酒造り日記

佐賀県の天吹(あまぶき)酒造の酒造り日記

天吹 大吟醸麹のさらし

2008-01-17 13:34:03 | ぶちょ~

今日も良い天気!
早朝は冷え込んで、絶好の酒造り日和です。

酒蔵の朝は活気に溢れています
何故かと言うと、米を蒸すのは1回なので全ての作業がどうしても重なってしまうのでとても忙しいのです
本日は、麹の引込み、酒母仕込み、添仕込み、仲仕込みが重なりました。

本日の大吟醸麹の種切りの様子です。
まずは普段より少し温度を高め(40~45℃)に引込みます。
引込床と呼ばれる台の上で薄く広げ、「さらし(放置)」ます↓。


何故「さらし」をするのか・・・結論から言えば、蒸米の表面を乾燥させる事により、麹菌の菌糸をお米の内部へ成長させたいからです。

麹菌はお米のデンプンは大きすぎて食べる事が出来ません。
デンプンを食料とするためには、自分で酵素を作り、お米を溶かし小さな単位のグルコースにしなければなりません。(お酒造りはこの麹菌が作る酵素を利用してお米を溶かしグルコースにし、そのグルコースを酵母が食べてアルコールと二酸化炭素にするのです。デンプン→デキストリン→グルコース)
麹菌も水分が多いと酵素を一生懸命作ることなくお米のデンプンを自分の食料であるグルコースに変える事が出来るので、お米の表面で成長するのです。
それではいけません!

蒸し米表面を乾かし、水分が少ない環境にする事により、麹菌は水分を求めお米の中心に向かってしっかり酵素を出しながら成長するのです。
お米の内部への菌糸の成長を「ハゼ込み」と言います。
この「ハゼ込み」の良い麹を作る為に「さらし」を行ないます。

「さらし」により表面が乾燥した蒸し米に「種麹」を散布します↓。


表裏を返します。


再び「種麹」を散布します↓。



軽く攪拌し、目標温度になったら一まとめにし、包み込みます。
この状態で明日の朝まで・・・

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