曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

市民の市民による市民のためのポータルサイト

2019年08月28日 09時28分43秒 | 政治

 

                                

                     「植草一秀の『知られざる真実』」
                                    2019/08/27
           市民の市民による市民のためのポータルサイト
             第2416号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019082722283657854 ──────────────────────────────────── 私たちが入手する情報の大半はメディアを通じたものである。
テレビ、新聞、雑誌という従来からある媒体に加えて、近年ではインターネッ トを通じての情報入手の比率が高まっている。
いずれにせよ、私たちが得ている情報の大半は、自分の目で確かめた一次情報 ではなく、何らかの媒体=メディアというフィルターを通過した二次情報であ る。
このことを認識しておく必要がある。
注意しなければならないのは、
大きく取り上げられるニュース素材
がある一方で、
ほとんど取り上げられないニュース素材
があること、
取り上げられたニュース素材が、どのような表現で伝えられるのかに極めて大 きな幅があることだ。
権力者は権力を維持、拡大するために、人々が得る情報に強い関心を払う。
人々には真実を知る権利があるという民主主義の基本を重視する優れた為政者 が権力者の立場にあるときには弊害が生じないが、よこしまな為政者が存在す るときには、権力者が人々の間に流布される情報を人為的にコントロールする 傾向を強める。
メディアを支配して、メディアが提供する情報を支配、操作するのだ。
権力者によるこうした情報操作をメディア・コントロールと表現するのはこの ためだ。

一般市民もインターネット上で情報を発信することができる。
このため、従来は伝えられることがなかった真実の情報が発信され、流布され るようになった。
この意味でインターネットの効用は極めて大きい。
真実の情報はインターネット上での発信と単行本によってしかもたらされてい ないのが現実である。
しかし、そのインターネット上の情報についても、権力者は当然のことながら 支配下に置く行動を強めている。
インターネット上の情報も、極めて強い大きな力で誘導、操作されている。
その大きな理由は、私たちがインターネット上の情報を得る際に、少数の主要 なポータルサイト(入り口になるサイト)に強く依存していることにある。
権力者の側に位置する存在が
米・官・業・政・電の利権複合体=悪徳ペンタゴンである。
インターネット上のポータルサイトの大半を大資本が押さえてしまっている。
その大資本は米国、国内政治権力、官僚機構と密接につながっている。
癒着しているのだ。
このために、インターネット上からニュース情報を得ようとすると、ほぼ同一 の色合いを持ったものしか入ってこない。
丹念に情報を探査すれば、ポータルサイトの裏側に隠れた真実の情報に接する ことができるが、その地点にまで到達できる人は極めて限られる。

埼玉県知事選で与党候補が敗北したニュースは極めて重要なニュースバリュー を有している。
このニュース素材を元に長時間の特集番組を編成することも可能だ。
しかし、大手のメディア、そして、ポータルサイトが裏で示し合わせたかのよ うに、この問題を大きく取り扱わない。
8月18日に警視庁新宿署のパトカーが東京都千代田区麹町の新宿通りにある 交差点横断歩道上で、青信号で歩行していた4歳の男児がはねて男児が重体と なる事件が発生した。
パトカーの運転手は男児をはねたあと、救護活動も行わずに逃走したとも伝え られている。
あおり運転等の容疑で逮捕された宮崎文夫氏らのニュースをあれほど報道して おいて、なぜパトカーによる重大事件を報道しないのか。
韓国の文在寅大統領がGSOMIAを破棄した。
このことについて、さまざまな反響があり、多数の者が多数の見解を表出して いるが、日本の主要メディア、主要ポータルサイトは、「文在寅大統領が間 違った決定を下した」との主張だけをかき立てる。
一般市民は、主要メディア、インターネット上の主要ポータルサイトに掲示さ れた見出しや記事によって著しく影響される。
この情報の流れによって世の中に流布される論調が定められる。
メディアが自作自演で世の中の論調を創り出しているだけに過ぎないが、この プロセスが無視されて、その論調が「国民世論」だとして定着させられてしま う。
こうした情報操作の罠を解きほどく対応が極めて重要になっている。

