竹村健一 『日米共存の条件』

2017-03-26 23:32:58 | 日本経済

この竹村健一さんには前々から注目していました。

80年代には、テレビCMにも登場していたようですし、幸福の科学の信者には私はなりませんが、その総裁である大川隆法氏の著作には学ぶことが大いにあって、その本を多く読んで生活の糧にしていますが、その大川氏の本の賛同者でもあると聞いていましたので。

実際、この人の著作を読むと、深い探求心と分析力には驚かされます。 この本は90年に出されたものですが、その当時はジャパンバッシング喧しくなされていた時期でもありましたが、日本の工業製品が欧米を席巻して、多額の黒字を経常していたのです。

そしてのみならず、それ故に多くの失業者を欧米は出していたのですね。

それの民家、ジャパンマネーによるアメリカのビルや企業の買収が多くなされ、白い目で見られていた時期があったのは有名な話ですね。

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それくらい日本は黒字であったのです。

それくらい作る製品が素晴らしく、機能がよく、いつまでも壊れないのですね。

その結果、包括貿易法スーパー301条において、日本を不公正貿易国と特定されてしまったようです。

日本の製品が売れて、自国のそれが売れないのであれば、自国の製品力を上げればいいのではないかと即座に思ってしまうことですが、ことはそう簡単ではないようです。

日本の農業政策や流通システムが国際社会の常識に反しているのでそういった経済摩擦が起こってしまう原因になっているということがわかります。

その大改革を竹村氏は提唱していたようです。

フランスは車の対米輸出を5000台、イタリアは3000台でしたが、日本は230万台というすさまじい台数であった年もあったようです。

しかしプラザ合意において、それまでの1ドルが240円だったのが120円台になりました。

そして、自動車やテレビ、VTRのアメリカでの現地生産も手伝って、89年度の対米黒字は3年連続で減少しましたが、完全なる解消にはならなかったようですね。

NIES諸国や欧州は自動車、テレビ、冷蔵尾といったオールドハード製品を作る構造になってましたが、ニューハード製品については日本の独占であり、先方は買わざるを得ないのですね。

そのためにも支社、工場を海外に移し、経営のリストラクチャリングをする必要性にかられたのですね。

しかし対日赤字が解消されないのは、複雑怪奇な流通機構、国内の供給者の既得権益を保護する様々な規制と法律(大店法など)、外国からの日本投資を阻害する様々な障害があるからだというのが竹村氏の主張でした。

また労働時間も日本人は年間平均で2100時間も働きますが、ドイツ人は1600時間だそうです。

また肉の輸入に際しても、検疫施設も日本には不足していて、牛の検疫には日本では15日もかかっていたようです。 またアスパラ、セロリ、パパイヤなどの燻蒸施設の使用も、そこの代金は輸入業者が負担するシステムだったようです(野菜や果物を輸入する際に殺菌のために燻蒸が必要なのです)。

これではいくら頑張っても対日赤字が減らないのもうなずけますね。

また流通システムが日本では複雑ゆえに、製品の価格の7割を流通コストが占めていたようですね。

ゆえに、日本のコメはアメリカの3倍し、小麦は4倍、牛乳は5倍していたのですね。

食管法や政府の手厚い保護政策によって国民生活の圧迫をし、外国との摩擦が起こるという識者がいても自然ですね。

90年代半ばに、一時1ドルが70円台にまでなったことがありましたが、それでもCDショップに行っても、輸入のCDがほとんど安くならなかったのを覚えています。 やはり国内産業を保護するためだったのでしょうか?

しかし私としても、他の多くの日本字は、物の値段がそれだけ高価格でも生活に困らなかったのではないでしょうか。

それでも対日赤字が解消されなかったのは、ほかに理由があったのではと思われて仕方ないですね。

ビル.トッテン氏など、日本で起業をして、その内情をつぶさに観察してきた識者の意見も読まなくては真実はわかりませんね。 ビル.トッテン氏に言わせれば、

「日本の車メーカーはアメリカ市場向けに左ハンドルの車を開発しました。

そして日本の日用品メーカーは、アメリカの大きな住宅向けに大きなサイズの冷蔵庫を開発しました。

しかしアメリカのメーカーは、日本向けにこういう製品開発をしてこなかったのです。

アメリカのソフトウェアメーカーは、英語しかサポートを書かないのだといいます。

しかも自国内で最も多く使われているコンピューターでしか稼働しない製品開発しかしないし、価格や販売条件を日本に一方的に押し付けていたのだといいます。

しかもアフターサービスも悪い、」

ということです。

こういった面をつぶさに調査せず、一方的日本が悪いというのはフェアではないですね。

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そのビル.トッテン氏の本について書いたページは以下です。

ビル.トッテン 『日本は悪くない』

http://hair-up3times.seesaa.net/article/437551307.html?1490535932

 

しかし、87年『前川レポート』によれば、日本の輸入促進、内需拡大、労働時間の短縮、国際社会にふさわしい農業改善、社会資本の整備、土地住宅対策、海外直接投資などアメリカからの要求をのんだのですね。

