My Home Town(旧風力発電と子育て日記)

観光と風力発電と子育ての日記です。

当日記の内容については風車ファン以外の無断での転載転用を固くお断りします。

移住者にとって大事なのは適度な距離感

2015-07-16 22:18:48 | 独り言
地方版総合戦略を策定中ということもあり、ネットで色々と見て
回っているのだが、やっぱりなということも多い。

例えば、イベントや行事や使役の多い地域は移住者から敬遠され
るというのはよくわかる。

田舎に移住してくる人の中には煩わしい人間関係を嫌う人も多い
だろうし、田舎の人付き合いを好ましいと思っている人もそれは
あくまでも、気が向いたときに気の合う人と付き合いたいという
ことであって、強制的に村社会の付き合いにどっぷりと浸かりた
いという人は少数派だろう。

田舎にずっと住んでいる人にはこういう当たり前の感覚が失われ
ているように思う。大事なのは付かず離れずの適度な距離感だと
いうことを認識した方が良い。
祭りや消防団の付き合いが嫌だという理由で地元を離れる若者が
いることからも明らかだろう。

地方創生 番外編

2015-07-12 19:24:54 | その他の仕事
以下は新聞報道やSNSで見かけた情報を元にした
個人的な感想です。外からはわからない複雑な問
題があるのかもしれませんが、それは知る由も無
いので無視して、今後の地方創生にも関係する一
般論としての感想です。
何も知らない他所の人間に口を出して欲しくない
と気分を悪くする人もいるかもしれませんが、大
事なことなので、簡単にまとめておきたいと思い
ます。

南伊豆町の道の駅で農林水産物の直売所を運営し
ているNPO法人に預金が4,200万円あることが議
論を呼んでいると静岡新聞が報じている。
記事によればこの直売所には約650人の生産者が
納品していて、職員6名が勤務しているらしい。

確かに年間60万円という道の駅の家賃は安すぎる
ように思うけど、事業そのものは田舎の町で稀に
見る成功例だ。行政の下請けのような事ばかりやっ
ているNPO法人が多い中で、創意工夫して儲けて
いるのは本当に立派な事です。
ちなみにNPO法人は非営利という言葉の響きから
儲けてはいけないようなイメージを持つ人が多い
ようですが、それは全くの誤解です。

組織を私物化しているとか、一部の人が儲けてい
るとか、議員が2名潜り込んでいるのが問題だとか
言う人もいるようだけど、不明朗な会計処理でも
していない限り全然問題無いでしょう。
気に入らない人は、自分が理想とする仕組みを別
に立ち上げて競争すれば良いのではないでしょうか。

田舎が衰退しているのは突き詰めていけば儲けら
れないからで、地方創生で一番考えなければなら
ないのは地域がどうやって「稼ぐ」か?というこ
とに尽きると思う。

地域の人全員に恩恵が行き渡る事業なんてあり得な
い。全員平等なんてもはや幻想で、儲けてる人に対
する僻みや嫉妬はむしろ地方を駄目にしていく大き
な原因だとすら思います。

地方創生に必要なのは多少問題があったとしても他
人の成功を「いいね」と言える前向きな雰囲気です。
そうじゃないと次が続かないのではないでしょうか。

地方版総合戦略 その4(教育)

2015-07-08 21:17:15 | その他の仕事
若い世代の移住誘致を考えるととても大事なことの
一つに教育問題があると思う。

移住の特典や首都圏からのアクセスで劣っていても
移住先に選んでもらえるとしたら教育はそのインセ
ンティブになる数少ない要素だろう。

田舎には実質上、小学校受験も中学校受験も無い。
自分は高校受験も受験のうちには入らないとさえ思
う。田舎の子にとっては大学受験が最初で最後の本
当の受験で、この時にいきなり都市部の子供達との
真剣勝負に晒されるのだ。

これは、能力のある子どもにとっては良いことでは
ないと思うが、そういう環境を逆手にとって特徴の
ある教育をすることを考える必要があるのではない
だろうか。

具体的にと言われると難しいのだが、英会話とかプ
ログラミング教育とか、とにかく小中の9年間じっ
くり腰を落ち着けて何か特徴のあることに取り組む
というのはどうだろう。

自分は学校教育については門外漢なので、詳しくは
専門家に考えて欲しいのだが、4人の子どもを学校
に通わせて、最低でも年に1度は参観日にも顔を出
して感じるのは、授業の指導方法や学校行事は40年
前の自分が子どもだった頃と比べてあまり変わって
いないということだ。

原理原則は年月が経っても変わらないのかもしれな
いし、指導方法が確立している証拠なのかもしれな
いのだが、40年前とあまり変化が無いのは正直言っ
て腑に落ちない。

今日、たまたま埼玉県戸田市がベネッセと提携した
というニュースを目にしたが、外部の力を借りるの
も一つの方法だと思うし、戸田市の取り組みには今
後も注目したい。

地域振興の要素として教育が重要だとういうのはど
の自治体も気が付いていることだと思うので、少し
でも早く具体的な取り組みを始めるのが地域間競争
を少しでも有利に進めるためには必要だと思う。

地方版総合戦略 その3(稼ぐ)

2015-07-05 20:13:25 | その他の仕事
移住誘致は人数「量」ではなくてどんな人に移住してほしい
のかという言わば「質」という切り口で考えた方が良いと思う。

自分は地方版総合戦略策定のキーワードは「稼ぐ」だと考えて
いる。行政サービスの質をある程度維持していくためには町と
してどのように「稼ぐ」かという問題と、住民や移住者が生活
していくために「稼ぐ」という二つの「稼ぐ」について考える
必要がある。

