栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

紅蓮の如き怒りに似る櫨紅葉

2013-12-06 17:48:02 | 視点
 夕陽を浴び、それでなくても赤く紅葉した櫨の葉がなお一層赤く、まるで怒りに似た紅蓮の炎を燃やしているように見える。
いや、怒りに似たではなく、怒りそのものである。
激しい怒りで身を真っ赤に染めているのだ。
暴挙という他ない。
まだ東北の震災復興も進んでないのに、それより特定秘密保護法案を優先する安倍内閣とは何なのか。
なぜ、全てをさておいてでも優先しなければならないのか。
何を目指しているのか。

 成長戦略策定を優先するはずだった今国会がいつの間にやら秘密保護法案優先国会になってしまった。
経済成長より優先して保護しなければならない「秘密」とは何だろう。
そう尋ねれば「秘密はありません」と答えるに違いない。
「利益供与を図ったことはありません」
ここ数日、何度も同じ返事をしている猪瀬都知事と同じように。
彼は都知事になってまだ3か月。
たしかに5000万円「借りた」からとて、彼が言うようにまだ「お返し」はしてないかもしれない。
それはあくまで「まだしていない」というだけだ。
これからしようと思っていた矢先に、彼の秘密が先に暴露され、現時点ではまだだっただけではないのか。
つい、そう思ってしまう。

 都知事の「秘密」とは比べものにならないくらい大きな「秘密」を、今後、安倍内閣は持とうとしているのではないか。
それを暴露されたら困るから、法律を先に作って、リークしたり、暴露する人間を拘束できるようにしようと目論んでいるに違いない。
そう思えてならない。
小首を傾げながら、三白眼で喋るあの男の存在も気になる。

 いま世界中で危険なのは先の大戦を経験してない連中が権力の中枢に座っていることだ。
日本でも中国でも北朝鮮、韓国、米国でも。
所持している兵器を一度試してみたいと考えている人間がなかにはいるかもしれない。
核兵器のボタンまでは押さなくても、戦闘機を飛ばし局地戦程度はやってみたい、と。
なんとも危険極まりないが、そういう将来に備えて法整備を着々と進めようとしている、と考えるのは私だけだろうか。

 自民党に圧倒的な議席を与えた人々はいま少し後悔しているだろうか。
大いに後悔して欲しい。
どちらの政権にしても圧倒的な過半数の議席を与えることは危険だということを。
これからは世論も政権の思うがままに操られる時代になる。
そうなってから、「あの時もっと反対していればよかった」と後悔しても遅いだろう。

 こんな危険極まりない法律を施行させてはいけない。
櫨の木だって真っ赤になって怒っているではないか。
我々ももっと怒ろう。
怒りの声で国会議事堂を包囲しよう。
こう書けば、テロを先導したと捕まるのだろうか。
なんとも恐ろしい、嫌な時代になりそうだ。