曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

〇『田中角栄を葬ったのは誰だ』の反響!

2016年08月19日 09時53分41秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

 

◎「日本一新運動」の原点―331

            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

〇『田中角栄を葬ったのは誰だ』の反響!

 田中元首相逮捕、40年目となる前夜の7月26日夕刻から、
憲政記念館で「シンポジウム・田中角栄」が開かれ、日本一新の
会会員の皆さんの多大なご協力で盛会に開催できた。但し「出版
記念」と題したのに、出版社の不手際で会場に準備した新著が一
冊しかなく、参加された方々の期待を裏切る結果となり、著者と
してまことに申し訳ない次第であった。
 8月に入って増刷ができ、少しずつ全国的に出回り始めたらし
く、さまざまな反響が出るようになった。熱心に熟読された貴重
なご意見を頂いたことに感謝し、一部ではあるが代表的な反響の
要旨を紹介させていただく。

1)読者からのメール要旨(愛知県在住・40代自営業者)

 本書を読み、これは凄いと驚嘆しました。巷に溢れる田中角栄
礼賛本とは一線を画すというより、田中角栄を葬った「国家権力
の犯罪」を告発し、その「国家権力の犯罪」は現在も、原発問題・
辺野古問題と続く、法治国家、日本の虚偽と欺瞞であると、読後
に思い知らされました。
「佐高・平野対談」に移ることにより「国家権力の犯罪」の現代
日本への問題へと移行し、「あとがき」で「対米従属シンドロー
ム」という戦後日本の支配体制の打破を訴え、結びとする見事さ。
 日本の政官財、そして、第4の権力であるメディアが結託して
田中角栄を葬ったのである。日本は三権分立が確立していない。
そのことを権力が自ら暴露したのがロッキード事件。検察の異常
な捜査・嘱託尋問・司法取引、その証拠能力のない〝証拠〟を証
拠として採用した司法。最高裁は、田中角栄死後に証拠能力は無
しと認めたのに有罪としたままに終わらせた。田中は冤罪被害者
だ。安倍晋三の独裁体制は、安倍の力によるものではなく、元々
日本の権力構造を彼が悪用しているだけだ。
 本書を読み、私は日本の後進性を痛感しました。またこれまで
のその後進性をロッキード事件のような悪例を除いては、政治家
の理性や知性で補ったきたのが、今や無能の世襲議員ばかりで絶
望的な状態であることも改めて認識させられました。小沢代表が
牽引役となって進んでいる野党共闘。野党は今後、各々イデオロ
ギーを捨て、ひとつの政権をつくる覚悟ができるか?、ここにか
かっている。これが田中角栄の精神を継承した政治です。

2)アマゾン―カスタマレビュー要旨(7月20日・投稿者)

 ロッキード裁判は、日本裁判史上に於ける最低の裁判である。
そこに日本の司法権はない。米裁判所のコーチャン証言を、その
まま日本の裁判に利用したのである。明らかに法律違反である。
これを押し通したのが三木首相であり、特捜部も米国の犬と化し、
偉大な政治家を葬ったのである。米国の顔色をうかがう外務官僚・
法務官僚・財務官僚が犬のままである限り日本の独立はない。米
軍基地問題も、これらの官僚を操縦できる政治家が登場しない限
りは解決しないのである。あれから40年経って、日本列島改造
論のもとに新幹線・高速道路が整備されているのを見れば、如何
に角栄の影響が強かったかがわかる。小兵のイシハラ君とは雲泥
の差である。

3)アマゾン―カスタマレビュー要旨(八月六日・投稿者)

 戦後政治の政治権力者がどのように生き、どのように行動した
のか、政治の中枢にいた平野さんが事実として書いた本であり、
単なるロッキード事件の検証にとどまらない。日本政治の歴史書
というべき価値がある。