そういった外圧によって、中曽根首相は国鉄、専売公社、電電公社の民営化を成し遂げました。

中曽根首相は、日本人がもっとアメリカ製品を買うように、実際にCMに出てアメリカ製のワイシャツに着換えることをしていましたね。

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中曽根首相

また、その次の竹下首相は、牛肉、オレンジ、コメの市場開放を、サミット開催の前日に妥結したのです。

また、第三世界の55億ドルの円借款を帳消しにしたのです。

チャーマーズ.ジョンソン氏の書いた『通産省と日本の奇跡』 (82年)という本では、官僚統制の産業保護政策と官僚の癒着が日本の奇跡をもたらしたということを書いていますが、それにはいろんな反論があるようですが、それでも日本の経済的な発展には目にあまるものがあったのは間違いないですね。

1914年、日本は11億円の債務国だったのですが、1920年には27億円の債権国にのし上がったのです。

こういう事象を見ると日本は経済発展において資質があるような気がしてならないですね。

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でもアメリカの言い分だけが正しいわけはないですね。

ジャパンマネーがなければ、アメリカは国家財政も賄えないのは自明ですね。

実際日本が、アメリカの国債を買いざさえているのは事実ですね。

しかしいつまでも日本が勝ち続けるのは予断を許さないようです。

イタリアやフランスは政治が介入して日本車は数千台しか売れていないようです。

消費者は、店頭に出ているものしか買えないので、それ以外にも買えるように営業内容の改善をせよという要求が出てもおかしくはないですね。

しかし時は90年の話しですから、これはもう解消されるといったほうがいいでしょう。

もうインターネットの登場で、ことは改善されるのは間違いでしょう。

確かに当時も、通販のカタログ等があり、店頭にないものがあっても、電話やFAXで取り寄せをすることは可能でしたが、今はその店頭を介さないで買うのが当然ですから、ことは改善されるでしょう。

しかし…やはり日本の経常黒字が他の国を圧倒していますから、日本の製品が優秀だからでしょうか?

日本の制度を批判していたのは、何も外国人だけではなく日本のジャーナリストでもいたのですね。

それは堺屋太一氏も批判していたのです。

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堺屋太一

官僚により、産業、農業、医者、学校、小さな商店に至るまで、手厚く保護されている。

そして、消費者の声が政策に反映されることはない、ということです。

日本の縦割り行政が、一本の線で結ばれて互いに利権争いをしているだけである、というのです。

この意見は、他の堺屋太一氏の本を読んで知りました。

しかし、あれだけの繁栄を享受していた日本人が、消費者の声が政策に反映されることはない、と書かれては、いくら有名なジャーナリストが書いた本でもそれほど納得できた話ではないですね。

また、いくら日本での物の価格がアメリカでの価格の何倍もする、ということを書かれても、これも生活を圧迫を受けていたと感じる人はジャーナリストを除いてほとんどいなかったのですから実感がわかなかったのではないでしょうか。

でも時は、当時の消費全般の社会ではなく、皆が買いたいものを買いそろえてしまった成熟社会ですから、日本人に買わせようということだけでは済まないでしょう。

こういった経済摩擦は、日本の流通システムを変えることは必然的な要求でしたが、それだけではなく、アメリカも自国の製品力を上げる努力をしなくてはいけないのは言うまでもないですね。

今やもう自国だけで生活していくことはできないわけで、これから先は永遠に国際社会について回ることは間違いないでしょう。

国の人口が3000万人ならば自給自足できるとか、いや5000万人なら、といった議論はいろいろあるようですが、いずれにしろ自給自足はできないのは事実です。

われわれの身の回りのもの、例えば食品、衣料品、家具などのあらゆるものが、国内だけでは賄いきれるものではなく、すべて外国からの輸入に頼っているのです。

逆に、諸外国も日本からの輸入に頼っていることも同時にです。

他国と付き合っていくに際して、どのようなことが大事かという議論が当然出てくるわけですが、竹村氏は言語そのものでなく、共通の話題を話し合えるかどうかが重要ということを書いています。

そのために、共通の話題を持つためにこういう本を読んで、自分の問題としてとらえていくことが大事のです。

ですからこういう話題を持つ人が多ければ多いほどいいのです。

また、竹村氏は、「国民が滅私奉公して築き上げたGNP世界一のゆがんだ社会構造が趣味や教養を高める余裕をなくした」と書いてありますが、これは行き過ぎでしょう。

そういう趣味や教養を高めることをしなかったのは、政府のせいではなく、国民の大半がそれを選択しなかったというだけでの話であって、その高めることが重要という意識がなかったならば、これを国民が選択して行動していけばいいだけの話ですし私自身その重要性については大学時代から認識していましたし今もそうですから、この場で紹介もしているのです。

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その重要性がわかった人はぜひともこのような本をたくさん読んでほしいと思います。

また日本の企業がアメリカの街で散々ドルを買いあさり、それを全然還元しないということで批判を浴びる。

そのことを知って日本の企業を批判するだけでは意味がありません。

自分が起業したときに、そういうことはしない、という経験理論を持っていくことも重要ですし、当地の人たちとのコミュニケーションをしていく努力も忘れないようにしようという気概を持つことも重要でしょう。

その意識を持つことができるメリットがこういう本にもあるのだと思っています。

貿易摩擦の問題への方向は確かに前途多難ではありますが、何も政府だけの問題だけではなく、一般国民としてできることをしていかなくてはならないでしょう。

私はアメリカの対日赤字の額が大きいということを知って、それからは意識してアメリカ製品を選ぶことをしていましたが…でもそういうことをしたほうがいいことは間違いないですね。

この本を読んでそんなことを考えてしまいました。

●この本は以下よりどうぞ。

日米共存の条件―日本はアメリカの本当の恐さを知らない (EYE OPENER SERIES)

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