夢子ちゃん

2016-05-30 21:30:45 | あれこれ
夢子ちゃんは、学生時代の友達。
夢子ちゃんは、誰とでも仲良くできる人で、今、同期生で連絡の取れる人が一番多いと思われる。

夢子ちゃんは昔からなかなか頑固だった。
私はいつもM子ちゃんという友達に怒られていたので、
「私はM子が怖ーい」とM子ちゃん本人に言ったら、
「私は夢子が怖ーい」とM子ちゃんは返してきて、なんとなく納得した。

M子ちゃんとは、二人で一週間くらい九州に旅行した。
それはそれは楽しい旅だった。

夢子ちゃんには、あまり恋愛話がなかった。
ほんの短期間、同じ学科の男の子とつき合っていたようだけれど、
その話はタブーになっていた。

大学を卒業して、ちらほら同級生の結婚話が聞かれるようになったころ、
夢子ちゃんは言った。
「私は、お見合いで結婚する人1号になる」
そのとおりに夢子ちゃんはお見合いで結婚した。

私は、余計なお世話だと思ったけれど、彼女の結婚話が少々不安だった。
私は、精一杯の恋をしてから結婚を決めたけれど、
そういう経験の少なさそうな夢子ちゃんが、お見合いで結婚して大丈夫なんだろうか?
相手の方のお母様も、いろいろと面倒くさいことをおっしゃり、困っている様子。

夢子ちゃんが不満めいたことばかり言うので、「それならやめれば?」と言うと、
夢子ちゃんは真剣に不安がって落ち込んだ。
ちょっぴり悪いことしたかな?と思って言い訳すると、
「でも、いいとこなんて恥ずかしくて言えない」。
だから聞いた。
「じゃ、いいとこはどこ?」
「うーん…。ない。強いて言えば、会社と大学。
 本当に、どうしてこんな性格の悪いやつが好きなんだろうって思っちゃう」。
「じゃ、尊敬できる?」
「尊敬なんてしてない」。

そして夢子ちゃんは、その人と結婚した。
お義母さんのことでは、私もびっくりするようなことがあって、よく泣いていた。
「幸い、まだ仕事も続けてるんだから、離婚すれば?」と言うと、
旦那さまの会社は自分の職場の得意先だから、
離婚なんてすれば、私は仕事を辞めなければいけないと。

その後、私も子育てが忙しい時期は、あまり連絡を取ることもなかった。
夢子ちゃんが、哀しそうに「子供はあきらめた」と言ったのは覚えている。
年賀状に、ご主人と旅先のツーショット写真がくるようになって、
それなりに仲良くしてるんだなと思うようになった。

久しぶりに会ってゆっくり話したときには、
ご主人の実家にはほとんど顔を出さないようなことを言っていた。
いろいろあるうちに、そういう無言の取り決めができているような状況なんだろうと思った。
でも、独り暮らしのお義母さんが、病院で検査のときに、
娘である妹さんたちが付き添わないと言ったそうで、
「それはかわいそうだ」と付き添いを申し出たという。
とっても夢子ちゃんらしいと思った。

夢子ちゃんはいつか、「子供ができないってわかった時点で、世の中は不公平だと思った」と泣いた。
夢子ちゃんは、「かけなくていいお金はかけたくない」と言って、
同じ物でも安く売っているお店をめぐり、金券ショップを愛用している。
夢子ちゃんは、少々強迫性神経症の気があって、
家を出るとき、火の元や戸締りが気になって仕方ないのだと言う。

夢子ちゃんは頑固である。
子供のいない夢子ちゃんは、近所にお友達がいなくて寂しいと言いながら、
みんなに、フェイスブックを奨められても、ガンとして拒否する。
私が何かを愚痴っても、大抵は同調してくれない。
淡々と反対意見を述べてくれる。

最近では、私の年代でもみんなスマホを利用していて、
スマホの人は、LINEを使うことが多くて、メールは滅多にしないらしい。
メールは迷惑メールとか、メルマガばかりなので、一々チェックしないという人も多い。
だから、私などメールしてもなかなか返事をもらえないこともままある。
夢子ちゃんはスマホに変えたのに、LINEをしていなくて、
友達からメールの返事が返ってこないことに悩んでいた。

夢子ちゃんに、「ご主人とは仲良くしてるんだね?」と聞くと、
「子供がいないから、夫と仲良くするしかない」と答えた。
そういうものだろうか?
普段、子供がいなかったらとっくに離婚していただろうと思っている私とは大違いだ。
そう、私と夢子ちゃんは、あまりに価値観が違うのである。

