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My Home Town(旧風力発電と子育て日記)

観光と風力発電と子育ての日記です。

当日記の内容については風車ファン以外の無断での転載転用を固くお断りします。

風力発電事業に携わる三菱重工の技術者の皆さんへ

2015-07-02 21:12:16 | 風車日記
町営風力発電所2号機がもう2ヶ月以上止まっている。
故障は仕方ないが、問題なのは部品が無くて復旧に時間が
かかっているということだ。

風車製造メーカーの三菱重工はこの事態をどのように
受け止めているのだろう。たぶん、何とも思ってないのだ
ろう。

三菱重工が風車を売った時のセールストークは「外国の風
車と違って、故障した時の部品の調達が迅速です。」だっ
たはずなのにこのざまだ。

自分は風車選定時は担当では無かったのだが、担当になっ
て風車は大型化しており、600kWの風車は間も無くカタロ
グから無くなるということを知った。
長崎造船所に風車の工場検査に行ったときにこの点を質問
したところ、「心配しないでください。風車の保守に必要
な部品類は風車がカタログから消えてもしっかり確保しま
す。」と胸を張って(いるように自分には見えた)技術者
が答えた。その技術者の名前も覚えているがここでは伏せ
ておこう。

実際に三菱重工の600kW風車には外国の部品があちこちに
使われていて納期にかなり時間がかかっている。
落雷をうけて遮断機が壊れたときも、部品の調達に数ヶ月
かかると言われ、1000kW風車のものを流用できないか?
と交渉したところ、最初は「物理的な大きさが違うから無
理です。」との回答だったものが、文書で抗議したところ、
「対応を検討したところ、1000kW風車の部品で代用可能
です。」と結論が覆った。

こういう納得のいかないことは自分が担当をしている時も
度々あったのだが、その都度交渉を重ねて改善してきた。

最近ではヴェスタスとの合弁会社が500億円の洋上風車を受
注したとか、7Mの超大型実証機が完成したとか景気の良い
ニュースが聞こえてくる。

今後当町が風車に限らず三菱重工に大きな仕事を発注する可
能性はゼロだろう。そう考えると、600kW風車の保守に労力
を割かないといのは経営上は合理的な判断だろう。

でも風力発電の黎明期から風車に携わってきた三菱重工の技
術者にとって、風が吹いているのに風車が回らない、その原
因が部品が揃わないからというのは恥ずべきことではないの
だろか。

初心を忘れないでほしい。

電力の固定買い取り制度に対する私見

2012-01-08 21:24:57 | 風車日記
一昨日も触れたのですが今年の7月から新エネ電力の固定買い取り制度が始まります。
新設の風力発電についてはkWh当たり20円程度の買い取り価格が予想されている
ようですが、既設の風力発電設備についてはどうなるのかよくわかりません。

中には既設の設備は建設時に補助金の交付を受けているのだから、固定買い取り
制度の対象にするのはおかしい、という意見もあるようです。
補助金申請の際の収支計画で黒字になることを前提としているのだから、今更
上手くいかなかったから更に電気を高く買い取って欲しいというのは虫が良いと
いうことでしょうか。

確かにそれも一理あります。相当いい加減な建て方をしている風車も多いですし、
以前からこのブログでも何回も取り上げていますが、税金から補助金を受けている
にも関わらず情報公開があまりにもなされていないのは大きな問題です。

ただ、当町の風車は自治体風車なので補助率は45%です。厳密に計算したわけでは
ありませんが、順調に20年間運転したとして固定買い取り制度に置き換えるとkWh
当たり15円~16円程度になると思います。

予想される新設風車の固定買い取り価格は20円ですから、簡単に言うと国内での
風力発電に関する知見が蓄積されていない時期にリスクをとってチャレンジした
事業は、いやらしい言い方ですが損をしたことになります。

民間の事業者だと補助率は30%切ってますから、これは厳しいですね。

先行者として有利だった面もあるだろうという反論もあるでしょう。すぐに思いつく
のは風況の良い場所を確保できるチャンスが大きかったのではないか?ということだ
と思います。確かにそういう面はあるはずですが、先に事業に着手したから必ず良い
サイトにたどりつけるというほど単純なものではありません。

