光くんの低アルブミン血症と膀胱結石のその後についてです。
【アルブミンは標準値でほぼ落ち着く】
低アルブミン血症(こちらの記事)は、完治とは言えないまでも、落ち着いており、ひどく心配する状態ではなくなりました。ステロイド(プレドニン)を3日に一度飲んでいて、アルブミン値は3月末より2か月間標準値を保っていまして、プレドニンをやめるタイミングを見計らっているところです。
【膀胱結石は深刻。壊死性の精巣炎を引き起こし、手術必要】
膀胱結石のほうですが、実は、かなり進んでいまして深刻な状況です。一進一退が続き、病院で、いろんな手を尽くしてもらっていますが、数日中には手術を決断しなくてはいけないようです。今日は、そのへんについて以下詳しく書きます。
結論からいえば・・・
今朝(28日、火曜)午前中の時点で、「膀胱の細菌性炎症が、睾丸(精巣)まで広がり、精巣が壊死を起こしはじめている。もう抗生物質などの治療では限界。まずは、睾丸摘出手術をする必要がありそう。膀胱の石を除去するのはまた後で?)。麻酔のリスクを考えると、できるだけやりたくないが、やらざるを得ない段階にきている。」と先生から言われました。
なんで膀胱結石から睾丸摘出の話に発展したのか、長くなりますが、話を過去に戻して・・・これまでの経過から、時系列で書きます。
【去年11月に、石が尿道に降りて詰まる⇒カテーテルでいったんは改善】
2020年6月に、奇跡的にもおしっこに交じって石が勢いよく飛び出し、膀胱内の結石は20%まで減少。しかし、それ以降は、そういう奇跡が起こることはなく、まただんだん石が増え、2023年11月には、おしっこがぽたぽたとしか出なくなり、しかも、石が一個、尿道まで下りて尿道を塞いでいるのをレントゲンで確認(ほぼ尿道閉塞状態)。そこで、初めての尿道カテーテルをやってもらいました。生理食塩水を勢いよく流し込むことで、この石を膀胱側に戻すのが目的ですが、30分くらいやっても、このときは、どうしても石を戻すことができませんでした。ただ、やめたとたんにおしっこが滝のように出て、先生いわく「石がカテーテルによって回転したことで向きを変えたので、その結果尿の通り道が広がったようです。これで、いったんは大丈夫だと思います。」
それ以降、おしっこは大丈夫でした。
11月8日のブログに、次のように書いています。
「今朝と夕方の散歩のときも、オシッコ何度もバンバン出ていました!ですが、明日にでもまた石が急に向きを変えて、オシッコの通りを阻むかもしれないという綱渡り状況だということですからねぇ...。」
年が明けて、私が、入院やら毎日通院やらで自分のことばかりで余裕がない中、光くんは、上手に綱渡りをやってくれていて、このまま穏やかに暮らせれば十分だと思っていました。元気に散歩もし、食欲旺盛で、おしっこはそこそこに出ていて、特に問題なさそうにすら見えていました。
そして、3月になって低アルブミン血症が判明。そちらの治療を優先。
ようやっとアルブミンが標準値に戻り、先生からも「もう低アルブミン血症ではないです。」と言っていただけて、安堵したのもつかの間、おしっこの出方がポタポタになり、そのぶん、ひどい頻尿になり血尿ぎみになってきました。先生からは、「石が膀胱壁を傷つけているせいで、膀胱炎になっています」ということで、抗生物質の注射。
【半年たって、とうとう尿道閉鎖⇒カテーテルで、尿道の石はようやく膀胱へ】
5月半ば、ついに、散歩から戻ったぱぱが「光は、大変なことになった!おしっこが、全然出よらん!!」
そうです、昨年11月から尿道に詰まったままの石が、ついに、がっつりと尿道に嵌まり込み、完全尿道閉塞状態になってしまったのです。
5月15日(水)、急遽またカテーテルとなりました。尿道の石は動きませんが、カテーテルをやってもらった直後は、かなり勢いよくおしっこが出て、一安心。
ところが、翌日になるとまた、ポタ…ポタ…で、今にもまた止まってしまいそうです。
5月17日(金)またカテーテル。15日と同様、石は動かず。直後は、おしっこよく出る。またすぐ止まる。
5月18日(土)またカテーテル。開始後まもなく、先生が、「おっ!!動いたかな?!」と、にっこり。そうです、尿道の石がついに動き、膀胱側に戻ったのです!!昨年11月から、半年以上も光くんの尿道にどん詰まりしていた石をどかすことに、ついに成功!
