余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

物語のなかとそと

2021-03-30 22:45:03 | マイブック(あ)
「物語のなかとそと」
      江國香織 著

エッセイとかちょっとの掌編とか
エッセイとか。
少女と女といっしょくたん。
いたりするおとぎの国。
それはおとぎの国の円のなか。
円はもしかしたら重なる部分があって、
物語を与えてくれる。
広大な冬の草原を倒れながら歩いたり、
買った靴を家の中ではいて歩いたり、
わたしがわたしを歩いている。
散歩して言葉を拾う。
胸に抱えたり、抱っこしたり、
いっしょに寝てみたり、物語はわたしを歩む。
ときどき見詰めて。

ぼくもお酒が好きだ。
アルコールに弱いけれど、
とてもお酒が好きだ。
もうちょっと飲めたらなあ。
そしてもうちょっと大食漢だったらなあ。
夕焼けはだれのなかにも存在していた。
見惚れて、佇って、でもすこしだけ淋しくなって。
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自覚をし

2021-03-30 00:40:11 | ウイルス時代(短歌)
自覚をし
いまよりも
自覚をし
まっしろな大地に
あしあとのこす
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矛盾を

2021-03-30 00:37:01 | ウイルス時代(短歌)
矛盾をはなす
考えをはなし
おもいをはなす
気持ちをはなすまで
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本屋さんで

2021-03-30 00:20:49 | リンゴのいろ(短歌)
本屋さんで
目移りする
いいんです
私に合うの
匂いと肌の
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記憶

2021-03-30 00:13:54 | 天秤の詩
記憶の中のいくつかの断片が
おかしな順序でつながっていく
あるはずのない物語が
拾ってきた思い出をあてはめて
おもわぬところに脚色をつけ
強烈で目の覚める一場面の情景を
生み出していく
思い描けば感動的で息のつまる
手を伸ばせば触れることができて
景色には温度がちゃんとあり
体験していないはずの出来事が
デジャブのように感じられる
曖昧模糊とした憂鬱がそうさせるのか
または色鮮やかな花吹雪がそうさせるのか
眠りの中の夢の世界
体のどこかにある色とりどりの感情や想いは
辿り着いた記憶によって起こされる
喜怒哀楽は揺りかごに揺られ
眠りの中で待っている
呆れるほどの花束を抱きかかえ
周りから見ればおかしなほどの歩き方
恋焦がれた人に会いたい
そんな気持ちにも似た心は
足をおとぎの国に変える
けれども頼りない手は色を摑み損ねる
そして淡い記憶がまた出来上がる
意味深げな記憶を一つ取り出し
今度は自覚の中で落書きする
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