「コーダ あいのうた」(「CODA」、2021年、米・仏・加)
監督 シアン・ヘダー
原作 ビクトリア・ベドス 「エール」
脚本 シアン・ヘダー
撮影 パウラ・ウイドブロ
音楽 マリウス・デ・ヴリーズ
出演 エミリア・ジョーンズ
トロイ・コッツァー
ロッシ - マーリー・マトリン
ダニエル・デュラント
エウヘニオ・デルベス フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
高校3年生のルビーは家業の漁を手伝いながら通学していた、父母兄は揃って聾唖者で対外交渉は只一人健常者であるルビーが担ってる、新学期を迎えて単位であるクラブ活動を選択する時、気になっていた男子の後を追って合唱部へ入るのだが・・・
予告編 https://www.facebook.com/uplink.joji/videos/%E6%98%A0%E7%94%BBcoda-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%80-%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%9F%E4%BA%88%E5%91%8A%E7%B7%A8/434775911336040/
凄く良い作品だと思う。民主党の牙城であるハリウッドの近年の主題、多様性、マイノリティへの連帯というテーマに沿った作品で、ある意味「賞狙い」とも言えるあざとさを感じないでもないが2018年の「グリーンブック」(監督ピーター・ファレリー)同様、問題意識とエンタメ性の調和の取れた作品で邪念を排し素直に誉めるべき作品だと僕は思いました。
タイプとしては聾唖という障碍者の味付けをしてるけど、よくある家族からの巣立ちを描いた作品で、その意味で近年の「レディ・バード」(2017年、監督グレタ・ガーウィグ、主演シアーシャ・ローナン)と似ていてネガとポジのように見えました。現実から逃避し厨二病的誇大妄想から現実という試練を経て等身大の自分となって成長する「レディ・バード」、障碍者家族の中のただ一人の健常者という色眼鏡と否応なく世間との交渉を一手に引き受けねばならない抑圧、そこから歌によって本当の自分を見つめ自立していく主人公、こちらの作品の方が陽で「レディ・バード」より共感し易いし楽しく感じられると思います。(どちらにリアリティがあるかと聞かれれば「レディ・バード」かな、リアルな分、嫌味が強い)
印象に残ったシーンは合唱部のデュエット相手とのファースト・キス、何て事ない普通のキスシーンだけど、何故か近頃で一番綺麗に感じてしまいました(※個人の感想です)、逆にちょっとアンフェアでご都合主義に感じたのは音楽大学受験で自分の先生が伴奏してしまうところ、あれが認められるなら皆、自分の先生に頼むよ。
役者陣ではヒロインのエミリア・ジョーンズが中々の好演でチャーミング、数多くの演技賞を獲った父親役トロイ・コッツァーは確かにいいけど、自分としては言い合いばかりながら誰よりも妹を理解している兄レオを演じたダニエル・デュラントの方が印象に残りました。
流石にアカデミー作品賞を獲っただけはある、お薦め出来る作品です。
一冊の 古きアルバム 残し置き
夏の終わり 君は巣立ちぬ
※コーダとはA child of deaf adultの頭文字を取った言葉で(聾者の子供)という意味、でも、楽器をやった人ならCodaという反復記号にピンとくるはず、日々の反復から抜け出せない事をこの音楽記号に掛けているのでしょう、音楽記号のCoadはto codaを使えばCodaの反復を終えて次の小節に進みます。(下手な説明なので、Coda 音楽記号で検索して下さい)
※不謹慎かもだけど、確かに手話では内緒話、ヒソヒソ話というのは難しいと思う。(秋のコンサートシーン)
※ハダカは無いが笑いの殆どが下ネタ、家族で観ると気まずくなるかも、こういう下ネタも近い将来規制されていくんだろうな。
R4.10.5
DVD
監督 シアン・ヘダー
原作 ビクトリア・ベドス 「エール」
脚本 シアン・ヘダー
撮影 パウラ・ウイドブロ
音楽 マリウス・デ・ヴリーズ
出演 エミリア・ジョーンズ
トロイ・コッツァー
ロッシ - マーリー・マトリン
ダニエル・デュラント
エウヘニオ・デルベス フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
