北欧と日本は、いろんな国交があったのだなと感心した本ですねこれは。
アメリカとの国交ばかりが取りざたされて偏っているように感じるのは私だけでしょうか?
この本の中では、日本との関係をあつかった図や文物の挿絵がたくさんあって興味をそそられます。
ケンペル、シーボルト、トゥンベリーの3人は北欧出身の学者で、江戸時代の後期の歴史に出てきますが、この3人を出島の三学者といわれたそうです。 このことをこの本を読んで初めて知りました。
私の勉強不足でしょうか?(笑)
この本で、最初に出てくる北欧との歴史は、1868年の昔にさかのぼります。
この年は明治元年になりますが、この年に対スウェーデンと修好通商条約が結ばれたのですが、このこともこの本で初めて知りました。
そして1899年にノルウェーから捕鯨砲などの捕鯨器を輸入した年だそうです。
これもこの本で初めて知りました。
興味をそそられますね。
その他、 1904年に日本は北欧の国として初めてスウェーデンに公使館を設立。
1920年代に日本で多くのデンマーク農業に関する文献が出版される。
愛知県碧海郡一帯を「日本デンマーク」と呼ばれるようになった。
1944年9月22日 フィンランドが対日断交し、在日公使館を閉鎖。11月、在フィンランド公使館引き上げ。
1945年7月6日 ノルウェーが日本に宣戦布告
1957年 対ノルウェーと新しい通商航海条約を締結し、ともに最恵国待遇、内国民待遇を有していた。
1958年 スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドと査証相互免除取り決め、この年にバイキング料理を導入。
1964年 日本では海外渡航の自由化がされ、この時デンマークのコペンハーゲンに渡った小田実が『なんでもみてやろう』を本にして、そこでコペンハーゲンを「アンデルセンの国にふさわしい、お伽噺的に美しい都会」として紹介する。
こういったこれまでの学校の歴史の教科書には書いていない歴史が学べて非常に私の食指をそそるものでした。
それだけでなく、これまでこのブログで、「これから日本が少子高齢化社会になり、その先達として北欧に学ぶ面が大いにある」ということでこの国々の事情について書いた本を多く紹介してきました。
1930年代以降、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンでは社会民主党が政権を取り、福祉国家を実現してきました。
貧困を根絶するという名目ですね。
その影響は日本にも波及し、1967年に都知事だった美濃部亮吉は、老人医療費を無料化しました。
61年にも、自民党が国民皆保険、国民皆年金を実現しました。
またその後の池田勇人内閣時において、73年に社会保障費給付水準の大幅引き上げをしました。
これらは、非常に北欧からの影響が強いことは間違いがないです。
しかし、かつて福祉国家の先達としてスウェーデンを紹介してきましたが、良いことづくめの面ばかりではないようです。
スウェーデンでは、重税にあえぎ、欠勤、アル中、自殺、麻薬の蔓延する社会でもあるということです。
そうですよね。
働かなくとも手当てがもらえるなら、だれもが働かなくなり、ゆえに財政赤字になるのは必然です。
福祉国家の先達として見習う部分は大いにあるけれども、こういったマイナス面にも目をむけないといけないのは間違いないでしょう。
北欧から学んだ日本にも福祉の面で見習うべき点や活かせた面は大いにありますが、問題点はいまだに、そしてこれからも存在します。
個人の自助努力と家庭や近隣や地域社会との連帯が課題となるでしょう。
あまりに行き過ぎた個人主義のほころびが日本の都会を中心に出ているということです。
それを良き方向へ向かわせるべく、市民の1人1人が意識して行動していかないといけませんね。
それはこういった本によって人を覚醒するのであると感じます。
それをあなたも感じてほしいです。
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