これで、きっとしばらく大丈夫と、その時、誰しもが思いました。
先生いわく、「今が手術のチャンスかもですね。」
確かに。しかし、全身麻酔のリスクのことがありますので、さすがにその時点で、じゃあ手術やりましょう、という端的な話にはなりませんが、とにかく、尿道から石がなくなり膀胱に集中している、というのは、外科的にはやりやすい状態であるということですね。(以前にも書いたように、尿道は細いので切開も難しく切ったあとも癒合しにくい。)
【尿道から膀胱へ押し戻したことで、細菌が膀胱に流入】
ところがです。土曜日家に連れ帰ると、ぐったりして、かなり苦しそうです。水曜から立て続けに3回もカテーテルをしたので、負担が大きく疲れたのかなと思いました。
夕飯全く食べません。
その後、光くんの具合はどんどん悪くなりました。
おしっこは出ているのです。うんちも。
しかし、険しい顔つきになり、息遣いも荒く、寝ないのはもちろん、座りもせず、立ったままうろうろ動き回って、ところかまわず、ずーっと何度も何度も排尿姿勢ばかりしているわりには、大して出ていません。ご飯もおやつも、水も何も摂ろうとしません。せっかく、石を尿道から除去したのに、いったい、なぜこんなに落ち着かず、苦しそうなのか。
20日(月)また病院へ。
まず熱を測ると、41.5度もありました。
血液検査とエコーの結果を併せて、先生の診断は、次の通り。
「熱が41.5℃。炎症を表す数値(CRP等)がひどく上がっています。土曜のカテーテルで石を膀胱に戻したのはよかったけども、それにより、尿道の細菌が膀胱側に入ってしまい、細菌性膀胱炎がひどくなったようです。膀胱全体の痛みが強いのでしょう。睾丸も腫れているので、細菌が睾丸まで到達している。睾丸が痛いため、座ることもできず、うろうろしてしまう。残尿感が強いので、ひっきりなしに排尿姿勢をとる。ちなみに、先週閉尿状態になったことで、腎盂炎になっている可能性も考えましたが、腎盂炎を表す数値は低いです。前立腺にも異常はないです。」
なんと・・・!
去年からの膀胱炎が続いているところに、尿道から細菌が流れ込み、さらにひどくなったということです。今の光くんはそれだけ体の抵抗力が弱くなっていて、細菌感染に対する犬本来の防御機能が発揮できないのですね。
【膀胱炎の治療:注射を毎日】
治療として、抗生物質2種、抗炎症剤、解熱剤を混ぜた成分の注射を毎日午前と夕方の2回行うことになりました。(夕方は抗生物質一種のみ)
光くんの状態は一進一退でした。熱がなかなか下がらず、体重も、一番多い時で7キロあったのが、どんどん減っていって、5.80までになりました。なお、低アルブミン血症がぶり返しているのでは、という不安もあったのですが下痢はしていないし、アルブミン値もぎりぎりですが、標準値内なので、それはないと。
心臓が急に弱ったのでは、とも思ったのです。なにせ、何も口にしてくれないので、薬(ベトメディン)が摂取できません。しかし、聴診器では、それは大丈夫とのこと。心臓の薬は、注射ではできず、経口摂取しかないので、砕いて甘いものとかに混ぜてなめさせるとか、なんとか工夫して頑張ってくださいと言われました。砕いて、水に混ぜ、スポイトで飲ませたら、飲んでくれたので、ほっとしました。
ちらっと、手からフードを30粒くらい食べたりもしますが、大好きなスイカもプイするし、このまま栄養失調でどんどん弱ってしまうのでは、と、最悪の事態すら考えてしまい、ぱぱも私も何も手につかない状態でした。先生に、栄養剤の注射とかないですか、と聞きました。経管栄養や、静脈点滴などの方法があるにはあるが、それは入院で全身麻酔になるような大変な処置で、光くんの場合まだそこまでする段階ではないので(水を飲んでいるなら、3日くらい食べなくても生命の危機ではない)、なんとかして、好きな味を探してあげて指からなめさせるだけでもいいので、工夫してみましょう、と励ましてくださいました。
【注射が効いてきました!徐々に元気が】
そうこうしているうちに、繰り返しの注射が、少しずつ奏功してきました。熱が平熱以下に下がりました。痛みも収まってきたのでしょう。ようやっと、横になって眠れるようになり、ベトメディンもぱくっと食べるようになってきました。あんなに険しかったお顔がだいぶ落ち着いて、フードを50粒くらいなら食べます。排尿姿勢をする間隔も空いてきて、ぐっすり眠る時間が長くなってきました。もう1週間下がりっぱなしだった尾っぽも、スイスイと上がってきました。
ぱぱが、お菓子(レモンケーキ)を食べていると、寄ってきたので、あげてみたら、ぱくぱく!
