考える人 2025-04-12 23:03:18 | マイブック(あ) 「考える人」 池田晶子 著オラクル(口伝)西洋哲学。様々な哲学を語る。哲学とはなんであろうか。考えるとはなんだろうか。何を思考するのだろうか。人間とはなにものであるのだろうか。西洋からはじまる哲学というもの。ヘーゲル、マルクス、ハイデガー、フーコー、デリダ、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ニーチェ、ウィトゲンシュタイン、デカルト、スピノザ、カント。人間を思考する。考えていく。わかり、わからない。そんな問いを降り積もらせながら。
性的人間 2024-10-23 23:08:31 | マイブック(あ) 「性的人間」 大江健三郎 著性の観点から人間を見詰める。Jという男。妻に自殺された男の見詰めるもの。痴漢という行為により、欲望とともに破滅を追い求める。セブンティーンの男。自瀆(じとく)という快楽でしか慰められない心を、もって行き場のない精神のいき場を自身の性器に向ける。やがて男は政治へと陶酔していく。右へと。猿と暮らす男。部屋の四隅にいる猿。男は猿に見詰められるため、自由に過ごすことができず・・。それぞれの男たちは揺さぶられ揺すられて生きている。性をあいだに挟みながら。
個人的な体験 2024-10-15 23:08:52 | マイブック(あ) 「個人的な体験」 大江健三郎 著主人公の名はバード。あだ名、鳥(バード)と呼ばれている。そのバードに子供が生まれるのだが、障害があった。シャム双生児のような頭に腫瘍がある。もう一つの頭のような大きな瘤。バードはこの子をどうすればいいのか、思考の渦へと吞み込まれていく。この子のため、あるいは自身のため、死へと導いていくのがいいのではないかと。問いかけ続ける先の答えとは。そしてバードがだした結論は。著者自身、障害の持つ子の親として書くひとつの物語。生を見詰めて。
わが蒸発始末記 2024-09-21 22:44:49 | マイブック(あ) 「わが蒸発始末記」 井上ひさし 著可笑しさの中にひそむ真実。おもしろく読み進める中に、ふと止まり考えてしまうことが含まれている。井上ひさし、うーむである。
灰の劇場 2024-09-04 22:55:07 | マイブック(あ) 「灰の劇場」 恩田陸 著小説である。私小説のようであり、フィクションのようであり、ノンフィクションのようである。作家自身が見た新聞の小さな記事。一緒に暮らしていた二人の女性が橋から飛び降りたという記事。その記事はなぜか心にずっと残っている。そこから生まれた小説。事実と虚構と創作と相まみれるそこは劇場となる。