さらに、後発者にも理屈の上からは先行者には無いメリットがあったはずです。(その
メリットを生かせていない事業者が多いのは問題ですが。)
風の乱れや落雷による影響や風車の故障や保守に関する知見などはこの10年で随分
蓄積されているわけですから、事業者にその気があればこれから建設する風車は存分
にその知見を生かすことが可能です。これは大きなメリットですし、10年前と比べた
ら風車そのものの性能も向上しているでしょう。

条件に恵まれたサイトで運営する風車を1カ所だけ所有して、そこで黒字を維持して
いくだけであれば電力の買い取り価格はkWh当たり20円未満でも可能だと思いますが、
社員を雇って人材を育成しながら複数のサイトを開発し、事業を継続的に発展させて
いくにはやはり最低20円/kWhの買い取り単価が必要になると思います。
まして、風力発電所建設が環境影響評価法の対象となったことを考えると20円/kWh
は譲れないラインでしょう。

以上は定量的なデーターに基づく考察ではありません。
なぜなら肝心な情報公開がほとんど為されていないからです。
今までは風車建設に対する補助金が税金から支出され、今後は消費者が支払う電気料に
上乗せされる形で国民負担が生じます。
国民には電気を買わないという選択肢は事実上ありませんから、固定買取制度は増税と
同じことです。

再生可能エネルギー事業者にどのような責任が生じるかは言うまでも無いことです。
その責任が果たされるのかをしっかりと見届けることが重要です。


風車誕生日

2011-12-13 23:52:00 | 風車日記
今日で東伊豆町の風力発電所は運転開始から8年経ちました。
この間の設備利用率は25.5%ぐらいだと思うので、まあ素人が立ち上げて運用開始したことを
考えればよく頑張っているのではないでしょうか。

役場を通しての視察見学者も1万人を超えて順調に増えています。発電の成績が良いということ
意外にも色々な面で役に立っていると言っていいでしょう。
町営風車は赤字目前だなんていうデマを流している人もいましたが、将来のエネルギーや温暖化
のことを考えても風力発電の導入は進んでいくことになると思います。
風車嫌いの人にとっては残念なことですが、これは世界的な流れです。

問題が無い訳ではありませんが、克服して再生エネルギーの普及を目指していく必要があると
思います。

これから冬本番で強い西風が吹き出すと担当者は何かと大変ですが頑張ってください。

再生エネルギー法が成立しました

2011-08-27 21:35:17 | 風車日記
昨日、再生可能エネルギーに携わる関係者にとっては長年の
懸案事項だった(悲願と言ってもいいかもしれない)、再生
エネルギー法が成立しました。

これにより何が変わるかですが簡単に言うと、風力や太陽光
などで発電した電気は電力会社が今までより決められた高い
金額で買取らなければいけなくなります。

すると再生可能エネルギーによる発電事業が商売として成り
立つようになり、太陽光、風力、小水力、バイオマスなどの
発電設備の導入が大幅に進む。はず、というシナリオです。

この法律が目的が達成するためには大きく分けて2つの条件
が必要だと思います。
1つ目は電力の買取価格がいくらで期間が何年になるのか?
ということです。風力発電の場合1kWh当たり15円~20円の
買取価格になると言われています。自治体が行う風力発電事
業であれば収支トントンでも良いのでしょうが、私企業であ
れば適切に儲けなければいけません。さらに再生可能エネル
ギーを一定期間に大量導入することを目的とするならば個人
的には15円~20円では厳しいと思います。

自分が事業として(自分の資金で)考えるとしたら15円/kWh
だったら風力発電はやりませんね。設備利用率25%で20円/kWh
だったらやってもいいかな。これくらいないと企業が成長し
ていくのは難しいと思います。1カ所の風力発電事業だけを
成功させれば良いというのであれば話は変わりますが。

2つ目の条件は再生可能エネルギーを受け入れる電力系統の
強化・整備の必要性です。電力を売ろうにも電力会社の系統
に連系できなければまさに絵に描いた餅です。
この話をするとすぐに電力会社が悪者になりますが、そんな
単純な話ではありません。