 以上が新著への代表的反響である。現時点で批判や反論は見当
たらないが、私はそれも待っている。反響の中には、私に現代政
治分析の書物を期待するものが多数あり有り難いことである。閻
魔大王に会うまでの私の責任と自覚している。
 取り敢えずは、平成26年に刊行した『戦後政治の叡智』(イ
ースト新書)に、私が個人的に指導を受けた保守政治家(吉田茂・
林讓治・佐藤栄作・園田直・前尾繁三郎・田中角栄)との秘話を
記述したが、事情があってほとんど売れなかった。実はこの本に
〝保守本流政治の真髄〟を書いたつもりだった。今回の「田中本」
での私の認識は、まだまだ少数派である。これを多数派とするま
では、成仏するわけにはいかない。
未だ暫しの間、よろしくおつきあい願いたい。


〇私の「共産党物語」 16
(昭和天皇の崩御と共産党)

 竹下政権は昭和63年の後期、リクルート事件や天皇陛下重態
という困難のなかで「国会運営の粋を尽くし」消費税制度の導入
を成立させる。戦後最大の税制改革を成功させて、長期政権への
展望を開くことができた。これにより、昭和64年への年明けは、
竹下首相にとって生涯最高の元旦を迎えることになる。
 1月7日(土)、落ち着かれたと言われた昭和天皇のご容態が
急変する。早朝の午前6時半、衆議院議運委員長室の土田係長か
ら「天皇がご危篤。直ちに出勤されたし」との電話が入る。午前
8時過ぎ、地下鉄・国会議事堂前駅を出たところで、首相官邸が
弔旗を出していたので崩御されたことがわかる。午後2時から、
衆議院の緊急議運理事会を開くことになり、関係者に連絡するこ
とから「天皇崩御」の仕事が始まる。
 この緊急議運理事会が開かれる前には各党から「弔詞奉呈」に
どのように対応するか情報や相談が入ってくる。共産党の方針と
して「憲法上、弔詞奉呈を行うべきではなく、本会議で反対する」
との記者情報が出る。これは国民の弔意に水をかけることになる
として、弥富事務総長から「平野、何とか共産党を説得してこい」
となる。
 東中議運理事を議員会館事務室に訪ねたところ、「弔詞奉呈に
ついて聞きたかった。党内には憲法違反という意見すらあり、ま
た共産党は少数なので弔詞起草で意見を述べる機会がなく、本会
議で反対すべきだとの厳しい意見もあって困っている」
「憲法違反であるという理屈は、象徴天皇制を規定した現憲法に
抵触する。共産党の歴史と事情からいって、賛成できる弔詞草案
をつくることは現実として不可能だ。弔詞議決の際、共産党は棄
権することが最も適切と思う。反対をすれば99%の国民の弔意
に水をかけることになりますよ」
 東中議運理事は直ちに共産党内を説得して、午後2時から開か
れた議運理事会で、「憲法上、弔詞奉呈を行うのは不適切であり、
9日の衆議院本会議に出席しない」と表明した。同日午後2時半
過ぎ、元号が『平成』と発表された。翌8日の日曜日は雨がシト
シト一日中降る。全国民が喪に服すということでテレビ・ラジオ
は一斉に天皇報道で終始。
 9日(月)午前10時、本会議の準備をしているととんでもな
い情報が飛び込んできた。宮内庁や崩御関係を所管する内閣委員
会理事会で、共産党からオブザーバーとして出席している柴田睦
夫委員が、「共産党は本会議に出席する」と発言し大騒ぎとなる。
鉄砲の弾は事務総長からだけではなく、各党から私に飛んでくる。
これは大変と共産党控え室に出向き、寺前国対委員長に「どうな
っているのか」と掛け合うと「出席するつもりはない」とのこと。
念のために、内閣委員会担当者から柴田議員に確認すると「欠席」
とのこと。単純な〝連絡不十分〟が原因であった。

