余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

鬼ごっこ

2021-06-29 23:55:07 | 写真の扉の詩
誰か私を救い出して
もがき続けたものなんて
強がりはどこにも届かない

わからなくなる空色さえ
金網の向こうから見る景色

両足は行く先さえ知らないのに
歩き始める
感情ってなんだっけ

どこに落ちてるもの
溢れかえる周りの言葉の羅列は
私を俯き塞ぎ込ませる
爪痕が肌を腫れ上がらせて
孤独を覆うあやふやな瞳
瞳は何もうつしはしない
周りは明るい暗闇ばかり
早く私をつかまえてほしい
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破片

2021-06-29 23:51:59 | 写真の扉の詩
心の中に残っている
たった一つの光は
泪という湿り気で
生命の灯火をかろうじて
立たせている
存在という呪縛は
横たわる


掟の水面と時の源
外れた道は
奇妙な美しさを見せる
マヤカシの甘美の手つきで


もう一度あなたと共にしたい
窮地な夜明けは心を裸にする
一途な墜落
閉じた悲しみは
潜めて壁に貼りつく


丸まっていく裸体
鎮まらぬ疼き
暴走しそうになる逆様の針
飛び出てきた世界は
僕とあなたを残して
あとは街の名残りが
色褪せるだけ


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マルサンカクシカク

2021-06-29 23:47:31 | 写真の扉の詩
僕の中には何もなく
歩んできたのは偽物の偽善者
だったらどこに真実が
何を否定すれば
何を肯定すれば
一体救われるというのか
腹の虫が増殖する

平和をうたうのは
 愛されたいから
  愛したいから
なのに世界を閉塞していく

うそつきという声が
どこからともなく響いてくる
目の前にそれはあったはずなのに
模倣は誰でもなく僕になり
誰か僕に手の温もりを

あなたの真実の言葉さえ
夕闇の中へ消えていく
美談にはなりもしない虚実の中
あの頃の出会いの景色だけが
蜃気楼のように浮かび上がる
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あかいほし

2021-06-29 23:38:27 | 十五の詩
こんなに強い風の日は
どこまででも飛んでいきそう
飛びたいなんて思わない
でも強い風に飛ばされる
僕の孤独
軽すぎる心はあの星まで
ばくはつすんぜんの赤い星まで
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ぽつぽつ

2021-06-29 23:29:45 | ウイルス時代(短歌)
ぽつぽつ
雨が降っても
傘が無く
傷痕の目で
せめぎあっている
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