11月23日の当ブログの記事に日本の新エネルギー政策の命運を握る方からコメントが寄せられています。→
風力発電と子育て日記 風力エネルギー利用シンポジウム その2
その他の方からのコメントにも目を通した上でちょっと気になる点について触れてみたいと思います。
まず、系統連系についてですが、この問題の解決無しでは今後の日本の風力発電事業の発展は見込めません。現在の国内風力発電業界の閉塞感の最大の理由はここにあるのではないでしょうか。
電気事業者はこれ以上は入らないといっています。これが本当なのか私にはわかりません。研究者の中には、いやまだまだ入るはずだという方もいます。これ以上の連系は無理だという正確な根拠は開示されているのでしょうか。電力系統は公共財ですから十分な情報開示を希望します。
蓄電池枠や解列枠の実現に関わった方たちの努力を否定するつもりはありませんし、ヨーロッパ大陸との系統の成り立ちの違いは理解しているつもりですが、世界から見たらこれはある意味異常な状態と言えるのではないでしょうか。解列は大規模な洋上風力発電所で例外的に行われている程度でしょうし、蓄電池や関係するシステムの制御の技術開発の実証試験という点では意味があるのかもしれませんが、根本的な問題の解決にはほど遠いと言わざるを得ません。解決には国策としての取り組みが不可欠ではないでしょうか。税金を投入するにしても、電気料金で賄うにしても、国民負担が発生するわけですから、われわれ自治体関係者は世論の合意形成のためにも啓発が重要な仕事になってきます。
と偉そうに言ってはみたものの正直専門的なことは良くわかっておりませんので、詳しい方はフォロー願います。
次に風車の大型化の問題ですが、2005年の国別の導入風車の1機あたりの平均容量は中国897kw、デンマーク1,381kw、ドイツ1,634kw、インド781kw、スペイン1,105kw、スウェーデン1,126kw、イギリス2,172kw、米国1,466kw、日本1,344kwとなっています。イギリスで風車の大型化が顕著なのは洋上風車の導入が原因でしょう。平坦でなおかつ、国土が狭いドイツでさえ(国土が狭くて平坦であればもっと大きな風車が導入されてもおかしくないのでは?という意味です)1,634kwですから、平均するとイメージほど風車の大型化は進んでいないという印象です。日本の場合昨年は三菱の1M機が相当のシェアを獲得したにも関わらず、平均で1,344kwということは三菱以外の風車だけをとると相当急激に大型化が進んだと言えるのではないでしょうか。
国内ではまもなく南あわじ市で2.5M風車が運開し今後は3M風車の案件も補助採択を受けているようですが、果たして大丈夫でしょうか。
大型風車の登場から間もないという信頼性の問題もありますし、ランドスケールからくる日本人の感性の点からも日本の陸上に建てる風車は2M以下ぐらいが適当ではないでしょうか。これはまったくの個人的な感覚ですが。
それから小型風車については、独立電源が必要になるような僻地は別としてそれ以外ではなかなか難しいのではないでしょうか。住宅地で十分は発電量を得るというのは至難の業ですし、風が十分吹く場所には大型風車を建てるべきでしょう。
我が家は目の前が海なので塩害の影響から太陽光発電は難しいように思うので、個人的にはゼファーの1kw機に非常に心惹かれているのですが。もうちょっと安ければなあー。