 この「弔詞奉呈本会議で、もうひとつトラブルがあった。本会
議直前の自民党代議士会で、吹田幌議員らが「弔詞奉呈の冒頭、
黙祷すべし」と発言し、党議の提案となった。緊急議運理事懇で
糸山自民理事が要求、野党が反対し本会議が遅れることになる。
自民党も強硬姿勢を変えない。仕方なく私が糸山自民理事の耳元
で「神様になった天皇に黙祷とは失礼ですよ。拝礼となると一礼
二拍手なんてことになる。これは宗教行事となり、それこそ憲法
違反となりますよ」と囁くと、糸山理事は大声で「なんで早くそ
れを言ってくれないのか。恥をかかずに済んだのに」と怒り出す。
野党は大笑いで無事に本会議を開会することができた。当時の自
民党国会議員の常識レベルを云々するつもりはないが、共産党の
対応は議会政治体制内政党として、国民に理解を深める一齣とな
った。                      (続く)
 
 
 
 
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公明支持者をも含むオールジャパン連帯の確立

2016年08月19日 09時53分03秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                  

 

植草一秀の『知られざる真実』」

                             2016/08/17

公明支持者をも含むオールジャパン連帯の確立

           第1517号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2016081719055434616
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-35224.epub
────────────────────────────────────
金が政治を支配するのが資本主義

数が政治を支配するのが民主主義

日本も米国も表向きの制度は民主主義だが

正体は資本主義である。

資本主義と民主主義はこの意味で対立概念である。

資本主義とは1%が99%を支配する仕組み。

民主主義は99%が1%を支配する仕組み。

表向きの仕組みで民主主義の体裁を取りながら、内実として資本主義を貫徹す
るには細工が必要である。

その細工の核になるものが三つある。

第一は企業の金を政治に流し込むルートを確保すること。

第二は政党の枠組みが1%対99%の構図にならないようにすること。

第三はメディアを金で支配すること。

日本でも米国でも、第一と第三がフル稼働している。

このことには多くの人々が気付いている。

大資本は金で政治とメディアを支配している。

だが、多くの人が気付いていない点がある。

それが第二の細工のポイント。

政党の対立構図が1%対99%の構図にならないようにすることである。



戦後日本政治においては三度、このリスクが表面化した。

「リスク」というのは既得権益側=大資本の側にとっての「リスク」という意
味だ。

一度目は戦後直後。

1947年の総選挙で社会党片山哲が首相に選出されて片山哲内閣が発足し
た。

米国が激しい工作活動を展開していなければ、社会党政権が永続した可能性が
ある。

二度目は、1993年の細川連立政権樹立時。

7党1会派による連立政権が樹立された。

非自民が共産党を除いて一本化した。

三度目は2009年の鳩山政権誕生時。

民主、社民、国民新党による連立政権が樹立された。

完全なかたちではないが、99%の側が結集すると政権を樹立してしまう。

大資本の側は、常にこのリスクに対処しなければならない。

現在は、1%の側がこのリスクへの対応を三つの方法で実行している。

第一は、共産党と公明党を対立させること。

第二は、野党第一党の民進党を1%勢力に支配させること。

第三は、野党陣営内の共産党に対する個別攻撃を強めること

である。

99%の側がひとつにまとまると、必ず政権を樹立する。

これを回避するために99%勢力の分断を図ることが常に最重要課題なのであ
る。



1%の勢力が9月に召集される予定の臨時国会で最重要課題に位置づけるのが
TPPだ。

TPPは1%の利益を増大させるための枠組みで、したがって、99%の側に
多大な犠牲を強いるものである。

99%の側はこの事実を認識して、日本のTPP批准を阻止しなければならな
い。

8月20日に

「TPPを批准させない!全国共同行動8.20キックオフ集会」

東京、御茶ノ水駅近くの明治大学リバティータワーで開催される。

http://nothankstpp.jimdo.com/

安倍政権は9月26日ころに召集されると見られる臨時国会における最重要案
件にTPP批准を位置付ける。

11月8日に米国大統領選がある。

安倍政権はこの大統領選までにTPP批准案を衆院通過させることを米国から
命令されていると推察される。

日本の主権者はこれを阻止しなければならない。

安倍政権は衆参両院で多数議席を確保しているから、TPP批准を阻止するこ
とは容易でない。

しかし、「TPP断固反対」を唱えて総選挙を戦った安倍自民党がTPP批准
を押し通す正当性はない。

「TPPを批准させない!全国共同行動」

をスタートさせる集会として、

秋の臨時国会でのTPP協定批准阻止向けた中央・地方での行動について、大
いに議論し意思統一するための、

「キックオフ集会」である。

多くの主権者の参加が求められている。

日時:8月20日(土)10時30分~15時(途中昼食休憩)

