【5月第4週:魔王 第93話 魔王】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10413.html#588
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/
「魔王 JUVENILE REMIX」(原作・伊坂幸太郎、漫画・大須賀めぐみ)がいいですね。同誌で強烈な勢いを持って終わろうとしている(汗)「トラウマイスタ」に負けず劣らずな筆致を堪能しています。
【トラウマイスタのエントリー】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/38ac3439166cb1198ce7ec147d9c0e2c
「魔王 JUVENILE REMIX」は、とある街に現われた自警団グラスホッパーと、その団長で、独特のカリスマ性をもった男“犬養”の危険性を一人感じた少年・安藤が、自らの小さな超能力“腹話術”を駆使して秘かな戦いを開始する物語。安藤は壮絶な戦いの果てに死亡するのですが、今は、安藤の弟・潤也が、兄の死の謎を追ってやはり犬養に戦いを挑んでいますね。伊坂幸太郎の同名原作を元にいろいろ伊坂先生の作品を取り混ぜて、少年誌向けに料理しなおして描いているようです。多分、漫画の大須賀先生が粗方の部分創っているように思っています。
「第二部 潤也編」に入ってからの面白さを一言でいうと、ノンストップ感というか……ブレーキを踏まない感覚とでも言えばいいでしょうか。この週のお話も既に潤也は目的(復讐)のためには手段を選ばない男になっていて、自ら持つ超能力で手に入れた大きな力(財力)を使って、敵を徹底的に追い詰め恐怖に落とせせしめ殲滅している。オーバー・キル…とは僕は言わないけれど、暴風というか破壊と憎悪(そして哀しみを)敵に叩きつけながら殺している。ついているタイトルが「魔王」です。…本来的には潤也の敵である犬養に冠される言葉だと思うんですけど…。
いや、ここらへん、面白くって、犬養は確かに非合法的な“裏の顔”をもった男ですけど、その力は基本的に“世のため人のため”に使われている…はずです。少なくとも犬養自身は、善人ではないでしょうが私利私欲で動いていないのは、ほぼ、明かだったりします。対して潤也の方は言わば私闘なんですね。しかも、潤也は相当兄が好きだったのか(…兄貴が死ぬまではそこまでの感じはしてなかったんですけどねw)もうかなり狂っていて、自己崩壊寸前の危うさの中で戦っているんですよね。なんかもうどっちが悪役か分かんないくらいなんですよねwでも、やる!というか、そっちの方が「面白い」となったら、躊躇無くアクセル踏んでいるwそこにちょっとシビれています。
この作品のテーマって「自分一人だけが気付いた“危険”との戦い」といった感じに観ている(原作読んでいないんですが多分原作はそんな感じのはず)のですが、それって「自分の気のせい」って可能性もあるというか、躊躇があると思うんですよ。犬養は確かに清廉潔白な聖人ではないですけど、今現在など選挙活動をしていたりしてこの国を変えるにしてもある意味、合法的手順を守ってもいる。同時にこの作品って犬養が目的を果たしたとき、どんな“悪い事”が起きるか明確には示していないのですよね。…それは意図的にそうしているはずで……何でかって言うと読者が「ああ、こいつは悪いや。これは阻止しないといかんね」と思ってしまったら、「自分だけが気付いた」サスペンスが生まれないからなんですが。でも、それってかなり難しい作劇で、実際、第一部の安藤は、真に決意して行動を起すのはかなり後になってからでスロースタートだったというか…かなりやりづらそうな印象でした。
それを第二部の潤也は「いや、だってコイツ、狂ってるから?」でハードルをぽーんと飛び越えてしまった所があって…その手があったか!!というかwいや、いいんですよwまず走り「回して」から、その行動の意味は「回し」ながら考えてゆけばw狂っているって事は彼は今、自分の始めた戦いに潜んでいるであろう落し穴が見えていないって事でしょう。それ含めて、この少年が復讐の果てにどこに辿り着くのか観てみたいですね。
