曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

裁判所判断を誰も信頼しない日本の現実

2018年07月18日 18時56分12秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                


                         「植草一秀の『知られざる真実』」

                                    2018/07/17

                裁判所判断を誰も信頼しない日本の現実

             第2089号

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福井県おおい町に所在する関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止め訴訟
で、名古屋高裁金沢支部は7月4日、運転差し止めを認めた福井地裁判決を覆
し、周辺住民らの請求を棄却し、運転を容認した。

福井地裁の樋口英明裁判長は2014年5月に大飯原発3、4号機の運転差し
止めを命令した。

その判決文で樋口裁判長は、「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と
電気代の高い低いの問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には
許されない」と述べた。

この樋口英明裁判長が、翌2015年4月14日、2016年早期にも再稼働
が予定されていた、同じ関西電力の高浜原発3、4号機について、再稼働の即
時差し止めを命ずる仮処分決定を示したのである。

このことを私は、2015年4月15日付ブログ記事
「現代日本の良心福井地裁樋口英明裁判長を守れ」
https://bit.ly/2uI9Yvh

に記述した。

内容は後段で述べる。

樋口英明裁判長は極めて適正な、正当な司法判断を示した。

しかし、予想通り、上級裁判所がこの判断を覆した。



住民側は本日7月17日、福井市で記者会見し、最高裁への上告を見送ると発
表した。

上告期限の18日を過ぎれば、住民側が逆転敗訴した高裁判決が確定する。

メディアは「上告断念」と伝えるが、実態は「上告拒絶」である。

「上告忌避」と言い換えてもよい。

まともな裁判が行われるなら、当然上告する.

しかし、まともな裁判が行われないと断定できるから、あえて上告しない、上
告を拒絶、忌避するのである。

その行動は十分に理解できる。

住民側は上告見送りの理由について、もし最高裁で敗訴が確定すれば、各地の
同種訴訟などが「一斉に大きな制約を受けるリスクを負う」と説明している。



不当な行政行為に対して主権者である市民が対抗するには裁判を活用せざるを
得ないが、その裁判が正当に行われないのが日本の現状なのだ。

関西電力大飯原発、高浜原発の運転差し止めについては、樋口英明裁判長とい
う、法と良心に基づいて裁判を行う優れた裁判官が事案を担当したために正当
な判決が示された。

しかし、日本においては、このような適正かつ正当な判断は例外的にしか示さ
れない。

裁判官が法の番人として法と良心に従って判断を示すことは例外的であり、圧
倒的多数の裁判官は、法の番人ではなく、政治権力=行政権力の番人として、
権力の意向に沿う判断を示すからだ。

安倍首相は権力を濫用して各種公的機関の私物化を進めている。

弊害が深刻であるのが、NHK、裁判所、日銀の私物化である。

最高裁長官、最高裁判事は内閣が決める。

内閣が恣意的に最高裁判事を決定しているため、司法は行政権力=政治権力か
ら独立した存在ではなくなってしまっている。

安倍首相が自民党総裁の3期続投すると2019年3月には、すべての最高裁
判事が安倍内閣によって任命されることになる。

裁判所は完全に権力機関と化すのである。

日本の民主主義が完全崩壊しようとしている。



安倍内閣が存続し続けている最大の背景は、この政権が刑事司法とマスメディ
アを不当支配していることにある。

政治権力側の犯罪はすべて無罪放免にされる。

他方、政治権力に立ち向かう人物には「人物破壊工作」が仕掛けられる。

刑事司法を支配すると、無実の市民を犯罪者に仕立て上げることが可能にな
る。

司法は独立した権力ではなく、政治権力に従属する権力機関の一翼を担う存在
になる。

この権力は、市民が真実を掌握しないように、同時にマスメディアを不当支配
する。

NHKを完全支配するのは難しいことではない。

組織は人事とカネで縛られる。

安倍内閣はNHK人事に介入してNHK支配を実行している。



すでに経営委員会委員のすべてが安倍内閣によって起用された人物になってい
る。

日銀の総裁、副総裁、審議委員の計9名全員も安倍内閣によって起用された人
物になっている。

最高裁判事も2019年3月にその状態に移行する。

内閣総理大臣が恣意的な人事を行わない者であれば、この弊害を回避できる。

しかし、内閣総理大臣が恣意的な人事を躊躇せずに行う人物であれば、この弊
害が深刻化する。

安倍首相は恣意的人事を行う典型的人物である。

そのために、日本の公的機関が私物化されるという重大な事態が生じている。



下級裁判所裁判官の人事は、最高裁が提出する名簿に従うが、最高裁が政治権
力によって完全に支配されているため、最高裁が提出する人事名簿が歪む。

安倍内閣の閣僚に収賄の事実が判明しても、刑事司法を不当支配して無罪放免
にする。

安倍首相の近親者が準強姦で逮捕状を発付されても、権力が圧力をかけて無罪
放免にしてしまう。

検察審査会に審査を申し立てても、最高裁に圧力をかけて、強制起訴を阻止し
てしまう。

財務省の公務員が虚偽公文書作成の重大犯罪を実行しても、刑事司法に圧力を
かけて無罪放免にしてしまう。

権力犯罪の放置国家ニッポンの名が世界に轟いている。



このような不正、巨悪が存在する場合、その真実に迫り、世論を喚起する役割
を担うのがマスメディアである。

しかし、そのマスメディアが政治権力によって不当支配されてしまっている。

「公共放送」と銘打っているNHKが、完全に政治権力の御用放送局と化して
しまっている。

したがって、市民に真実の情報が伝えられていない。

民間メディアも大資本の資本力によって支配されており、大資本が権力迎合で
あるために、民間メディアもメディアの本来の役割を果たさない。

絶望的な状況が広がっているのだ。

そのために、裁判に訴えた市民が、逆に上級審に進むことを自ら拒絶するとい
う異常事態が生じている。

公的な裁判所が本来の役割を果たさないのであるから、主権者が「影の裁判
所」を創設するべきである。

権力機関の裁判所の判断に対して、「影の裁判所」が独自に判断を示すべきで
ある。

二つの裁判所が別々に判断を示す。

このことによって、公的な裁判所の判断が絶対のものではなくなる。

公的裁判所の判断を「相対化」することが大事なのだ。



公的裁判所の判断は「絶対」のものでない。

権力とつながる裁判所の示す「一つの判断」というかたちで「格下げ」され
る。

公的裁判所の判断を「格下げ」することが必要になっている。

 
 
 
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