そこで、この際、食欲を出してくれれば、何でもいいくらいの気持ちになってしまい、ぱぱとペットショップに直行し、いなばの「ちゅ~る」を買ってきて、あげてみたら・・・
光くん、お目々ぴかぴかになって、ちゅ~る狆になっちゃいました。いつものフードと混ぜてあげたら、けっこう食べました!さすが、ちゅ~るですねえ・・・助かりましたよ。体重も6キロ台に戻ってきました。
【睾丸の腫れ収まらず、当分注射を続ける必要】
25日土曜。かなり元気になり、じゅーくんに喧嘩をふっかけるほど。へそ天もできていて、本当にもうこれは何週間ぶりかというくらいです。ただ、この姿勢になるとよくわかるのですが、睾丸の腫れが収まらず、パンパンになっています。精巣炎とか、あるいは精巣腫瘍とか、悪いものではないだろうか、という不安が膨らんできました。翌日日曜も、先生が、たまたま佐賀県の当番医の日だったため診てくれて、注射。抗生物質を変えてみますと。
27日月曜・・・睾丸がひどく腫れていることについて、先生も首をかしげておられ、「うーん、もう1週間抗生物質を注射し続けているので、睾丸の細菌性感染も収まるはずですが・・・どうも先が見えないですね・・・」
(皮下注射で、首と背中の中間地点にうつのですが、すでに、12回も打っています。皮膚が赤くなってかわいそうです。打った直後は大変息遣いが荒くなります。)
午後、睾丸にできもののような赤い突起があるのを、ぱぱが発見。腫瘍だ!膿がたまっとる!とパニックになって、また病院へ。血膿みたいなものを、先生が出してくれて、いったんは、おさまる。
【睾丸が壊死して精巣炎!手術で睾丸摘出になるでしょう】
28日(今日)午前。
再度先生の診断:「昨日の突起を処置した際の穴から壊死した組織が出てきている。抗生物質が効かなかったのは、壊死のせい。このまま放置はできないので、睾丸摘出手術をする必要があるかと。膀胱よりこちらが優先。」(こんな感じなのだと思います)
はあ・・・・・
つまりですね、尿道に半年間居座っていた石をカテーテルで膀胱に戻したことがきっかけとなり、細菌が尿道から膀胱に流れ込んだことで、膀胱炎が重くなり、さらに膀胱の菌が精巣まで達して、精巣炎になってしまったということですね。もし尿道の石を戻さなければ、こういうことにはならなかったわけですけども、あの時点では、閉尿という緊急事態だったから、石をどかすしか、なかった(尿道から外に出てはくれなかったので、膀胱側に戻すしかなかった)。おかげで、少なくとも尿の流れはずいぶんよくなりましたから、先生の的確な判断と処置には感謝しています。毎日通院して、あれこれ手を尽くしていただいているので、今後の手術のことについても、先生に委ねようと思います。
いつ手術になるかなど、はっきりしたことが決まったらまた書きます。
皆さん、どうか光くんの心臓が麻酔に耐えてくれるよう、今から応援してやってくださいね。