高校3年生のルビーは家業の漁を手伝いながら通学していた、父母兄は揃って聾唖者で対外交渉は只一人健常者であるルビーが担ってる、新学期を迎えて単位であるクラブ活動を選択する時、気になっていた男子の後を追って合唱部へ入るのだが・・・
予告編 https://www.facebook.com/uplink.joji/videos/%E6%98%A0%E7%94%BBcoda-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%80-%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%9F%E4%BA%88%E5%91%8A%E7%B7%A8/434775911336040/
凄く良い作品だと思う。民主党の牙城であるハリウッドの近年の主題、多様性、マイノリティへの連帯というテーマに沿った作品で、ある意味「賞狙い」とも言えるあざとさを感じないでもないが2018年の「グリーンブック」(監督ピーター・ファレリー)同様、問題意識とエンタメ性の調和の取れた作品で邪念を排し素直に誉めるべき作品だと僕は思いました。
タイプとしては聾唖という障碍者の味付けをしてるけど、よくある家族からの巣立ちを描いた作品で、その意味で近年の「レディ・バード」(2017年、監督グレタ・ガーウィグ、主演シアーシャ・ローナン)と似ていてネガとポジのように見えました。現実から逃避し厨二病的誇大妄想から現実という試練を経て等身大の自分となって成長する「レディ・バード」、障碍者家族の中のただ一人の健常者という色眼鏡と否応なく世間との交渉を一手に引き受けねばならない抑圧、そこから歌によって本当の自分を見つめ自立していく主人公、こちらの作品の方が陽で「レディ・バード」より共感し易いし楽しく感じられると思います。(どちらにリアリティがあるかと聞かれれば「レディ・バード」かな、リアルな分、嫌味が強い)
印象に残ったシーンは合唱部のデュエット相手とのファースト・キス、何て事ない普通のキスシーンだけど、何故か近頃で一番綺麗に感じてしまいました(※個人の感想です)、逆にちょっとアンフェアでご都合主義に感じたのは音楽大学受験で自分の先生が伴奏してしまうところ、あれが認められるなら皆、自分の先生に頼むよ。
役者陣ではヒロインのエミリア・ジョーンズが中々の好演でチャーミング、数多くの演技賞を獲った父親役トロイ・コッツァーは確かにいいけど、自分としては言い合いばかりながら誰よりも妹を理解している兄レオを演じたダニエル・デュラントの方が印象に残りました。
流石にアカデミー作品賞を獲っただけはある、お薦め出来る作品です。
一冊の 古きアルバム 残し置き
夏の終わり 君は巣立ちぬ
※コーダとはA child of deaf adultの頭文字を取った言葉で(聾者の子供)という意味、でも、楽器をやった人ならCodaという反復記号にピンとくるはず、日々の反復から抜け出せない事をこの音楽記号に掛けているのでしょう、音楽記号のCoadはto codaを使えばCodaの反復を終えて次の小節に進みます。(下手な説明なので、Coda 音楽記号で検索して下さい)
※不謹慎かもだけど、確かに手話では内緒話、ヒソヒソ話というのは難しいと思う。(秋のコンサートシーン)
※ハダカは無いが笑いの殆どが下ネタ、家族で観ると気まずくなるかも、こういう下ネタも近い将来規制されていくんだろうな。
R4.10.5
DVD
自宅で練習してた時の背中合わせで歌うシーンもロマンティックでしたよね~。
〉ハイ、青春してましたねぇ(その後がアレでしたが)。
TVでオンエアしてた時、再見したのですが試験のシーンではやはり涙腺が崩壊しました(笑)、まぁ、先日オンエアしてた「湯を沸かすほどの熱い愛」でも判っているのに、判っているからなのか涙腺崩壊、そくさくと家族の居ない所で一人で観てました。
コーダ〉観るまでは反復記号がタイトルなんだと思ってました(副題が「あいのうた」って紛らわしい〜汗)
あざとさは私も見終えてから少し感じましたね。でもおっしゃる通り、こういう題材で年代問わず見やすそうな作品で、楽しみながら考えさせられてホント、バランスが良かったです。
>合唱部のデュエット相手とのファースト・キス
仲直りのキスでしたっけ?