夢子ちゃんからメールがきた。
クレジットカードを不正使用されたという。
すぐにカード会社から連絡があり、実害はなかったそうだが、かなり落ち込んでいた。
そう言えば、ずいぶん昔だが、夢子ちゃんはひったくりにあったこともある。
その時は、後で犯人から電話がかかり、
「あんたが警察に言ったから、仲間が捕まった」と言われたそうである。
そんな二度も犯罪に巻き込まれた夢子ちゃんのことを思うと、
私はなんて運が強いのだろうと思ってしまう。

夢子ちゃんは、犬や猫が怖いのだと言う。
そんな夢子ちゃんとランチしたとき、とても雰囲気のいいお店でおいしくお食事できたのだけれど、
そのお店の周囲をぐるりとドクダミが生えていた。
草取りがしていないというのではなくて、観賞用に生やしているという感じだった。
ドクダミが苦手な私はぞくぞくっとしたのであるが、
そんな私を夢子ちゃんは、わがままな人間だというような言い方をした。
私は言った。
「あなたが、犬や猫が怖いのと同じなの!!」

夢子ちゃんは、頑固である。
運転免許をとうとう取らなかった。
夢子ちゃんは、頑固である。
若いころに髪がたくさん抜けた時期があって、
少しでも刺激を与えたくないと、長いこと白髪染めをしなかった。
(近所の子に「おばあさん」と呼ばれて、その後染めるようになったという)。

夢子ちゃんは頑固である。
時々、イラっとすることもある。
つき合いにくいと思うこともある。
でも、私は夢子ちゃんが大好きだし、
これからもずっと良い友達でいたいと思っている。


悪い男

2016-05-25 12:13:47 | あれこれ
今になって改めて気付いた。
もしかしたら、知っていたけど忘れていたのかもしれない。
私は、どうも「ちょっと悪い男」が好きなようである。

うーん…。
ずっと私は、「変なヤツ」が好きなんだと思っていたと思う。
実際「変なヤツ」は好きだけれど、惚れてしまうのは「ちょっと悪い男」。

私がIGUちゃんのことを思うときの代名詞は「悪い男」。
Tくんは、当時彼のことを悪い男だと思っていたかはわからないけれど、
今、彼のことを知っている人と話していたりして思うのは、
「なかなか悪い男」だったんだということ。

そう思うと、確かにべーちゃんは、「悪い男」とは言えないような…。
「変なヤツ」だったけれど。
「変なヤツ」だったけれど、「悪い男」的要素はあまり目につかなかったから、
恋愛対象にならなかったのかなと思う。

夫も「変なヤツ」だと思って結婚したけれど、
30年近く一緒に暮らしてきて、決して「悪い男」ではないなと思う。
結婚するにはいい相手だったんだと思う。
さすが私の守護霊さまが選んだ人だと思う。

Mくんは?
Mくんのことは、何も知らないで好きになった。
最初は、「どうしてこんな優しそうな表情で、優しそうな話し方ができるんだろう?」と思っていた。
途中から、私に男っぽい顔を見せてくれるようになった気がする。
そしてこの頃、彼はいろんな自分の姿を見せてくれるように思う。
本当の彼は、「ちょっと悪い男」だろう。
なんだか、私は、彼のことを何も知らなかったのに、
私の一番好きなタイプの男を好きになったんじゃないかと、
そんな風に思った。

恋バナをしている私が、
一番私らしいんじゃないかと、
そんな風に思う今日このごろ。

堂々と生きていく

2016-05-24 17:38:05 | 日記
とってもセレブなお友達の豪邸に遊びに行ってきた。
本当に素敵なおうちで、建てるときにしっかり構想ができていて、
自分の希望通りの家ができたんだなって感じ。、
ペット用のスペースなどもとても考えられた造りになっていた。

ガーデニングも上級者。
特にバラが好きなようで、ここ1カ月あちこちにバラを見に出かけていたようだし。
そこまで広いお庭ではなかったけれど、ぎっしりと綺麗にお花が植えられている。
「この植木鉢は、底をくりぬいて根が地面に張れるようにしてあるのよ」。
その植木鉢の底は、家を建てたときに職人さんと一緒に自分でくりぬいたのだそうだ。

DIYの心得もあって、いろいろ作っているという話は前から聞いていた。
ただの「奥さま」じゃなくて、がんばって自分の夢を実現させている、
そんな印象を受けた。

facebookのネタにしようと、あちこち写真を撮りまくっていた私だが、
他所様のお宅をタイムラインにのせたりしてはいけないのでは?
という常識を取り戻すことができ、仲間内のスレッドの方に報告をした。
そしたら、ご本人さまから「タイムラインでアップしていいよ」のお言葉。
これはアップしてほしいんだなと思う。

