エネルギーは
必要なときに
訪れる
パタパタパタ
足音をならす
花いちもんめ
遺伝子が
ささやく
あの子がほしい
あの子じゃわからん
「ひとりでカラカサさしてゆく」
江國香織 著
つぶやきたくなるタイトルから中身へ。
はじまりは80代の3人の猟銃自殺。
衝撃のはじまりとは裏腹に、
鳥たちが囀る。
3人の少しの景色を織り交ぜながら、
主に語られるのは残された者たちのその後の日常。
残された者たちは日常の生活に死を想う、
メメントモリがそばで何かを語らせる。
時代背景はいまのこの新型コロナ。
身近になってこそ実感する鳥肌。
江國香織の言葉は立ち方に寄る辺する。
ひとりでカラカサさしていく。
ウイルスが世界を覆う。
そして戦争がおこった。
どれだけ身近になれるだろうか。
日常の生活に入り込むひとつの真実。
世の中のひとつの流木。
言葉からみえる、また見えたものから言葉に。