ひとりでカラカサさしていく 2022-02-27 22:39:06 | マイブック(あ) 「ひとりでカラカサさしてゆく」 江國香織 著つぶやきたくなるタイトルから中身へ。はじまりは80代の3人の猟銃自殺。衝撃のはじまりとは裏腹に、鳥たちが囀る。3人の少しの景色を織り交ぜながら、主に語られるのは残された者たちのその後の日常。残された者たちは日常の生活に死を想う、メメントモリがそばで何かを語らせる。時代背景はいまのこの新型コロナ。身近になってこそ実感する鳥肌。江國香織の言葉は立ち方に寄る辺する。ひとりでカラカサさしていく。ウイルスが世界を覆う。そして戦争がおこった。どれだけ身近になれるだろうか。日常の生活に入り込むひとつの真実。世の中のひとつの流木。言葉からみえる、また見えたものから言葉に。