町として「稼ぐ」という点ではこれはもう「観光」しか有り得
ない。これについてはまた別途考えたい。
もう一点の個人として「稼ぐ」とういうことについては、これ
を移住誘致と結びつけるべきだと思うのだがどうだろう。
当町は人口は1.3万人しかいないが、宿泊者は年案84万人(泊)
いる。ところが飲食、小売、卸といった業種がこの規模の割に
非常に弱い。つまり新規参入の余地があるということだ。

大きな企業の誘致が難しい以上、小さな経済を自分で回すことの
できる自営業に挑戦する人を応援するべきだし、移住して飲食店
などを開業したいというような人は更に優遇するべきだろう。つ
まり、移住と開業をセットで考えてくれる人を最優先に考えるよ
うにしたい。

少し想像して欲しいのだが、町内にいくつか元気で個性的な店が
できたら街の雰囲気は凄く変わるのではないだろうか。別荘地に
20人の人が移住してくるより、1つ元気な新しい店ができた方が
ずっと地域活性化の原動力になるように思う。
こう書くと別荘地への移住者を歓迎しないのか?とか言う人が出
てきそうだが、ここで言いたいのは全体を底上げするような施策
をとるだけの余裕はもはや行政には無いし、そういうやり方では
他の自治体と差別化を図るのは難しいということだ。

いずれにしても地域活性化といのは総じて経済(稼ぐ)にはどう
したら良いのか?という問題に行き着くはずなので、そこから目
を逸らしてきれいごとばかり言っても何も始まらないと思う。

地方版総合戦力 その2(移住誘致について)

2015-07-04 16:43:57 | その他の仕事
総合戦略策定のポイントとして、現状認識をしっかりする
ことを挙げた。

人口はここ5年で年平均237人ずつ減っている。
税収は年平均で4,700万円ずつ減っている。

当町でも最近空き家バンクを立ち上げた。
空き家を売ったり貸したりしたい人が登録して移住者に活
用してもらおうという取り組みだ。これはこれで必要な取
り組みだが、どれだけ成果をあげられるかは未知数だ。

例えば、空き家バンクの成功例と言われている長野県佐久
市は設立から7年間で300件弱の成約があったそうだ。
随分多いように思うが、佐久市の人口は約10万人なので、
単純に人口1.3万人の当町に人口比で換算すると年間5.6
件ペースということになる。

佐久市は東京から新幹線で1時間20分、車で2時間30分、
東伊豆町は特急で2時間20分、車で3時間10分かかる。
また佐久市は医療体制が充実していることでも有名らしい。
移住者に対する助成制度は双方甲乙つけ難いので、気候が
温暖だという当町の利点が評価されたとしても、佐久市を
大きく上回るような成果を得られるとは考えにくいだろう。

移住者に対する助成制度を充実させることは必要だが、
単に金額を増やすだけでは、ふるさと納税の豪華特典競争
のように、本来の趣旨を逸脱した過当競争に巻き込まれる
だけだ。そもそも、当町には財政的な余裕が無い。

自分は移住者の数を競うのでは無く、どんな人に移住して
もらうのが望ましいかという切り口で取り組むべきだと考
えている。

風力発電事業に携わる三菱重工の技術者の皆さんへ

2015-07-02 21:12:16 | 風車日記
町営風力発電所2号機がもう2ヶ月以上止まっている。
故障は仕方ないが、問題なのは部品が無くて復旧に時間が
かかっているということだ。

風車製造メーカーの三菱重工はこの事態をどのように
受け止めているのだろう。たぶん、何とも思ってないのだ
ろう。

三菱重工が風車を売った時のセールストークは「外国の風
車と違って、故障した時の部品の調達が迅速です。」だっ
たはずなのにこのざまだ。

自分は風車選定時は担当では無かったのだが、担当になっ
て風車は大型化しており、600kWの風車は間も無くカタロ
グから無くなるということを知った。
長崎造船所に風車の工場検査に行ったときにこの点を質問
したところ、「心配しないでください。風車の保守に必要
な部品類は風車がカタログから消えてもしっかり確保しま
す。」と胸を張って(いるように自分には見えた)技術者
が答えた。その技術者の名前も覚えているがここでは伏せ
ておこう。

実際に三菱重工の600kW風車には外国の部品があちこちに
使われていて納期にかなり時間がかかっている。
落雷をうけて遮断機が壊れたときも、部品の調達に数ヶ月
かかると言われ、1000kW風車のものを流用できないか?
と交渉したところ、最初は「物理的な大きさが違うから無
理です。」との回答だったものが、文書で抗議したところ、
「対応を検討したところ、1000kW風車の部品で代用可能
です。」と結論が覆った。

こういう納得のいかないことは自分が担当をしている時も
度々あったのだが、その都度交渉を重ねて改善してきた。

最近ではヴェスタスとの合弁会社が500億円の洋上風車を受
注したとか、7Mの超大型実証機が完成したとか景気の良い
ニュースが聞こえてくる。

今後当町が風車に限らず三菱重工に大きな仕事を発注する可
能性はゼロだろう。そう考えると、600kW風車の保守に労力
を割かないといのは経営上は合理的な判断だろう。

でも風力発電の黎明期から風車に携わってきた三菱重工の技
術者にとって、風が吹いているのに風車が回らない、その原
因が部品が揃わないからというのは恥ずべきことではないの
だろか。

初心を忘れないでほしい。