余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

正直な

2021-07-31 23:24:15 | ウイルス時代(短歌)
正直な
言葉で過ごす
いつまでも
きれいでいたい
きれいの意味で
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汚れてた

2021-07-30 22:10:28 | ウイルス時代(短歌)
汚れてた
手を丹念に
石鹸で
器用に洗う
きれいに誓う
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昨日がなければ明日もない

2021-07-28 23:27:59 | マイブック(ま)
「昨日がなければ明日もない」
      宮部みゆき 著

イギリスにアガサ・クリスティーがいれば、
日本は宮部みゆき、
僕はそう思うのだ。
さて、杉村三郎。
シリーズである。
杉村探偵が三篇の事件を手掛ける。
杉村は寄り添う。
どう寄り添うのか。
痛みをそっと包み込むように。
一話目は集団の持つ暗黒。
集団はときにあまりにも残酷になりえる。
二話目は手品のように二転三転。
三話目は離せはしないもの。
手放すことができないもの。
永久のミクロの世界。
読了後は物悲しい風が景色を響かせる。


最近は情報がおかしな方向へ向かっている気がしてならない。
今も昔もなのか。
自身の許容範囲をこえてしまっているのか。
すこし遮断し、
ひとはうまれそだちいきて、おい、
しをむかえる。
獲得していくものは花鳥風月のような流れを、
孤独と孤独が手をつなぐ生きもの。
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香水

2021-07-28 22:55:42 | 十五の詩
無作為に搾取した
種はとりあえず食べておく
いずれこの体は花を育てるだろう
色とりどりの花びら
花の香りをビンにつめ
一つしかない香水をつくろう
おちていく花びらは
道中のじゅうたん
花の神フローラの
花びらをひとつゆずってもらおう
春が頬を撫でれば
美の女神も祝福してくれる
三美神は輪をつくり
奇跡の花をつくるだろう
美しさをみせる花も
枯れていくのはとめられず
その儚く散りゆく花の根は
種を宿し
残っている香水を手首に
秋の夢をまとい
麗らかな食事をする
雲の切れ間から射す光が
頭をかぶるベールをとる
漂泊の蕾が花開き
遅めに起きた朝をむかえる
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息をはく

2021-07-28 22:52:17 | 十五の詩
季節の移ろいは艶やかに
ひとつ息を吐けば色を出し
ひとつ息を吸えば匂いと味を取り込む
(名前)
天地がないている
ひざまずき おえつをもらし
足元はさだまらず 目はうつろに
声はなく 耳をあかくそめあげて
(ないている・・・)
おもちゃ箱 ガラクタ山場 お化け屋敷
色濃くうつしだされた物体は
返事をかえすことはなく
無数の数字が飛び交っている
存在意義のあやうさに
ひょいと飛び乗る死刑台
勘違いだらけの世の末に
賛否両論が木霊する
雨が降る 雪が降る 雹が降る 雷が鳴る
見事な崖から見下ろせば
上下乱舞と風をうける鳥達
無残に千切れた哲学思想に
目眩が白目をかもしだす
いずれ壊れゆく身体の脆さに
手の指が意識の彼方で動力する
過去の海がある
デジャヴは過去の遺物
知らずについた爪痕に
反響していたものがトグロする
ひめやかに行われた遊戯は
静かに終わりを告げる
唇の柔らかさをいとおしく
触れながら誰ともしらず
自我の表明
俺はせっけんが好みだった
好みで決めるとしよう
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