余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

挨拶で

2022-02-17 22:49:06 | 綾取りの塔(短歌)
挨拶で
かわすことば
最初の魔法
手をふり首を
かしげてみる

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鬼ごっこ

2022-02-17 22:48:00 | レターの膜(短歌)
鬼ごっこ
追いかけてみる
そうして
裂けそうなこの
破れ目を縫う
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もう生まれたくない

2022-02-17 22:47:12 | マイブック(な)
「もう生まれたくない」
      長嶋有 著

この小説は死の物語だ。
死をテーマに物語っている。
けれど直接的ではない。
テレビに新聞にネットにラジオで見聞きする、
有名人のまたは事故のあらゆる死。
その死は少しの感傷を促したあと、日常へと帰依する。
さあ死とはなんだろうか。
読み終わった後にタイトルへと帰るのだろう。
異化から見た風景はまなざしを開けて、閉じて、
死へとつながる。
死はどれほど身近にあるのだろうか。
事故の描写の両方の視点、
おもう二つの視線。
死は繋がっていく、連続の表裏。
”三の隣は五号室”のようなつながりが、
死と少しく同調し今の時代に合わさっていく。


死を間接に見る聞くたびによぎる、
つるりとした表面の記事の裏側の生活。
そして通り過ぎていく。
新型コロナという時代の毎日の感染者、重傷者、
死者という数字の淡々とした羅列に、
違和感を混ぜ合わせて生きる死を見詰めざるをえない。
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