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『バトルスピリッツ ブレイヴ』~異界王再び!

2011年09月06日 | アニメ
【脱英雄譚の命題】



異界王「俺を一番理解しているのはお前だ。世界の為に何ができるか。どうすべきか。…もう、言うまでもないな?」

ダン「見方を変えれば……あんたが一番、世界の未来を案じていた英雄だった。…時間はかかったけど、新しい未来を築く瞬間は、もうすぐだ」


異界王「…男の顔になったな」

ダン「…そうかな?」

(『バトルスピリッツ ブレイヴ』47話より)

異界王……………お前こそ、いい顔過ぎんよwww いや~、もう、なんか…『バトルスピリッツ ブレイヴ』個人的に、すごく…満足です。(`・ω・´)
『バトルスピリッツ ブレイヴ』はTCGバトルスピリッツ販促アニメ『バトルスピリッツ少年激覇ダン』の続編で、前作の数百年後、異界グラン・ロロの離脱から地球に残ってしまった魔族によって人類は圧制を強いられていた。かつて地球とグランロロを救った“赤の光主”馬神ダンは、同じく“紫の光主”だった紫乃宮まゐに誘われて、再びバトルスピリッツの戦いに身を投じて行く…という『物語』。

で、前作の『少年激覇ダン』が終わった時、僕は、ラスボスとして敗れさって行った異界王に対して「…あれ?異界王って実はすごい奴だったんじゃない?」という記事を書いたんですよ。(↓)

『バトルスピリッツ少年激覇ダン』ラスト・ボス、その男、異界王。
異界王「激突王、この闘いでお前が勝てば私はこの世界を去ると約束した。それはグラン・ロロ(異界)の崩壊を意味する。それでもよいのか?」

ダン「信じるもんか!滅亡なんかさせない!させてたまるか!」

ユウキ「ならば、お前が異界王を倒したその時、この膨大な知恵の世界を継承するしかない。そしてお前がマザーコアを守り、グラン・ロロも地球も救う…悪くない話だ」


(第27話 メテオヴルム散る・異界王VS激突王!より)
ここで語った解釈を『作り手』はある程度、意識していたと僕は思っているのですが、それは物語中の下味/隠し味のようなもので、前作で、ワルワルのキャラとして塵に還って行った異界王を、こうまで明示的に持ち上げるとは思っていなかったです。いや、ホント。ある程度、匂いみたいなものは出していたと思いますが、このダンと異界王の“解り合い方”は、けっこう唐突に思う人もいるんじゃないでしょうか?

しかし、同時にやはり、ここをハッキリさせないと『バトルスピリッツ ブレイヴ』が、どんな『物語』だったのかを語るのが非常に難しい事も確かだと思います。
だって『ブレイヴ』ってどう観ても“異界王の命題”に応えることができずに、しかし、勝負には勝ってしまった勇者ダンが、再び“異界王の命題”に挑む物語なんだもの。(`・ω・´)
もっと言うと、勇者ダンは“現実世界”では、この問題に応えることができず、ズタボロに敗れさっています。…これをそのままやると、ほとんど『物語破壊』とも言えるような鬱展開となってしまうので、少し時間を進めて、かつ、未来世界に飛んで、一度「死せる異界王に敗れた勇者」は、もう一度、“それ”に挑戦する…という物語になっています。

『少年激覇ダン』~『ブレイヴ』のサーガは、改めて記事に起こしたいと思っていますが、充分な秀作と言えた前作の『少年激覇ダン』に比べて『ブレイヴ』は、どこか煮え切らない面があって……何より主人公のダンのテンションが、常時低めでw エンターテイメントとして上手く行ったとは必ずしも言えないんですけど、このブログの語るテーマの一つに入れている、単純なる“英雄譚”の先の物語の描きとして『面白く』、そう、その描きのカタルシスがどうしても、淀んでしまう(世界がそこまで白黒ハッキリにできていないから)面も含めて、興味深く観せてもらいました。そこを記事に起こして行きたいです。

…と、まだ、あと一回残っていますけどね。最終回でマギサと会えたりしないかなあ?


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