風が吹くという意味での風力発電の適地は北海道や東北には
まだまだ沢山あります。ただ、需要が無い所では地産地消は
これまた絵に描いた餅です。
電力会社が情報公開をしっかりした上で、日本の電力系統
全体をどう整備するのかという見取り図が無いことには再生
可能エネルギーを大幅に増やすことは難しいでしょう。
もちろん取り敢えず電力事業者間の電力融通の問題を解決
するのが先だとは思いますが。

それから現在、もっとも興味があるのは既設の風力発電施設
が固定買取制度の対象になるのかという点です(笑)。
当町の風力発電も電力の買取価格が15円/kWhになればかなり
楽になるんです。町営なので儲けたいというよりは、自由に
使えるお金が増えるという観点から是非、対象になるといい
なと思います。

夏休み風車見学会の動画が見られます

2011-08-18 22:16:37 | 風車日記
昨日終了した東伊豆町夏休み風車見学会の様子を動画でどうぞ。
higashiizu さんのチャンネル - YouTube

実際には40分近くかかる見学会の超ダイジェスト版ですが雰囲気
は伝わるのではないでしょうか。炎天下で大きな声で話し続ける
担当者はけっこうたいへんです。

昨晩、夜の風力発電所に行った後輩は「風が気持ち良かった」と
言っていました。
本当は風車をライトアップする設備を整備する予定があったの
ですが諸事情により実現していません。夜の風車見学会をやった
ら確実に観光資源になると思います。完全にあきらめたわけでは
ありません。いつか夜の風車見学会をやってみたい。

東伊豆町夏休み風車見学会の参加者は1,292人でした

2011-08-17 21:50:48 | 風車日記
8月3日から15日間に渡り1日2回開催されていた
東伊豆町の夏休み風車見学会が本日終了しました。

担当者から教えてもらったデータによれば、今年の参加者
は大人787人、子供505人の合計1,292人となりました。
今年で7回目だと思いますが過去最高は685人だったので
今年の参加者がいかに多いかわかります。

原発事故の影響で再生可能エネルギーに多くの人の注目
が集まっていることを表していると思います。

参加者の67.4%が東京、神奈川、千葉、埼玉からのお客
さんです。北は岩手から南は宮崎まで1都1府14県から
参加していただきました。

町内を含む静岡県内からの参加者がは26.8%ですから全体
の73.2%の方が県外からの参加者ということになります。

町外への風車見学会の告知は公式には町のホームページだけ
で、その他、当ブログや私のツイートぐらいのものですか
ら、それを考えると随分と多くの人が来てくれたなというの
が率直な感想です。風力発電の担当者は何かとたいへんだった
と思いますが、本望でしょう。

やっと時代が東伊豆町に追いついて来た、というところで
しょうか。(笑)

現在の仕事(観光商工課)の立場から言えば、この風車見
学会を宿泊施設がもっと営業に利用して欲しいと思います。
伊東市のペンションからは風車見学を商品にしたいという
相談があったそうですが、我が子の夏休みの自由研究に頭
を悩ませている親は多いので、宿泊プランにして売れば多少
は家族旅行を拾えると思いませんか?

夏休み中には三島市の子供達が50人ほど風車見学会とは別
に、風車を見学に来てくれたそうです。今後も風車の視察
の予約がいくつか入っているようですが、各種団体等の視
察も1年を通して広く受け入れていますので、地球温暖化
や再生可能エネルギーについて興味のある方は是非、町内
に宿泊して風車を視察してください。

夏休み風車見学会の参加者が500人を突破

2011-08-10 20:32:34 | 風車日記
昨日、ツイッターで繋がった大学生が風車見学会に
参加するために茅ヶ崎から自転車で!やって来ました。

今日は元々、振休を消化する予定だったので、その学生
と一緒にこの夏初めて風車見学会に顔を出してきました。

毎年2週間連続で開催している風車見学会ですが、過去
最高の参加者数685人に対して、今年は1週間ですでに
500人を超える方が参加しているそうです。やはり原発
事故の影響でしょうか。

当町の風車見学会が温暖化問題やエネルギー問題につい
て考えるきっかけを提供できれば、暑い中頑張っている
担当者も本望だと思います。

町内のホテルや旅館も「夏休み自由研究プラン」として
風車見学会を宿泊プランにしてPRすれば、子供の自由
研究に頭を悩ましている保護者の気を引けそうな気がし
ますがどうでしょうか?

夏休み自由研究スペシャル(風車見学会)

2011-07-29 12:42:42 | 風車日記
夏休みの自由研究スペシャルです。

東伊豆町夏休み風車見学会が8月3日(水)から
8月17日(水)まで15日間、1日2回開催されます。
風力発電: お知らせ

毎日午前10時と午後3時の2回。予約は必要ありません。
風車2号機(真ん中の風車)に直接集合してください。

担当者の温暖化や風力発電の説明の後、風車の中に入って
見学できます。その後、風が吹いていて風車が回っていれば
風車を停止させて運転の仕組みを実感してもらいます。

説明会では夏休みの自由研究に役立つ資料と風車の模型を
プレゼントします。
原発事故で再生可能エネルギーに注目が集まる中、絶好の
自由研究の材料を提供します。

所要時間は30分程度ですが、参加者多数の場合は多少時間
がかかる場合もあります。
交通事情などで開始時間に間に合わない場合でも優しい担当者
が個別に対応してくれると思います。(多分)
お気軽にご相談ください。

日本では難しいと言われている風力発電ですが、ちゃんとやれば
専門家のいない自治体がやっても大丈夫だということがわかる
貴重な成功例です。

担当者が対応できない場合は自分が趣味で対応します。(笑)

三菱重工が本気なった?

2011-07-24 14:44:16 | 風車日記
いよいよというところでしょうか。
ただ、国内の風力発電のことも見捨てないで欲しいと思い
ます。(苦笑)

以下長崎新聞の記事です。

三菱重工は、欧州を中心に需要拡大が見込まれる発電用の
「洋上風車」事業に本格参入する。8月以降、陸上風車を
生産している長崎造船所(長崎市)から技術者ら約100
人を段階的に横浜地区に集約。風車事業で現行の長崎、横
浜の国内2拠点態勢を見直し、研究開発から設計、製品化
、営業の各部門を一体化させて事業スピードを高める。
 再生可能な自然エネルギーの風力発電は欧米などを中心
に普及。洋上風車による風力発電の世界市場は今後、英国
などでの巨大事業をけん引役に、大きな伸びが期待されて
いる成長分野。三菱重工は新型の大型洋上風車の開発を加
速させ、5年後をめどに欧州などでの市場投入を目指す。
 拠点態勢の見直しの背景には、本社(東京)や受注に向
けたプロジェクト態勢を図る商社、金融機関などの主要関
係先がある首都圏に人材を集めることで、意思決定を早め、
顧客ニーズに合った機動的な製品開発に結び付ける狙いが
ある。
 三菱重工の風車事業をめぐっては、「陸上」分野で主戦
場の米国市場が伸び悩んでいることに加え、中国や韓国の
メーカーも安値で参入。差別化を図るには、研究開発力や
海洋での発電設備の設置など高度な特殊技術を必要とし、
世界的に参入メーカーが限られている「洋上」分野を事業
の基軸に据えることが最適と判断した。
 長崎造船所の技術者約120人のほとんどが横浜地区に
集約される。長崎では、地元協力会社などとの窓口となる
十数人規模の組織を新設する予定。陸上風車の生産は当面、
長崎でも続ける。
 三菱重工原動機事業本部風車事業部(横浜市)の高山栄
太郎事業部長は、自然エネルギーへの関心の高まりなどか
ら「風車事業は世界的な大競争時代に入った」とし、「世
の中のトレンドや技術動向に即応するため、技術者も営業
企画も一体で差別化できる製品開発に取り組む」と語った。

風車は台風で停止しました

2011-07-21 21:37:35 | 風車日記
昨晩は職場の宿直当番でしたが夜になってから台風の影響
で風が強くなり風車は停止していました。
ただ、台風の前に半年点検は終了して故障していた2号機
風車のヨー制御用のモータも交換したそうなので、風向を
追尾できる状態で台風を迎えることができたのは良かった
です。

半年点検で3機の風車が順次停止していたのですが、その
割には今月も今のところ発電量はまずまずのようです。
8月になると1カ月のうち4割ほどは風待ちで停止すると
思うので風車見学会の際は回っている風車を見られるとは
限りませんが、それでも風車の中は見学できるので、それ
なりに楽しむことができると思います。

自分も子供を連れてお客さんとして風車見学会に1回は参
加するつもりです。