彼の口の軽さはかなり無理だなぁと感じたけれど、普段から開けっ広げな両親に振り回されていたルビーにとっては許容範囲なのか…と妙に感心してしまいました(笑)
自宅で練習してた時の背中合わせで歌うシーンもロマンティックでしたよね~。
>コーダとは~日々の反復から抜け出せない事をこの音楽記号に掛けている
なるほど。音楽のテストでは赤点をとってたので、まったく気付きませんでした!
音楽の先生が登場するんだから、作品内で説明してくれても良かったのに。
コメントありがとうございます!
聾唖障碍者家族を妙に律儀に仕立てていず
〉僕もそこが良かった、まぁ、欠点ばかりの家族ですが、それがあるから偽善っぽくならなかったのではないでしょうか。
E・ジョーンズ
〉シャイだけど陽性で笑顔が可愛かった、好演でした。
最初「よくあるハンデを利用した泣かせ映画」と思って身構えていたのですが、彼女が歌えなかった「ハッピーバースディ・トゥ・ユー」を湖で一人歌うシーンから引き込まれていきました。勿論、クライマックスの手話を使った歌のシーンも良かったです。
(しかし、音大の受験で歌と言えば声楽=クラッシックのイメージなのでポピュラーソングって有りなのかと疑問が湧いたのは内緒)
発表会の演出、観念として理解してる積りでも、実際、音のない世界をリアルに映し出されてみると、想像と現実の違いがスッと入ってきて良かったです、演出としてあざといのかもしれませんが、素直に受け入れられました。
「レディ・バード」
「若草物語」のような万人向けと違い、かなりアクの強い作品(監督の自伝的作品)シアーシャも共感性の薄い自己愛の塊のような役なので、苦手なしずくさんにはお薦めし難いかも。
お身体の具合、如何でしょうか、日々、寒さが増していく季節、ご自愛下さい。
先日、紅葉が見頃というニュースに誘われて女房と高尾山へ行ってきました(肺が機能低下してるのでケーブルカー)、確かに紅葉は見頃で綺麗でしたが高尾山って杉の木7割って忘れてました、まだら紅葉で「あれま⁉︎」という感じでした。(笑)
ついに冷蔵庫が壊れた(涙)、電子レンジも接触不良気味で壊れるのは時間の問題、今年一年の貯金が・・・、嗚呼。
エミリア・ジョーンズが良かったですね。書かれている「レディ・バード」を観ていないので、興味が更に湧きました。シアーシャは苦手だけど、「レディ・バード」は観たいという気持ちが以前からあったのです。なかなか巡り合えずにそのままになっていて・・・。
本作で私が印象深かったのは合唱部発表会で二人が歌うシーンを無音にしたところ! 拍子抜けの嫌いもありましたが、大胆に思いきった方法だったと思います。ルビーの家族があっけらかんと描かれているのにも好感が持てました。聾唖障碍者家族を妙に律儀に仕立てていずに、そこでのびのび育てられたルビーが前面に出して巧く作られていると感じた次第です。もうちょっと控えめでも良かったかも?!
今期民放系ドラマで「ファーストペンギン」で、漁協を通さず直接漁師が獲ったお魚を売るという”お魚ボックス”に似た箇所があって驚きました。世界各国でも問題になっているのでしょうかね。