会場:東京・お茶の水 「明治大学リバティータワー1階・1011号室」

アクセスマップ
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

キャンパスマップ
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html

参加費:500円

http://nothankstpp.jimdo.com/



1%による99%支配の手法だが、

1.企業献金

2.99%勢力の分断工作

3.メディア・コントロール

が柱であると書いた。

政治とは権力であり、権力は利権の源泉である。

この利権を求めて大資本が資本を投下し、政治を金力で買う。

同時に大資本は資本を投下して、マスメディアを金力で買う。

人々はマスメディアを通して情報を得るから、その行動はマスメディア情報に
よって誘導される。

そして、大資本が政治支配を維持するために腐心しなければならないことが、

99%の結集の阻止である。

99%が結束したら、1%に勝ち目はない。

民主主義を機能させないことが1%の側の至上命題なのだ。



2009年の鳩山政権に対して、大資本が死に物狂いの総攻撃をかけた理由
は、小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏が主導する民主党勢力が99%結集をもたらし
かねないからだった。

政権交代が実現した影の功労者は共産党である。

小沢一郎氏と志位和夫氏の協議により、共産党が候補者擁立を大幅に圧縮し
た。

この結果、政権交代が実現した。

この政権が衆参ねじれを解消してしまえば、1%の側は二度と権力を奪還でき
なかったと考えられる。

この状況下で、大資本の側は、卑劣で悪質な人物破壊工作を急拡大した。



現在の99%の分断工作は三つの方法によっている。

第一は、公明党と共産党を離反させること。

第二は、野党第一党の民進党を1%の側の勢力によって支配すること。

第三は、共産党を個別攻撃して、野党4党の共闘を破壊すること。

である。

問題を解決する方法は、この逆にあると言ってよいだろう。

1.公明党を支持する主権者をこちら側に迎え入れて、

2.民進党を支配する1%勢力をあちら側に退出される

3.そして、共産党を含むオールジャパンの連帯を確立する

ことだ。

新しい発想で取り組む必要がある。



実は1974年、創価学会と共産党との間で

創共協定 あるいは 共創協定

なるものが調印され、1975年に公表された。

1970年代、日本共産党と創価学会とは互いに支持層が重なることもあり、
20年に渡り、選挙活動の中で激しいビラ合戦、非難合戦を行うなど対立が続
いて来た。

このなかで、1974年7月、作家の松本清張氏が共産党と創価学会のトップ
会談を提案。

同年10月に予備会談が行われ、相互理解や敵視政策の撤廃などを骨子とする
旨の協定が調印された。

その後、日本共産党委員長宮本顕治と創価学会会長池田大作が2度のトップ対
談を行った。

しかし、協定が公明党と共産党の政党間で結ばれず、創価学会と共産党との間
で結ばれたため公明党が反発。

協定は実効性を発揮せず、10年ごとの更新とされた、その更新が行われな
かった。

背後から働いた大きな力は、両者の連帯が1%の勢力にとっての重大な脅威に
なるとの判断であったと推察される。



99%が連帯して1%に対峙することにより政治は劇的に変化する。

過去の三つの事例がそのことを証明している。

現在の状況を打破するには、これをもう一度実現することが必要だ。

そのために必要になることが、

政策を基軸にして

党派の壁を越えて

主権者が主導して

連帯の輪を広げることである。

これが「オールジャパン平和と共生」の理念であり、これから、その真価を発
揮する局面が到来する。

 


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悪魔の緊急事態条項論議急展開を警戒せよ

2016年08月19日 09時52分24秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                   

 