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「魔王 JUVENILE REMIX」(原作・伊坂幸太郎、漫画・大須賀めぐみ)がいいですね。同誌で強烈な勢いを持って終わろうとしている(汗)「トラウマイスタ」に負けず劣らずな筆致を堪能しています。
【トラウマイスタのエントリー】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/38ac3439166cb1198ce7ec147d9c0e2c
「魔王 JUVENILE REMIX」は、とある街に現われた自警団グラスホッパーと、その団長で、独特のカリスマ性をもった男“犬養”の危険性を一人感じた少年・安藤が、自らの小さな超能力“腹話術”を駆使して秘かな戦いを開始する物語。安藤は壮絶な戦いの果てに死亡するのですが、今は、安藤の弟・潤也が、兄の死の謎を追ってやはり犬養に戦いを挑んでいますね。伊坂幸太郎の同名原作を元にいろいろ伊坂先生の作品を取り混ぜて、少年誌向けに料理しなおして描いているようです。多分、漫画の大須賀先生が粗方の部分創っているように思っています。
「第二部 潤也編」に入ってからの面白さを一言でいうと、ノンストップ感というか……ブレーキを踏まない感覚とでも言えばいいでしょうか。この週のお話も既に潤也は目的(復讐)のためには手段を選ばない男になっていて、自ら持つ超能力で手に入れた大きな力(財力)を使って、敵を徹底的に追い詰め恐怖に落とせせしめ殲滅している。オーバー・キル…とは僕は言わないけれど、暴風というか破壊と憎悪(そして哀しみを)敵に叩きつけながら殺している。ついているタイトルが「魔王」です。…本来的には潤也の敵である犬養に冠される言葉だと思うんですけど…。
いや、ここらへん、面白くって、犬養は確かに非合法的な“裏の顔”をもった男ですけど、その力は基本的に“世のため人のため”に使われている…はずです。少なくとも犬養自身は、善人ではないでしょうが私利私欲で動いていないのは、ほぼ、明かだったりします。対して潤也の方は言わば私闘なんですね。しかも、潤也は相当兄が好きだったのか(…兄貴が死ぬまではそこまでの感じはしてなかったんですけどねw)もうかなり狂っていて、自己崩壊寸前の危うさの中で戦っているんですよね。なんかもうどっちが悪役か分かんないくらいなんですよねwでも、やる!というか、そっちの方が「面白い」となったら、躊躇無くアクセル踏んでいるwそこにちょっとシビれています。
この作品のテーマって「自分一人だけが気付いた“危険”との戦い」といった感じに観ている(原作読んでいないんですが多分原作はそんな感じのはず)のですが、それって「自分の気のせい」って可能性もあるというか、躊躇があると思うんですよ。犬養は確かに清廉潔白な聖人ではないですけど、今現在など選挙活動をしていたりしてこの国を変えるにしてもある意味、合法的手順を守ってもいる。同時にこの作品って犬養が目的を果たしたとき、どんな“悪い事”が起きるか明確には示していないのですよね。…それは意図的にそうしているはずで……何でかって言うと読者が「ああ、こいつは悪いや。これは阻止しないといかんね」と思ってしまったら、「自分だけが気付いた」サスペンスが生まれないからなんですが。でも、それってかなり難しい作劇で、実際、第一部の安藤は、真に決意して行動を起すのはかなり後になってからでスロースタートだったというか…かなりやりづらそうな印象でした。
それを第二部の潤也は「いや、だってコイツ、狂ってるから?」でハードルをぽーんと飛び越えてしまった所があって…その手があったか!!というかwいや、いいんですよwまず走り「回して」から、その行動の意味は「回し」ながら考えてゆけばw狂っているって事は彼は今、自分の始めた戦いに潜んでいるであろう落し穴が見えていないって事でしょう。それ含めて、この少年が復讐の果てにどこに辿り着くのか観てみたいですね。