がちょうのうたがきこえてくるよ

最初に言っておく。私は、今、仮面ライダー沼にハマっている!!

「前座がカッコ良かったの...。」と、彼女は言った。

2012-04-18 | 能楽
去る4月6日、私の地元にほど近い、滝不動というところで夜桜能というものが開催された。
演者の一人が謡の先生だったこともあって、この公演を見ることになったのだが、桜の下で「羽衣」をやる、というのは、想像するだに可愛らしいし、実際、桜は時期を合わせて満開となり、期待以上のシチュエーションに、胸が躍った。ただ、風が冷たく、春らしくない陽気であり、寒さとの戦いも覚悟せざるを得なかったが...。

一番の目的は「羽衣」のはずだった。
しかし、面も装束もつけずに演った、仕舞の「土蜘蛛」が思いのほかにカッコ良かったのだ。
源頼光の化物退治を題材にとっている、このお能は、シテの土蜘蛛が、ふぁっさ~、と、手から蜘蛛の糸を振りまくことで有名なお能である。歌舞伎にもなっているので、知名度の高い作品だ。今回の仕舞は、そのクライマックス、土蜘蛛と頼光たちとの戦いの場面を舞う。仕舞といいながらも、小道具の蜘蛛の糸を使うという豪華版である。
もともと演出が派手な演目で、楽しめることは承知していた。しかし、戦いが始まり、シテの土蜘蛛が手を振り上げ、糸を繰り出した、その瞬間、能楽堂では起こり得ないことが起こったのだ。

夜の虚空に、糸が舞ったのである。

私は、その美しさに驚嘆した。

いつもは下に垂れていくだけの糸が、風にのって優美にゆらゆらと動く。しかも、夜の暗い中である。白い糸が照明に映える。動きを得た糸は無機質な能の舞いに生命を宿し、実にイキイキとした戦いが繰り広げられたのだ。
野外でお能をやることの、最大の効果を見た思いがした。

ということで、絵を描いたのは「土蜘蛛」。
土蜘蛛は化物として象徴されてはいるが、その実は大和朝廷に駆逐された鉱山の民たちのことである。這いつくばって穴の中で作業する人々を、こう呼んだのだ。丹生、砂金、砂鉄...有用な資源を産する鉱山を支配して独占したい朝廷側の思惑により、彼らは蔑まされ敵とされた。
日本書紀の神武記に出てくる土蜘蛛は、手足が長いという記述があり、同じく山に居住する、妖怪の手長足長が連想され、とりあえず、蜘蛛の妖怪としての手長足長を描いてみた。
え?どう見てもキース・フリントだって?韮沢靖の絵にそっくりだって?
うん。気にするな。
私が一番気にしてる。



う~ん。
ねぇ?
やっぱ、韮沢が抜けない...。
私のイラストの師匠はジェイミー・ヒューレットと韮沢靖です。
この二人の絵は、よく真似してて、似たようなのをいくつも描いてきました。
ジェイミーさんだと「タンクガール」のペーパーバックとゴリラズの「Rise of the ogre」、韮沢さんだと「カメレオン」という画集が教科書。見すぎてボロボロになってます。
寺田克也、岡崎京子、松本大洋、マイク・ミニョーラ、メビウス、あと、月岡芳年とか、時々見かけるイギリスやイタリア、フランスの漫画とか、色々影響はされてます。でも、上記の二人が最強ツートップ。特に、ジェイミーさんからの影響は計り知れない。
好きだけでいくと、寺田克也最強なんですが、寺田さん、神すぎて、影響薄い...。でも、ペインターを使い始めたきっかけは、やっぱり寺田さんだったなぁ。「ペインタボン」がインタビューも含めて衝撃だった。

就職決まったんで、これから絵を描きまくりたいのですが、残念なことに、ペインター12が体験版の使用期限を迎えまして...どうするかね。とりあえず、intuos5を買って、付属品のペインターエレメントを使ってみるか、と。もしかしたら、私のやってることはエレメントで十分かもだしねぇ。
ああ、絵がうまくなりたいなー!





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