  「                植草一秀の『知られざる真実』」                     

                                2016/08/16


悪魔の緊急事態条項論議急展開を警戒せよ


              第1516号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2016081615000034595
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-35203.epub
────────────────────────────────────
8月2日に閣議決定された経済対策は見かけ倒しである。

「総額28兆円」

と伝えられると、大型景気対策のように思われるかも知れないが、上げ底満載
で正味量がとても小さい。

経済対策の規模は財政資金の直接投入量で測られる。

この直接投入量のことを「真水」という。

「真水」も国の分と地方の分に分かれるが、地方の「真水」は確定するもので
はない。

この「真水」が今回の対策では7.5兆円とされているが、そのうち3.5兆
円は2017年度分なのだ。

2017年度というのは来年4月に始まる年度のことで、来年度分の景気対策
が混入しているというのだから驚きというか、ほとんど詐欺のようなものだ。

今年度分の真水は、地方を含めて4兆円。

極めて小規模な景気対策なのだ。

そして、この景気対策。

具体化されるのは秋の臨時国会に提出される補正予算である。

臨時国会が召集されるのは9月26日が有力で、補正予算が成立するのは10
月にずれ込むだろう。

実施されるのは年末以降ということになる。

安倍首相は今年の6月1日の衆院解散を断念した。

衆院任期は2018年12月まであるが、追い込まれ解散を防ぐために、ベス
トなタイミングで解散を打ってくると思われている。

その時期が今年の年末、あるいは来年初という見立てがあるのだが、景気対策
を見るとその可能性は低い。



景気対策には低所得者に1人15000円の現金給付というのが含まれてい
る。

選挙との関連を考えれば、露骨な買収工作とも言える施策だが、この現金バラ
マキが来年秋になると見られている。

つまり、衆院解散は来年秋から年末というシナリオが描かれている可能性があ
る。

前置きが長くなった。

仮に解散が来年末までないとすると、これからの1年間のメインテーマは何に
なるのかという問題だ。

想定されるメインテーマが三つある。

第一は、自民党総裁任期延長の規約改定。

第二は、TPP批准。

第三は、憲法改定推進だ。

安倍氏は2020年の東京五輪の際に首相でいることを最優先課題に位置付け
ていると思われる。

「政治私物化」の象徴ともいえることがらだが、十分にあり得る想定だ。

安倍政権を支配しているのはハゲタカ資本であると見られるが、このハゲタカ
資本が安倍首相に命令している最優先課題がTPP批准であると見られる。

TPPは日本の国民の利益にはまったくならないが、ハゲタカ資本にとっては
垂涎の的だ。

米国でのTPP批准の雲行きが怪しくなっているため、事態を打開するために
日本の批准を先行させる。

これがハゲタカ資本の判断で、ハゲタカ資本は安倍首相にTPP批准を必ず実
行しろと命令していると判断される。

そして、安倍首相自身が狙っている最重要事項が憲法改定だ。

そして、その標的は「緊急事態条項」の加憲である。



5月13日付のメルマガ記事に記述したが、これまで憲法改定に慎重姿勢を示
してきた公明党がついに本性を表わしたと見える。

次の事実が伝えられている。

「公明党の北側一雄憲法調査会長(副代表)は(8月)13日までに共同通信
のインタビューに応じ、憲法改正を巡り、大規模災害が国政選挙と重なった場
合などに国会議員の任期延長を認める規定の新設が優先課題になるとの考えを
明らかにした。」

何を意味しているのかと言うと、公明党が、憲法改定について、

「緊急事態条項の加憲が最優先であり、これに賛成する」

との意向を示したということだ。

極めて重大な情報である。

7月10日の参院選結果で、改憲勢力が衆参両院で3分の2以上の議席を占有
した。

憲法改正発議が可能な状況が生まれた。

しかし、公明党がイエスと言わなければ憲法改定は実現しない。

この公明党が「緊急事態条項の加憲」で憲法改定にゴーサインを出したのだ。

安倍首相の狙いは9条改定ではなく、緊急事態条項加憲である。

極端な言い方をすれば、安倍氏は「緊急事態条項加憲」が実現すれば、それで
「満貫」だと判断していると私は判断する。

「緊急事態条項」は「悪魔条項」と言ってよい。

この「悪魔条項」が加憲される危険が急激に高まっている。



再論になるが極めて重大な事項であるので、詳論を再記述する。

自民党憲法改定草案は第98条と第99条を書き加えることを提案している。

自民党憲法改定案の第98条、第99条は以下のものである。

第九章 緊急事態

(緊急事態の宣言)
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等に
よる社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊
急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところによ
り、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。

2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承
認を得なければならない。

3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が
緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣
言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議に
かけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊
急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の
承認を得なければならない。

4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準
用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」
と読み替えるものとする。



(緊急事態の宣言の効果)
第九十九条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところによ
り、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣
総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必
要な指示をすることができる。

2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後
に国会の承認を得なければならない。

3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところによ
り、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行わ
れる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならな
い。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他
の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。

4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところによ
り、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の
議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。



新たに「緊急事態」という「章」を設けて、「緊急事態」を宣言できること、
「緊急事態に何が行えるのか、を定めるというものだ。

現在の日本国憲法の第十章に「最高法規」という章があり、このなかに憲法の
意味を規定する第97条が置かれている。

第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわた
る自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、
現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託された
ものである。

自民党改憲案では、この97条が丸ごと削除されている。

その代りというかたちで盛り込まれたのが、

第九章 緊急事態

という章なのだ。



この98条、99条に書き込まれた緊急事態条項を要約すると次のようにな
る。

1.内閣総理大臣は、特に必要があると認めるときは、緊急事態の宣言を発す
ることができる。

2.緊急事態の宣言は、事後に国会の承認を得ればよい。

3.緊急事態を宣言すると、
  内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができ、
  内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行うことができ、
  地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。

4.緊急事態を宣言すると、何人も国その他公の機関の指示に従わなければな
らない。
  この場合、日本国憲法第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条そ の
他の基本的人権に関する規定は、「尊重」するだけでよい。

5.緊急事態を宣言すると、
  宣言が効力を有する期間は衆議院は解散されず、
  両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。



つまり、内閣総理大臣が緊急事態を宣言すると、

内閣が勝手に法律を制定でき、

財政を勝手に運営でき、

基本的人権を制限でき、

議会選挙を行わずに内閣を永遠に存続できる

ということになる。

「緊急事態条項」は「憲法」のなかに書かれているが、実は、

「憲法を停止する条項」

と言い換えてもよい。

「憲法を停止する条項」を憲法のなかに規定して良いのかという問題も生じる
だろう。



憲法論議のなかで、「緊急事態条項」の必要性はかなり広く唱えられてきた経
緯がある。

改憲に慎重な政治勢力でさえ、「緊急事態条項」の加憲には積極的な人々がい
る。

しかし、その「緊急事態条項」が「憲法を実質停止状態に移行させる」内容を
含むなら、安易な取り扱いは許されない。

つまり、

「緊急事態」

を口実にして、

「憲法を亡きものにする」

策謀が現実化する惧れが極めて高いからだ。



安倍首相の目論見は、ここにあると判断される。

自民党憲法改定案のなかで、もし、ただひとつ、全力で奪取しようとしている
ものを挙げよ、の問いがあるなら、他と超絶して、真っ先に挙げられるのが、
この「緊急事態条項」加憲であると推察される。

日本国憲法を停止して、安倍独裁政治を確立すること。

これが「緊急事態条項加憲」の狙いである。

そして、「緊急事態条項加憲」が成立した暁には、こじつけで「緊急事態」が
宣言され、安倍独裁政治が姿を現すことになるだろう。

その際、政権はまさに独裁政権になる。

何でもできるし、何でもするだろう。

例えば、共産党を非合法化することも考えられる。

そんな暗黒時代が目と鼻の先に迫ってきていることを認識しなければならな
い。

これから1年間、緊急事態条項に焦点を合わせた憲法改定論議が急速に進行す
る可能性を徹底的に警戒しなければならない。

 




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