余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

またひとつ

2023-01-31 00:50:17 | レターの膜(短歌)
またひとつ
またひとつと
つまみぐい
いいこわるいこ
わたしのあしあと
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すこやかに

2023-01-30 01:55:05 | レターの膜(短歌)
すこやかに
眠りたくなる
あるときの
君の香りに
包まれながら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

罪の余白

2023-01-30 01:52:40 | マイブック(あ)
「罪の余白」
    芦沢央 著

この小説はいじめが主題となっている。
それぞれの視点から書かれ、
被害者、加害者、遺族、寄り添うひと。
安藤加奈は転落死をする。
その知らせを知った父は愕然とし、
どうしてと、遺族は理由に取り残される。
罪はだれしにも訪れる。
加害者に、そして遺族に。
罪は消し去れはしない。
時の流れにたゆたいながら、自身の死までを共にする。
罪を自覚することはとてもつらい。
罪には罰を、罰には罪を。
当事者ではなく、触れたあるいは触れてしまったものはどうだろうか、
最近とみに考える。
旭川のいじめの問題しかり。
他者でしかありえないという自己愛の変容が、
覆われている社会という囲い。
囲われ、法というもとに世間というまた一つの囲いが、
口を開けた中で密談をしている。
原罪の果てに吹かれた花びらを見つけられたら。
ミステリーはなぜ読みやすいのだろう。
ふと、のように読めてしまった。
芦沢央の小説だからともおもう。


覚え書
人と会うことの暴力性、そんな言葉があった。
とても印象に残っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

思い切り

2023-01-29 00:42:17 | レターの膜(短歌)
思い切り
ぐつぐつの鍋を
かき混ぜる
火傷の痕は
だしそびれて
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

授乳

2023-01-29 00:39:16 | マイブック(ま)
「授乳」
      村田沙耶香 著

三編のどれも”わたし”の独自の世界観でおおわれている。
授乳の家庭教師とわたし、コイビトのぬいぐるみとわたし、
御伽の部屋の正男おねえちゃんとわたしと要二。
世界観は性と連結しており、多様のなかを泳ぎながら溺れる。
気付きは何をもたらすのか、そもそも気付きとはなんなのか。
わたしはわたしや、わたしとあなたのその意味。
あなたはあなたとして見てしまえば、それは途切れた夢想となり、
世界は一方通行で閉ざされていく。
世界に光はなくなり、深閑としただけの物語が存在する。
誰も語ることのないそれは土に帰るだけのものとなり、
世界は名だけとなっていく。


覚え書
言葉の意味は知れど文字をおうごとに訪れる光景、
景色、匂い、目視、耳触り、肌触りで起こる感情ごとは
少しだけの練習が必要となる。
周りの環境いかんで文字はすべってばかりいく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする