバッグを持っていた。
「でも、皮はいけないって言われて」
「今はそんなこと気にする人はいませんよ」
「でも、娘がだめって言うんですよね」と、隣で髪を結ってもらっている娘の方を見て言う。
娘は渋い顔をしている。

両方のバッグを持ってトイレに鏡を見に行く。
そこで花嫁さんに遭遇する。
「どっちがいいかな?」
花嫁さんはちょっと考えて、着物用のバッグを指さす。
自分でも、着物用のバッグの方がしっくりくると思う。
そうだな。結婚式は入学式とかと違って、何も荷物を持って行く必要はないし。
ハンカチとティッシュとスマホだけ入れておけばいい。

しゃぶしゃぶ

2018-07-21 22:51:53 | あれこれ
会社勤めをしていた頃、上司がよく食事に連れて行ってくれた。
自腹ではなかなか行けないような高級店ばかり。
大きな声では言えないのかもしれないが、大抵は経費だった。
バブルの時代だからできたことだったんだろう。
一番よく行ったお寿司屋さんでは、自分で注文なんてできないので、
ガリとあがりでお腹を満たしていたりもしたけれど。(笑)
ウニとアワビを覚えたのもここである。

ステーキの焼き加減は、ミディアムレアが一番いいとか、当時教えられたこともいろいろある。
その中の一つにあるのがしゃぶしゃぶの食べ方。

まず最初にお肉をしゃぶしゃぶして、何枚か食べたら、あくを救って野菜を入れて…。
野菜を食べ切ってからまたお肉…。
それを何度か繰り返して、最後は締めのおもちとうどん。
私はこれがしゃぶしゃぶだと思っている。

当時、お安くしゃぶしゃぶを食べることのできるお店ができたので行こうと友達に誘われたことがあった。
私はしゃぶしゃぶ大好きなので、張り切って行ったのだけれど、
お肉を食べて、最初の野菜を食べている時に、友達の一人が言う。
「お肉も食べた~い!」
仕方ないので、野菜の中でお肉をしゃぶしゃぶする。
翌日会社でお姉さまにその話をする。
「それじゃしゃぶしゃぶじゃなくてお鍋じゃないの?」
「あなたがいながらなんてこと?せっかくのお肉が台無しよ!!」
そうなのである。
私もそう思ったのである。

最近、というか、もう随分前からだと思うけれど、しゃぶしゃぶはブームなのか?
ところが今のしゃぶしゃぶは私が知っているしゃぶしゃぶとはちょっと違う。
今のしゃぶしゃぶは、お鍋が二つに区切られていて、あっちとこっちで違うお出汁で食べるのだと言う。
お野菜をぐつぐつ煮ている中で、お肉をしゃぶしゃぶする。
「お鍋」だと思って食べればおいしい。
それはそれでいい。
でも、私の中でそれを「しゃぶしゃぶ」とは言わない。

いつか「本当のしゃぶしゃぶが食べたい~~!!」と言ったら、
クラス会の幹事さんはしゃぶしゃぶを設定してくれた。
最初に仲居さんが「お作りしましょうか?」と言ってくれるお店に行くと安心する。
みんな仲居さんがやった通りにして食べようとしてくれるから。
お鍋じゃなくてしゃぶしゃぶが食べられる。

ついでにアワビの話をしよう。
何年か前に、夫と娘とで海の近くに海鮮を食べに行った。
「お母さん、アワビ食べるでしょ?」
私がアワビが好きなことを知っている娘が頼んでくれた。
出てきたアワビは薄切りだった。
食べて「しまった!!」と思った。
アワビはやっぱりぶつ切りに限る。
本場で頼んでも何も言わないとアワビは薄切りで出てくるのか。
残念なことに、本場で食べた新鮮な薄切りのアワビよりも、
スーパーで買った安物のぶつ切りのアワビの方がおいしいと思ってしまう。
残念な私がいる。


夫在宅症候群

2018-06-20 14:48:51 | あれこれ
だいぶ落ち着いてきた。

いつもいつも夫が家にいる。
面倒臭いこともたくさんある。
ただでさえ悩むお昼ご飯、夫の分まで用意しなければならない。

でも、助かることもたくさんある。
猫のことを気にしないで出かけることができるようになった。
以前は、Mちゃんとのデートの時も、
夫の帰宅時間までに帰らなきゃとか思っていたけれど、
今は「夫の帰宅時間」はないので、気にしないですむようになった。

家事もいろいろやってくれる。
花の水やりもさっさとやってくれる。

でも、男の人の家事は気まぐれである。
気が向いた時に、気が向いたことだけをやればいいのである。
主婦の家事は「やらなければいけないこと」である。
どんなに他の面倒臭い家事をやっていたとしても、
時間になればご飯のことを考えなければならない。
そんなことを友達に愚痴っていたら、
その翌日、まるでそれを聞いていたかのように、
お昼にラーメンを作ってくれて、
仕事に行っている間に晩御飯も大体作ってくれて、
後片付けまでしてくれた。
「どうしたの?」と聞くと、
「今日だけ」と言っていた。
(本当にその日だけだった)

それに、なんだかとっても優しいのである。
私が遊んでばかりいても何も言わない。
私のことが好きなのかなあ?

ふと思った。
私は昔から、うちの夫は他所の夫連中より「まし」だと思っていた。
家事も子育てもそこそこに手伝ってくれる。
(でもだからこそ、私は夫に文句が言えなくて辛かった時期もあった)
もしかしたら、夫の方も、同僚さんとかの話を聞いていて、
うちの奥さんは他所の奥さんより「まし」と思っているのかもしれない。

それでもやっぱり、夫が出かけていくとほっとする。
夫がいると、ハーブティーを飲んでくつろぐ気にもなれない。