「植草一秀の『知られざる真実』」
2017/04/27
利権まみれ勢力の豊洲移転強行を絶対に許すな
第1728号
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西の豊中
東の豊洲
古くは
北海道開拓使官有物払い下げ事件
の問題をあいまいに決着させてはならない。
西の豊中では、安倍昭恵氏が「関与」して、国有地が不正に激安価格で払い下
げられた疑いが濃厚である。
安倍首相は自分や妻が森友学園の土地取得問題や学校認可問題に関わっていた
ら、首相も議員も辞職することを明言している。
そして、安倍昭恵氏の関与の疑いが濃厚になったのであるから、安倍首相は首
相と議員を辞任するべきである。
辞任したくないなら、安倍昭恵氏に公の場で説明をさせる必要がある。
これを拒むなら安倍首相は直ちに辞任するべきだ。
閣僚を辞任させて「任命責任は私にある」と発言してすべてを済ませると考え
ているのなら大間違いである。
野党は国会審議を止めて、安倍昭恵氏の証人喚問を要求するべきだ。
あいまいな決着を容認してはならない。
東の豊洲の問題では、多くの利権に群がる勢力が、豊洲移転を強引に推し進め
ようとしている。
なぜ豊洲移転強行なのか。
最大の理由は
「豊洲利権=築地・汐留利権」
という構造にある。
築地市場を閉鎖して何をするのか。
利権に群がる勢力は、
「汐留・築地ビジネスセンター創設」
を目論んでいる。
このプロジェクトが進行すると、
巨大な土木建設ビジネスが転がり込む。
同時に、
汐留・築地地権者に巨大な不動産利益が転がり込む。
この利権に群がる勢力が、
豊洲移転を強引に強行している。
豊洲では、汚染物質まみれの不動産を東京都が法外に高い価格で買い取った。
豊中の逆バージョンが豊洲土地買入れである。
これも「巨大な利益供与事案」であり、本来、刑事事件として立件するべき問
題である。
百条委員会が偽証を認定したなら、直ちに刑事告発に踏み切るべきである。
汐留・築地地域の地図および航空写真を見ると一目瞭然だが、築地市場を閉鎖
してこの地域をビジネスセンターとして再開発すると、
巨大な土木建設事業が発生し、
築地・汐留地域地権者に巨大な不動産益が転がり込むことになる。
この地域に本拠地を構える企業に、
電通
朝日新聞
共同通信
日本テレビ
などがある。
当然のことながら、不動産企業、土木建設企業にとっても、巨大ビジネスセン
ター構築の旨味は絶大である。
この利権に群がる勢力が豊洲移転を強引に推し進めているのだ。
東京都の決定により、巨大利権を獲得することになる民間事業者に
「巨大な利益供与」
が行われる。
この「巨大利益」を数値化して、東京都への納入などの措置が採られるなら理
解できるが、その「外部経済効果」を無償で獲得するなら、これは行政の中立
性に反する事象となる。
日本の食文化が重要な価値を発揮するこの時代に、築地のブランドを放逐する
ことは許されない。
「築地ブランド」を活かし、食文化の「聖地」として「築地」を再整備するこ
とが正しい選択である。
小池都政は都議選に向けて、「築地再整備」の方針を明確に示すべきである。
利権複合体のよこしまな圧力に抗するには、東京都民の理解を得ることが重要
だ。
利権複合体の広報部隊であるマスメディアが、これから豊洲移転を強行するた
めの情報操作を本格化させる。
こうした利権まみれの豊洲移転強行をはね返して、築地再整備で決着を図るべ
きである。
平面の地図では分からないが、航空写真では、すでに汐留地域が高層ビル群の
ビジネスセンターに変化していることが分かる。
築地市場を閉鎖して、汐留地区に連結するビジネスセンターを創設することに
よる
「利益供与」
を狙っている勢力が存在し、
この勢力が豊洲移転を強引に推進している。
築地の事業者で豊洲移転推進に転じた人々のなかに、石原都政の暴走のひとつ
である新銀行東京による「利益供与」を受けた者が存在すると見られる。
こちらの側も、利権まみれ、「利益供与」まみれの事案であると推察される。
築地の事業者の多くが、
「築地再整備」
を求めている。
東京都のプロジェクトチームが築地再整備案を提示したのは当然のことであ
る。
「築地」
が
「豊洲」
に転落するなら、
ブランド価値は消滅する。
いわゆる会計処理上の
「のれん代」
の価値は極めて大きいのである。
土壌汚染が深刻な「豊洲」ブランドは、
むしろ
「マイナスの価値をもつ負のブランド」
としての効力を発揮してしまうだろう。
「築地」のメリットは「銀座」と直結していることにある。
生鮮食品の物流経路が激変するなかで、
「築地」
が
「豊洲」
に転落するなら、
超優良の生鮮食料品は「豊洲」に集積することはなくなるだろう。
「豊洲」が衰退の道をたどる可能性は極めて高い。
これに対して「築地」を再整備するなら、
巨大な価値である「築地ブランド」を存続させることができる。
そして、これが日本の食文化の「聖地」としてさらに大きく活用されることが
期待されるのである。
小池知事の豊洲移転延期の判断を圧倒的多数の東京都民が支持している。
そして、長期的に見て、巨大な赤字を生み出す豊洲移転と築地再整備とを現実
的な視点から再精査する意味は限りなく大きい。
「過去に築地再整備案があり、これが消えた」
ことが、盛んに流布されているが、
その背景には、
築地市場を閉鎖して、ここをビジネスセンターとして再整備することによる
「巨大利得」発生を当て込んだ勢力による、
強引な「築地再整備潰し」の動きがあったことを見落としてはならない。
築地再整備が難しかったのではなく、
「利権」の観点から築地市場移転を求める勢力が活発に活動した結果として、
築地再整備案が潰されたのである。
日本経済はいま、
「新たな価値創造」
を求められている。
その視点に立つなら、
日本の食文化の中心地としての「築地」のブランド価値を軽視するべきでな
い。
利権まみれの
「今だけ、金だけ、自分だけ」
の勢力に、築地閉鎖、土壌汚染の豊洲移転を強行されないようにするべきだ。
築地にも多くの問題点はある。
しかし、現時点で「築地ブランド」はたしかに生き残っている。
この「無形文化資産」である「築地ブランド」を毀損しないように、それこそ
叡智を結集して、築地の問題点を解決すればいいのだ。
再整備を完了するまでに7年の時間がかかることが、
「長い」
との批判を生んでいるが、視野があまりにも狭い。
まさに「今だけ」しか考えていないことの証左だ。
100年、200年の計で考えるべき問題だ。
一度「築地ブランド」を消してしまえば、ブランドを再生することは永遠に不
可能になる。
日本がこれから重視しなければならないのは、
このような無形文化資産
である。
冷静に、そして中長期の視点でものを考えて、築地再整備を決定するべきだ。
都議選までにその決定を下せぬなら、都民に判断を問うことも重要だろう。
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