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My Home Town(旧風力発電と子育て日記)

観光と風力発電と子育ての日記です。

当日記の内容については風車ファン以外の無断での転載転用を固くお断りします。

ちょっと長いですが

2006-10-24 19:31:30 | 風車日記
22日の記事に珍しく地元出身の方からコメントをいただきました。いろいろ感じることがあったので、コメント欄ではなく、この場で取り上げたいと思います。

jimopyさん、コメントありがとうございます。
このブログにコメントを寄せてくれている方には確かに風力発電に賛成している立場の方が多いと思います。しかし、私を含めデタラメに風車さえ立てればいいと思っているわけではありませんし、風車の建設に反対している人たちの意見を封殺しようなどという不見識な方は一人もいないと思っています。ですから袋叩きにあうなんてことはありません。思ったことは今後もどんどんコメントしてください。

実家のそばに風車が建つことに対する不安というのは、巨大で新しいものに対する漠然とした不安でしょうか、それとも何か具体的な心配事項があるのでしょうか。
また、都合の悪いことを隠す癖のある行政や強権的な建設業界というのは当町における具体的な事例でしょうか、それとも一般論でしょうか。
地元が食い物にされそう、好き勝手にされそうというのは具体的にどういうことでしょう。(質問ばかりですみません)

私はゴルフもやりませんし(始めたいとは思っていますが)、ゴルフ場の建設は大きな環境破壊だと思っていますが、稲取のゴルフ場からは、町や地元区に相当額の地代が入っていますし、ゴルフをする人からはゴルフ場利用税も納税されています。また、雇用という面でも地元に貢献しています。ゴルフ場が無くなることは町にとっても困るのです。これが現実です。
ですから、ゴルフ場を買い取ってそこに風車を建てるという案は・・・・・
それから、浅間山や三筋山とゴルフ場では風況に大きな差があります。おそらく、ゴルフ場に風車を建てても二酸化炭素削減に大きく貢献することはできないでしょう。

このブログにコメントを寄せていただいている方も、もちろん私も東伊豆町に風車が建って個人的に権益を得るということは、これっぽっちもありません。
自分について言えば、風力発電の担当になってからというもの、24時間365日風車の故障や天候のことが頭から離れず、夜中や休日に呼び出されることも少なくありません。(昨晩に続き、今しがたも風車が止まり、役場の宿直当番から電話がありました。)

また、現在進行中の民間事業者の計画も私が町の総合的な調整窓口を務めているので、町の事業ではないとはいっても、風車に反対する方たちのことが新聞記事になったり、新聞折込が入ったりすれば、気も滅入るし、職場の同僚からは貧乏くじを引いて可哀想にというような視線を感じ、余計に消耗します。

しかし、それでも私が現時点で風力発電事業を推進しているのは、地球温暖化と当町の行く末に深刻な危機感を持っているからです。温暖化は今そこにある危機であり、人類の存亡を左右する可能性さえあると思います。2050年までに地球の平均気温が産業革命前の平均気温から2度あがると、35%の種が絶滅するという研究結果もあり、例えば当町の細野高原もその影響を免れることはできません。

また、良くも悪くも東伊豆町は観光業に依存しています。ピーク時190万人あった宿泊客も現在では年間110万人を切っています。私は、この水準は限りなくデッドラインに接近しており、これ以上観光客が減少すれば当町経済は深刻な状況になると考えています。

仮に自分が直接観光産業に携わっていないとしても、親戚や友人、子供の友達の両親などまで見渡せば、自分には無関係などとは言えないでしょう。もしも、破綻するホテルや旅館が増えてくれば、この町から出て行かざるを得ない人たちも出てきます。そうなれば生活だけでなく、今まで築いてきたそれぞれの人間関係さえも壊れてしまう可能性があるのです。

現在ホテルや旅館の経営者の必死の努力にもかかわらず観光客の減少に歯止めがかかっていません。最近では細腕繁盛記で全国区の知名度があった熱川(あたがわ)温泉を正しく読めない人も増えているそうです。
100万人以上の宿泊客が訪れる当町も高速道路や新幹線が発達した今、絶えず情報発信していなければ全国の観光地の中に埋没してしまうのです。
しかし、現在残念ながら当町には情報発信のネタが不足しています。不足しているというのは遠慮した言い方で、はっきり言えばこれといって情報発信する材料が無いというのが実情です。
ウィンドファームが建設されたからといってそれだけで観光客が増えるというような甘い見通しは持っていませんが、チャレンジする価値はあるというのが今の私の立場です。

とにかく、風車の建設に反対したり、不安を持ったりする住民がいるのは当然のことだと思います。私にわかることは答えたいと思いますし、わからないことは勉強したいと考えています。jimopyさんも遠慮無くコメントしてください。