余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

ラプソディ

2022-02-23 22:16:18 | 天秤の詩
恋ができる僕たちは
なんてこんなに幸せに
満ちあふれているのだろう
時には溺れてしまう
僕らはかわいい動物だ
孤独でほほえましい変態だ
美しい恋する動物だ
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わすれもの

2022-02-23 22:15:19 | 天秤の詩
何かを忘れてきたらしい
心をふきぬける孤独は
いつになってもやむことはない
気温も体温も
世界観をおおうのは
自然がおくる音
カエルの大音
セミの大音
雨の大音
木々の大音
鳥の大音
張り裂ける耳鳴りは
自然驚異を認識させ
心の穴は叫んでいる
届かない自身に向かって
繰り返される苦悩の大音は
狂い散る花びらとなり
皮膚はびりりと剥がれ落ちる

わすれもの
失われた何かは
何かであることを分からせてはもらえず
充たされることを望みながら
充たされるすべを知らない

心の穴
穴は受け与えられるものを入れるが
凍えていく指先を温めることはできずに
瞳の奥は行き場を彷徨う
呼吸は意識するほど苦しくなる

迷子の迷子の
迷路は光を遮り
暗闇の中手探りをする
疑うのは出口のその後
疑心暗鬼は
口の中をカラカラにし
瞳をギラギラ濁らせる

絶望って一体
失望が正しいの?
自身でおこなう会話
忘れたものはみつからない

空っぽ
立ち尽くし思い浮かべたものは
一人の存在
さがしものはなんだったのか
音、匂い、感触、味、色、
一つ一つを大切に味わう

よりかかりたい
あなたを求めたい
それでも
求めてはいけない
あなたの時間を奪ってはいけない
こわいのはなぜ

あなたにふれたい
あなたにふれたい
あなたの未来を遮ってはいけない

この一瞬だけでも
この瞬間だけでも
僕はあなたを求めたい
あなたの肌に
あなたの記憶に
あなたの冷たさに
僕の痛みを刻みたい
あなたを悩ませたくない
あなたを苦しめたい
愛憎の表裏が僕を苦しめる
あなたの幸せを望みながら
僕の想いを織り交ぜながら
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追い風

2022-02-23 22:14:15 | 天秤の詩
おもいたった僕は走りだした
眼もくれず
眼をくれちゃいけない
変化していく空を追いかけて
絶対的な確信なんかない
わだかまりなんて抱えたまま

それでも何かが僕を押す
勢いありすぎる衝動は
絡まる足がころがる
ひざをすりむき
支えた手もずるむき
どこへ行こうとしているのか
そんなことは僕にもわからない
知っているのはきっと
過去の俗物かもしれない

散らばった数字を探す
口に入れて味を確かめる
痛みはやがて赤くなり
滑稽な生き物になる
浮き出てくる数字は
むちゃくちゃな順序をあしらえて
108個をふれていく
ふれるこわさをなだめて
僕は空を追いかける
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れんしゅう

2022-02-23 22:12:45 | 写真の扉の詩
みんなと一緒に笑いたい
素直にお日様みたいに笑いたい
鏡を見ながら練習するの
お日様みたいな笑顔になるよう
本当はそんなことどうでもいいから
みんなと一緒に笑いたい
みんなと一緒に泣いてみたい
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