今何処(今の話の何処が面白いのかというと…)

マンガ、アニメ、特撮の感想ブログです。

今週の一番「HUNTER×HUNTER」髑髏と般若と鬼と虫

2010年03月21日 | マンガ
【3月第1週:HUNTER×HUNTER No.298◆薔薇】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10452.html#629

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



「HUNTER×HUNTER」のこの一回が素晴らしかった!どうしようもなく“王”に敗れて行くネテロ会長がとった最後の手段と、“それ”を知覚した時のプフの文字通りの形相。その連鎖する展開含めて事態が急を告げる事を体感させる一回でした。
画像で張ったネテロ会長の“形相”とプフの“形相”が強烈ですよね。至宝の武人であるネテロが邪悪な笑みを浮かべる時はどんな時か?怒っても取り乱しても独特の優雅さを保っていたプフがそれをかなぐり捨てる時はどんな時か?それを考えるだけでもわくわくしてくる。…ちょっと言おうが言うまいか迷ったんですが、言ってしまうと……ネームレベルで止まっている原稿では、この画には成らなかったでしょうねw(※まあ、その場合、この回の急所となる、この場面のこの画だけしっかり描き込んで出すんじゃないかと…そういうにくい冨樫先生だとは思いますが)

【11月第4週:月光条例 第7条[わらしべ長者]】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/15931c40594ad3df9e0401b4b5bc4ba1

「HUNTER×HUNTER」のネームについては、ここでも述べています。僕の視点からの話をすると結局、その画面の中にどのどのくらいの情報を詰めるか?という話だと思うのですよ。ある時はレイアウトで情報を詰め、ある時は単純画力で情報を詰める。ある時は単純アイデア、ある時はセリフ回しでもいい。そうやってネームの流れの急所急所を察知してクリアして行く。そんなイメージなんですよね。だから“抜く”所は抜いている…って印象でもある。
週刊連載なんかで流れ作業で出来上がる…可能な範囲の絵だけ描いていると、漫画=絵で楽しませる表現物なのに絵そのものの驚きや楽しさを失ってしまう事も多いと思います。というか絵に情報を載せる事を疎かにすると、文字で野暮った~く、情報をつらつら書くことになったりしてマンガ的にはカコ悪くなりますね。
そこらへん冨樫先生はすごくメリハリが利いています。記号や粗図で何をやっているか分れば良い程度に流せばいい場面もある。一筆に魂や情念(のようなもの)を込めないといけない場面もある。そういう急所の押え方が非常に上手い作家さんだと思っています。