「豪邸」とか、「すごいねー!」を連呼しても、謙遜のお言葉など聞かれない。
「このステンドグラスを入れてくれるところを探すのが大変で」とか、
「このタイルはどこそこから取り寄せた」とか、
努力して自分の好みの家を建てたという自信に満ちている。
もちろん、誰もが努力だけでそんな豪邸を建てることができるわけじゃない。
でも、そんな彼女の態度はちっともイヤミじゃないのである。
(確かに、この場合謙遜された方が返ってイヤミかもしれない)

かつての私だったら、敬遠してしまいそうな相手である。
でも今の私は、羨ましがることも、ひがむこともなく、素直に絶賛できる。
彼女が素晴らしい女性に見える。

自分では意識していなかったが、
昔の私は、かなりひがみ根性が発達していたのではないだろうか?
いつか書いたけれど、
「私は苦労知らずのお譲さまじゃない」、
その言葉にはきっと、「苦労知らずのお嬢さま」に対するやっかみの気持ちが多分に含まれていたのではないのか。
もちろん、「お嬢さま」=「苦労知らず」ではないことはわかっているけれど。

彼女は、与えられた環境の中で、がんばって自分のできることをしている。
だから、堂々と生きている。
私はどうだ!?
私は、与えられた環境の中で、ただ怠けている。
…、それは言い過ぎ。
私だって、がんばって自分のできることを少しはしてきた。
でも、まだまだ堂々と生きられるほどではない。
私には、まだ克服するべきことがたくさんある。
彼女にも、克服するべきことはあるのかもしれない。
でも、つべこべ言わずに挑戦している人と、
頭の中であれこれ考えるばかりで、なかなか実践できない人との違いなのかもしれない。

でも、まあ、私は私のペースで、ゆっくりと少しずつでも、
納得して生きていくことができればいいなと。
改めてそう思って、今日という日を過ごしていこうと思っている次第である。

眼科

2016-05-14 09:30:12 | からだのこと
私は視力が良かった。
母も姉も良かったから、当たり前のように思っていたけれど、
日本人の8割は近眼なのだそうだ。
そう思うと、私はなんてラッキーな人間なのかと思う。

若いころから寝つきが悪くて、本を読まないと眠れなかった。
受験生のころ、世界史の教科書を読みながら寝ると、
1ページも読まないうちに心地よく眠りに入れた。

当時から思っていた。
歳をとって、目が見えなくなったらどうしよう!?

いつ頃だろう?20年近く前じゃないかな。
多分、花粉症の関係で眼科に行ったときだと思う。
視力測定をしたら、片方が 2.0と言われた。
それまで 2.0などと言われたことはなかった。
それも、もう片方も、 2.0のところで「そうかな?」と思いながら、
「わかりません」と答えたところが、後で確認してみると、合っていた。
視力が良くなった!?と思ったけれど、後から思う。
これは遠視というやつじゃなかろうか?老眼の始まり?

そして、パソコンを始めてから、急速に老眼が進んだ気がする。
だんだん本が読めなくなる。
老眼鏡も買ったけれど、夜寝ながら本を読むのに、メガネはしづらい。
特に、昔の活字版の字は読みづらい。

何年か前に、久しぶりにパズルの本を買った。
久しぶりで楽しくて夢中になった。
途端に目の疲れがひどくなった。
目の周りに痛いような違和感があって、
一番ひどいときには、辛くて本が読めなかった。

眼科にも長いこと行っていなかったので、
もしかしたらただの疲れ目じゃないといけないと思って受診してみる。
「ドライアイの可能性があります」
えー?と思ったけれど、もらった目薬をさす。
特に改善されたとは感じない。
目薬が無くなったので、再度受診する。
薬を変えてくれたけれど、
「どこも悪くないので、もう来なくていいです」と言われた。
そこの眼科の先生は好きだったけれど、拒絶された感じがした。
目薬をさすと、少し楽になる気はしたけれど、
無くなったときに、全く良い状態ではなかった。
「もう来なくていい」と言われたので、薬をもらいに行くわけにもいかない。
市販薬でがんばった。

できるだけ目を温めるようにした。
お風呂では、お湯で温めたタオルで目を温めた。
目を温める用のカイロみたいなのも買った。
毎晩、目を温めるアイマスクをして寝た。

テレビのコマーシャルを見て、寝る前にさす目薬を買ってみた。
なんだかそれが効いたような気がして、今も続けている。
でも、正直言って、布団の中で本を読んで、うとうとしかけた時に目薬をさすと、
目が覚めてしまう。
だから、最近は本を読む前に使うようにしている。
効果は薄れるかもしれないけれど。

老眼は進んでいると思うけれど、最近は特に苦になることもない。
寝るときは、相変わらず裸眼で本を読んでいる。
本によっては読みづらいこともあるけれど、なんとかやっている。

恋をするということ

2016-05-13 14:57:15 | あれこれ
結婚は、永遠の約束だと信じて結婚する人がいる。
果たして「永遠の約束」なんてあるんだろうか?

