「中空構造の深層」
河合隼雄 著
とても興味深かった。
日本人の心の有り様を神話「古事記」により分析する。
西欧と比較しながら思考していく。
むかしから伝わる神話や昔話は、
今現在の私たちの心の深層に根差し続けている。
それは宗教にも通じるだろう。
日本の神話にはこんな構造があるという。
イザナミ、イザナギの子、
アマテラス、ツクヨミ、スサノオの三神のうちツクヨミだけが
物語として語られない。
またニニギとコノハナサクヤヒメの三人の子のうち、
真ん中の子の物語は語られず、その有り様が
日本人における深層にある軸が中空、無であるという。
時代によって置き換わっていく。
物語は心を寿ぎ、時間軸、空間軸となっていく。