余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

ぽこぽこ

2022-02-13 23:00:59 | 水声の詩
君にはもうふれられない
幻影でつくった君は
指の間からこぼれていくだけ
洞穴に
卵をぽこぽこ落としていく
白くて丸くて小さい
それは僕の分身
ふれるとわれてなくなる卵
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ハマナス

2022-02-13 23:00:11 | 水声の詩
ハマナスの花がたそがれて
海で暮らす風が
少年と少女を取り残す

少女は貝殻を取りにいき
少年は帰らない少女を待っていた
少年は海を見ていた
鷲と出会う
いつもの止まり木に悠然と
遠くを見る眼差し
少年と鷲
わかりあえない二つの個体は
いつまでも年をとることはなかった
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真面目なナマケモノ

2022-02-13 22:58:47 | 水声の詩
君のことだけ考えて生きられたら
どんなに幸せなんだろう
僕はまじめななまけもの
だから君だけを見ていたい
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雨粒が教えてくれたもの

2022-02-13 22:57:31 | 写真の扉の詩
これは神様が僕にくれた
奇跡の出会いなのかもしれない
こうして一人でいるとき
君を想える

君の肌の温もりは
やがて僕の肌から消えるけど
一人雨を眺めている
そんな僕は君を想う

空の向こうに話しかけて
君を忘れようともしたけれど
今の僕は君を想う

苦しく 切なく 寂しく
どうしようもない想いは
君に出会わなければと
つぶやいたけれど

君に出会えたから僕はそう
一人じゃないんだ

出会っていなければ
もっと大きな虚空に入り
明るい空さえ見えなくなる
鏡うつしのユメの奇蹟

そうこれは
神様がくれた
たった一つのおくりもの
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猫がとおる

2022-02-13 22:46:42 | レターの膜(短歌)
猫がとおる
いつもいつでも
寂しくて
ずるくリンゴを
花に変えゆく
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