結婚して、「妻」とか「夫」という肩書に安心してしまう人がいる。
結婚することで、義務とか権利とか、経済的な安定とか、家族とか、
そういうものは得られるけれど、
相手の心を繋ぎとめておくことは、必ずしもできないということを、
どれくらいの人が理解しているのだろうか?

結婚したんだから、相手は自分のことを永遠に好きでいるべきだと、堂々と言う人がいる。
どうしてそういう発想ができるのか、全くわからない。

結婚はただの契約である。
家族を作るための契約?

心が通い合っていようが、いなかろうが、家族は家族である。
契約したのだから、家族に対する義務を放棄してしまうのはいかがなものかと思うけれど、
結婚という形によって、あるいは家族という形によって、
人の心を繋ぎとめておくことはできない。

結婚した相手を、家族を、どんなに大切にしたいと願っていたとしても、
恋は突然やってくるのである。
その想いを理性だけで押し殺してしまうことができる人もいるだろう。
でも、その想いは、ずっとその人の心の中で燻り続ける。
人を恋するその想いは、自分の意志ではどうしようもできないのである。

もちろん、結婚した相手のことがずっとずっと好きで好きで堪らない人もいると思う。
でも、うまくいっている夫婦でも、本当にその相手のことがいつまでも好きなのかと言ったら疑問である。
「好き」と言うより、家族としての「情」、あるいは「所有欲」?
大抵は、その情でも所有欲でもいいけれど、それを大切にして、生涯添い遂げる、
それができれば倖せである。

本当は、倖せは、何もない平穏な毎日を過ごせること。
でも、それを実感できる人はなかなかいないんじゃないだろうか?
平穏な毎日に退屈して、何か楽しいイベントがないかと思っている人はたくさんいるだろう。
そういう人がみんな恋に走ると言いたいわけじゃない。
だって、恋はしようと思ってするものじゃないから。

私の場合は、恋なんて考えたこともなかった。
自分にまた恋ができるなんて思ってもいなかった。
私の周りにもそんな話をする人はいなかった。
せいぜい「あの先生がかっこいい」という程度。
でも、結婚している人間が配偶者以外の人に恋をしたなんて簡単に言えるものじゃない。
だから聞こえてこなかっただけのことかもしれない。
自分が恋をして、そういうことに敏感になってみると、
結構あるのかもしれないということに思い当たった。

それはそうである。
独身時代だって、好きな人ができて、つき合って、
でも、その相手を嫌いになったり、嫌いではなくても、恋愛対象ではなくなって、
別れて行く恋人同士はたくさんいる。
結婚したからといって、その相手をずっと好きでいられるわけじゃない。
ずっと好きでいられないのなら、別に好きな人が現れたって、何の不思議もない。
私は、ずっとIGUちゃんのことをひきずって、恋をすることができなかったから、
逆に幸いだったのかもしれない。

女性の場合は、子育て中は、そんな気にもならないのかもしれない。
でも、子供の手が離れてしまったら、そんな気持ちが顔を出すのかな?
だけど、そんな歳になれば、エネルギーが足りない。
前にも書いた。
恋するには、エネルギーが必要なのである。

この歳になって、恋愛論をまくしたてるとは思わなかった。

恋をするのは、とても大切なことなのである。
私は、IGUちゃんに恋をして、本当に本当に恋をして、
その事実があったから、今まで生きてこられた。
結婚もできた。
自分の人生を受け入れることができた。
「本当に恋をした」と言うことができない人はかわいそうだと思う。

でも、恋は楽しいばかりじゃない。
でも、できるなら、ちゃんと堂々と、「あの人が好きだ」と言えるような恋をするのがいい。
でも、恋は思い通りにはいかない。
どんな恋でも、好きになってしまえば、そんな自分を受け入れるしかない。
不倫に走れとか、離婚しろとか、そういうことじゃない。
道ならぬ恋でも、そんな恋をしてしまった自分を受け入れる。
そういうこと。
現実的なこととか、社会的なこととか、そういうことは、
改めて理性で考えればいい。