蔵っ子日記

これは中堅(?)蔵人の日々を綴った素朴な日記です。
だんだん「蔵っ子」と言えない歳になってきたか?でもよろしくね。

恒例行事 酒造祈願。

2006年11月13日 20時15分46秒 | 日本酒
酒造りは太古の昔から行われておりまして(ちょっと大げさか)、やっぱり神様と縁の深いものです。お祭りや○○式などでは、今でも日本酒を多くの場面で使ってもらっております。ありがたい話ですね。これも日本の文化ですよ。
わが社でも、毎年酒造りを始めるときには必ず酒造祈願を行っています。蔵元、杜氏、蔵人一同、良い酒が出来ますよう、全員が怪我無く安全に仕事が出来ますよう祈願致します。初めはちょっとビックリ、意味あるんかな~と思いましたが、今ではこの行事が無いとなんか気が引き締まらない感じですね。今後も残していきたい行事だと思います。
酒造りに必要な酵母(微生物)は目に見えません。神様も目に見えませんが、目に見えないものを信じて、そのおかげで大過なく仕事をしているんだ、と感謝しなくてはいけませんね。しかし今は当たり前だけど「玉串奉納」なんて、普段なじみないよな~。
≫写真:蔵元、杜氏・・・と順々に玉串奉納中

まずは掃除。

2006年11月12日 18時56分42秒 | 日本酒
今日は日曜日ですが、蔵入り後はそんな曜日の区別はありません。ただ業者やお店が休みだったりするので、「あっそうか、日曜か」ってな感じです。
さて、今日の作業は・・・うちの場合、掃除・片付けですかね。「夏の間、封印していたこの扉の向こうが仕込み蔵で、軽く埃を落とすだけでさあ、酒造り・・・」とはいきません。逆に「え、ここで冬は酒造るの?」という感じに空きビンやらビン詰め道具が置いてあるので、とにかく移動して場所をあけなければなりません。もちろん全ての場所がそういうわけではありませんけど。
写真は麹室(こうじむろ)を清掃しているところです。麹室は「麹」をつくる部屋ですが、蔵の中でも最も清潔に丁寧に掃除しているところのひとつではないでしょうか。しっかり床から壁から天井までぞうきん(モップ)がけしとかなきゃ。

うおぉぉ~、今日は蔵入りだああぁ

2006年11月11日 23時12分24秒 | 日本酒
11月11日、大安です。今日はついに蔵入りの日です。
私の人生の中で一年の中でも特別な日となってしまいましたね。この微妙な緊張感と元旦にも勝る区切りの日。さて蔵入りで生活の何が変わるのでしょう?ちょっと考察してみました。

①半年振りに酒造り同志(年齢層高し)と再会する ②筋肉がつく ③2倍は食べる ④愛妻料理から愛母料理に変わる(③と直接の因果関係は無い) ⑤2倍は酒を飲む ⑥休憩時間のお茶が3倍に増える ⑦口数が半分に減る ⑧テレビの視聴時間が1日1時間を切る ⑨納豆が食べれなくなる ⑩春をほんとに待ちわびる

とはいうものの、今はとにかく酒造りができる楽しみで胸いっぱいです。酒を知らねば、微生物を知らねば、現場の勉強が一番ですから。ブログもまめに更新しようと思います。よろしくね。

酒粕から取る焼酎です

2006年11月09日 19時33分55秒 | Weblog
実は今日は粕取(かすとり)焼酎を製造しておりました。量は少ないんですけどね。
酒粕は焼いて食べたり、漬物に使ったりと重宝なものですが、その酒粕から焼酎が取れることを知っていますか?味、香りは・・・う~ん、とにかく強烈。芋焼酎の比ではない!?ということで、主に飲用よりもかまぼこや漬物製造等に使用されることが一般的なようです。
酒粕を籾殻(こちらの地方では「すくも」と言う)でまぶし、スコップで団子状の細切れにしたものを写真左のセイロに移します。下から蒸気で蒸留すること小1時間、蒸留液(焼酎)が写真右の木樽内の蛇管を通り、冷やされて下からチョロチョロ出てくる仕組みです。
意外に癖になる(強烈な)いい香り。試飲してみたけど、でもやっぱり自分は日本酒(醸造するお酒)の方が好きかなあ。今日は体中に香りが染み付いているので、早く風呂入ろうっと。

今日は立冬だそうで・・・確かに寒かったわ。

2006年11月07日 20時42分02秒 | 日本酒
昨夜から急に大風、激しい雨、荒れ模様だなあ、と思っていたら、今日は立冬だそうです。冬が始まるということで、なんかその通りって感じでした。
蔵入りもいよいよ秒読み体制に入り、「あそこ片付けて」「あの計画立てて」などなど、一日中手も動かして頭の中も段取り段取り・・・でいっぱいいっぱいです。他社の蔵人仲間もそんな感じなんだろうか?(元気してるかな?)
さて、この写真は大釜で木樽を煮ている所です。残念ながら仕込に使用するものではないのですが、なぜ煮ているのか? 使用しない夏場には、樽はカラカラに乾いてばらばらになる寸前です。しかし、「木」ですから、煮て水分を含ませ十分温めますと、アラ不思議、木が膨張してきちんと目がつまりしっかりした木樽に戻るわけです。壊れたわけじゃないんですね~。この柔軟性は木ならではです。おもしろいですね。

コンピューターで精米。

2006年11月04日 18時41分22秒 | 日本酒
今日は仕事。世の中は3連休でしょうか?
昨日、精米さんが蔵入りされ、今日は精米機の試運転を行いました。私も昨年まであまり首をつっこんでいなかったので、今年は自分で精米も出来るよう(ちょっと言いすぎか)しっかり覚えておこう!と思い、じっくり見ておりました。
昔はともかく、近年の精米技術はコンピュータの導入により、非常に精度が上がり、高精白(精米歩合35%:つまり6割半くらい削って糠とする)のものも上手にできるようになりました。というわけで、例えばタッチパネル式のコンピュータ画面を操作することがうまくできないと、精米作業はならないわけです。若い人のほうがより得意&慣れてるかもしれませんね。
しかし、米袋は重たい!1袋30kgですから、これを一日中運んだり、積んだりするのはやはり重労働です。体力&根性も必要ですよ。

ついに米入荷!

2006年11月02日 19時41分44秒 | 日本酒
11月となりました。早いものです。ここのところフル回転で瓶詰めや火入れや片付け、蔵入りの準備等頑張っております。毎日ごはんも美味しいし、熟睡で、これはこれで結構なことだな、と思いますが。
本日、ついに酒造り用のお米が入荷致しました。今まで資材置き場だった精米所の片付けも何とか間に合い、無事(山のように)米を置く事ができました。良かった良かった。酒造りにおいては、真っ先に「精米」と呼ばれる米を削る作業があります。いわゆる杜氏さん達が蔵に入る「蔵入り」の日よりも先に、精米する人は蔵に来て作業することになるわけです。明日は会社は休みだけど、精米さん及び杜氏さんが来られる予定・・・。
あ~~~、今年も始まってしまった~、なんか分からんけど緊張してきた~。