余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

シュレディンガーの哲学する猫

2024-10-01 00:13:57 | マイブック(た)
「シュレディンガーの哲学する猫」
      竹内薫+竹内さなみ 著

哲学とはなんだろうか。
手始めとして、指先に触れることとして、
手掛かりとなってくれる本のひとつ。
ウィトゲンシュタイン、サルトル、ハイデガー、ニーチェ、小林秀雄等。
物語のようにかるく読み進められる。
猫と話しをする主人公。
存在とは人間とは言葉とは。
答えのない問いを追い求め、なおさらに問い続ける。
愛とは永遠とは深遠とは。
知ることは気付くこと。
気付けば触れられる、目に映る鏡を。
鏡のような愛するものを。
人は哲学する、
未来はどちらにも転がっている。
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サキの忘れ物

2024-07-22 01:11:36 | マイブック(た)
「サキの忘れ物」
      津村記久子 著

津村記久子の作品は身近に、とても身近に感じる。
どこか、経験したことはないであろうことも、
経験したかのように寄り添う、そういう短編集。
この本にはゲームブックがのっている。
すごくなつかしい。
中学生の頃?いや高校?か、
記憶がよみがえり振り向いていた。
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私のことならほっといて

2024-04-07 23:03:02 | マイブック(た)
「私のことならほっといて」
      田中兆子 著

読みごたえ抜群だった。
7つの短篇はエロスに満ちながら、
なまめかしさの秘密をまとっている。
その秘密には鍵がかかっていて、
誰も見ていないか確かめた後にそっと開けて見てしまう。
そんなドキドキ感がどの短編にもある。
触れられる夢の欠けらによって、
現実との境界線で脚がもたげている。
そう家には夫の左脚があると。
そして夫の左脚と格闘する。
田中兆子に魅了される。
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首里の馬

2024-04-01 00:44:30 | マイブック(た)
「首里の馬」
      高山羽根子 著

独特な世界が広がっている。
タイトルの首里の馬のとおり舞台は沖縄である。
主人公の名は未名子。
子供のころから通っている郷土資料館で分類をして過ごしている。
そして仕事は問読者(トイヨミ)。
パソコンでつながった向こう側の人にクイズを出すのが仕事。
クイズという会話で相手とつながる。
それは抱える孤独を癒す行為といて。
この物語の独特な世界観は孤独の淡さがまとっている、
それぞれの登場人物の空気のような気がしている。
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これは水です

2024-03-06 00:58:51 | マイブック(た)
「これは水です」
      デヴィッド・フォスター・ウォレス 著
                  阿部重夫 訳

著者は自殺している。
その三年前にオハイオ州で卒業生に贈った言葉、
ケニオン・カレッジでスピーチしたもの。
少年時代はテニス選手で、そこから数学そして作家へとなる。
伝えること、伝えたいこと、
そして伝わるもの、伝わっていくこと。

副題は
思いやりのある生き方について、
大切な機会に少し考えてみたことである。

胸を打ち、そのあとに考えてみる。
水についてを。
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