この間観た宮沢りえちゃんの「人形の家」の戯曲です。
訳者は矢崎源九郎さん。
『人形の家』って、1879年に執筆されたんですって、
100年以上も前だから、今の感覚だと古いと思ってもあたりまえね。
読んでいくと、りえちゃんの姿がよみがえってきて、
なんだかうれしい。
舞台の台本は、徐賀世子さん訳だけど、この矢崎さんのとほとんど同じ。
ノラのセリフって本当に多い。
ずっと舞台にいるしね。
今ごろなんだけど、すっごく大変だったんですね。
気がついたけど、ノラって家を出て、
その夜はクリスチーナのところで泊めてもらうって言ってます。
それで、その後は実家に行くそうだから、
親頼りで自分の力じゃないですね。
ヘルメルのセリフのように、
「無鉄砲な世間知らずの女」じゃない?
なんか、エラソーにヘルメルに啖呵をきったけど、結局親掛かりかい。
クリスチーナの方が、自分の勤務先をちゃーんと探して、
よっぽど自立してますよ。
いやいや、今ごろ蒸し返しても、仕方ないんですけど・・・
訳者の矢崎さんのあとがきによると、
イプセンが『人形の家』を発表した当時も賛否両論が起こり、
イプセンは、ノラが家を出ないバージョンの
『幽霊』を発表。
これは、主人公アルヴィング夫人の悲劇的な話だそう。
この『幽霊』が攻撃されると、そのつぎは、
『民衆の敵』というので反論、したそう。
イプセンって、かなり熱~い人だったんだ。
なるほどね。
来年公演される『ちっちゃなエイヨルフ』は、晩年の作で、
「澄みきった味わいがある」そう。
はい、こちらも楽しみで~す