5月以降、内外の株価が乱調を示している。
そもそもの発端は昨年10月だった。
日本の株価は昨年10月が高値で,その後は上値を切り下げている。
NYダウは昨年10月に急落したが、1月以降に持ち直し、史上最高値を更新 した。
NYダウは高値を更新したが、日経平均株価は更新していない。
NYダウが史上最高値をつけたのは、この7月のことだ。
そのNY株価が8月に入ってから急落した。
急落の最大の背景は米中貿易戦争だ。
トランプ大統領は株価が上がると強硬姿勢を示す。
株価が急落すると態度を豹変させる。
腰が定まっていない。
7月にNYダウが史上最高値を更新したことを背景に、トランプ大統領は極め て強硬な姿勢を示している。
中国も引き下がってはいない。
米国に何もモノを言えないのは日本の安倍首相くらいのものだ。

米中貿易戦争を背景にNYダウが下落したのは事実だが、NYダウと日経平均 株価との間に大きな相違が観察されている。
それは、NYダウが上昇トレンドを堅持しているのに対して、日経平均株価は 昨年10月を起点に、明確な下落トレンドを形成し始めていることだ。
この背後に重大な事実が存在する。
それは日本が本年10月1日から消費税率を10%に引き上げることを決めた ことだ。
安倍首相が消費税増税を具体的に指示したのが昨年10月15日のこと。
日本株価は安倍内閣による消費税増税強行の政策方針明示によって、昨年10 月を起点とする株価下落トレンドを形成し始めた。
これらの分析は、『金利・為替・株価特報』 http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html
に繰り返し記述してきている。

日本株価下落を報じる際に、絶対に落としてはならない要素が消費税増税問題 だ。
NYダウが史上最高値を更新したのに、日経平均株価が下落トレンドを形成し つつあるのは、日本の消費税増税政策を抜きに考えることができない。
したがって、NHKは株価下落を報じる際に、消費税増税問題に言及する必要 がある。
しかし、NHKは消費税増税問題と株価下落との関連に絶対に触れない。
こんな馬鹿げたニュース解説が、公共の電波に乗って流布されている。
NHKは米国と財務省、そして検察庁の言いなりである。
もちろん、NHKの司令塔は安倍内閣そのものだ。

NHKが公共放送の責務を果たしているなら、受信契約や受信料支払いの強制 にも一定の論拠が生じることになる。
しかし、NHKの現実は公共放送からかけ離れている。
単なる「御用放送局」であり、「みなさまのNHK」ではなく「あべさまのN HK」に成り下がってしまっている。
NHKのこの現実を踏まえるなら、放送受信契約と受信料支払いの強制は正当 性を持たない。
NHKと契約した者だけがNHK放送を受信できるようにする、受信契約の任 意制移行を断行するべきだ。
そのための技術的方法が「NHK放送のスクランブル化」である。
NHK放送をスクランブル化することは大きなプラス効果を発揮する。
NHKは受信契約促進のために、放送受信者の声を真摯に受け止める必要に迫 られる。
これまでは、完全無視でもNHK運営に何の支障も生じなかったが、受信契約 が任意制に移行されれば、NHKは視聴者の側を向かざるを得なくなる。
このとき始めてNHKは「みなさまのNHK」に変質することになる。

日本の情報空間は完全に歪められている。
この現状を打破する一つの方策が「NHK改革」である。
NHKを制度として政治権力から切り離すために放送法を改正する。
これが問題解決の一つの方策だ。
もう一つの方法は、NHK放送をスクランブル化すること。
この場合も,当然のことながら放送法の改正が必要になる。
これとは別に重要な課題がある。
それは、市民の側がインターネット上のポータルサイトを創設すること。
日本の情報空間が全面的に歪められている現状を踏まえて、この問題に真剣に 取り組むべきだ。
このことは、近著 『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書) https://amzn.to/2WUhbEK
に記述しているのでご高覧賜りたい。



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