余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

アルマジロの手

2024-07-22 01:00:07 | マイブック(あ)
「アルマジロの手」
      宇能鴻一郎 著

会いたさ、そして抱きたさ。
ふたつの思いが交差する短編集。
アイロニーの色濃く、月はカタチを変えていく。
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姫君を喰う話

2024-05-17 23:50:47 | マイブック(あ)
「姫君を喰う話」
      宇能鴻一郎 著

著者は芥川賞をとった後に官能小説の大家となった人である。
この本の短編集はエロティシズムに満ち溢れている。
いや、まだよんだことのないものも含めてそのような気がしてくる。
著者の眼差しが官能によって生と死を物語らせて、美醜を発露していく。
性もまた人間にとっての重要なもののひとつであること。
生き物にとって必要なことのひとつであること。
賞をとった鯨神もまた、生の輝き、向かい合う死、性の色彩。
巨鯨との死闘によってあらわされる。
姫君を喰う話、鯨神、花魁小桜の足、西洋祈りの女、
ズロース挽歌、リソペディオンの呪い。
人間世界の神話として。
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深い河

2024-05-07 23:12:42 | マイブック(あ)
「深い河」
      遠藤周作 著

それぞれに何かを負った人たちがインドへと向かう。
ガンジス河へと。
想いを見詰めながら、そして出逢いを巡りながら。
産まれ、生きて、死んでいく。
その生命の営みを再びにと感じていく。
もう一つの視点は神の存在。
神とはなんであるか、信じるもの。
愛とはなんであるか、生きること。
救われるもの、夢の境地、わたしは生きている、と。
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生き上手 死に上手

2024-04-27 23:08:57 | マイブック(あ)
「生き上手 死に上手」
      遠藤周作 著

生きること、死ぬこと。
死ぬときは死ぬがよし。
そんな心を持てたならと、死をおもうこと。
ふと現れる死の存在。
災害、戦争、病気、事故、など。
身近な人の、そして自身の。
人生とはと問わずにはいられない。
記憶を織り交ぜていきながら、
言葉によって寄り添ってくれている。
そして生きることへと繋がっていく。
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「自分の木」の下で

2024-04-07 22:36:09 | マイブック(あ)
「「自分の木」の下で」
      大江健三郎 著

背筋が伸びる。
ピーンと、すっと。
子どものために書いた大江健三郎のエッセイ。
著者の本に接したのはこれがはじめて。
なぜこれまで触れてこなかったのだろうと思い、
悔やむくらいだった。
優しい言葉で、子供がする疑問に思うような問いに答えていく。
たとえばなぜ学校に行かねばならないのかや、
どうして生きてきたのですか?、どんな人になりたかったかなど。
触れた問いに過去の記憶を蘇らせながら。
そして家族に包まれながら。
思いと想いがたくさんに詰まっている。
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