「ディフェンス」
V・ナボコフ 著
若島正 訳
チェスの物語。
ディフェンスとはチェスの戦法のこと。
ひとつの才能を持った男、ルージンの幼少から終わりまで。
ひとつの才能しか持たなかった、いや持てなかったルージン。
この小説の終わりは自らの死で終わる、
結末を知ってもこの本の面白さは損なわれず。
チェスというものに呑まれる業、そこに蔓延る美しき枡目。
将棋、囲碁と共になぜか魅了される孤高の盤上。
好きになるという天性があり、そこは光で覆われる。
ときに眩暈として眩みながら。
ちなみにナボコフは”ロリータ”を執筆。