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まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

『海よりもまだ深く』

2016年12月11日 | 日記

駄目な男の話である。
どうしようもない男の話である。
いつまでも夢を諦め切れない情けない男の話である。



海よりも深いのは
昔から「母の愛」と相場は決まっている。
その母親を演じる樹木希林の飄々とした存在感が秀逸だった。
ダメ息子の良多を演じる阿部寛は
是枝映画の常連だそうだが体がやたらとデカイせいで
リアリティがイマイチかも知れない。
団地で一人暮らしの孤独な母と
その母を訪ねては平気で金をせびりとるダメ息子の話。
うーん、身につまされる。(笑)

良多は15年前に一度だけ文学賞を受賞して作家になったものの
それ以後は思うように作品が書けずに鳴かず飛ばす。
小説のための取材と言い訳しながら探偵事務所で働いている。
いつまでも夢を諦め切れない亭主に愛想をつかし
妻の響子(真木よう子)は息子を連れてさっさと離婚。
良多は妻にも未練タラタラなのである。



始末が悪いことに良多はギャンブル依存症でもある。
妻子への養育費の支払いさえ滞りがちなのに
あちこちから借金をしての競輪場通い。
安倍政権は景気浮揚を目論んでカジノ法案を可決させたが
ギャンブル依存症の問題を懸念する声は多い。
同じ病気だった私が言うのも変だが
ギャンブルは怖い!(笑)



東京が台風の直撃を受けたその日
たまたま母の住む団地を訪ねていた良多と妻の響子は
結局、風雨が激しくなり仕方なく一泊。
久しぶりに「家族」だった頃を思い出して話し込む良多は
復縁の思いもあるのだが・・・
すでに新しい恋人の影もちらつく響子は
相変わらずつっけんどんな態度でとりつく島もない。



このシーンの母の一言がけだし名言だった。

  「人間、幸せになるためには何かを諦めないと駄目なのよ」

人生はとかく思い通りにはいかないものだが
人やモノへの執着を捨てればもう少し楽に生きられることを
この母親は知っているのである。
深夜、台風が吹き荒れる団地の公園ではしゃぎ回る親子。
つかの間、家族に戻った瞬間だったが
一夜明けると、それぞれがそれぞれの現実に帰っていく。

人間、諦めが肝心という映画であった。


終結宣言です。

2016年12月10日 | 日記

今年も残すところ2週間ですよ。
妙にポカポカ陽気で師走という感じがしませんね。
もっとキリッと寒くなって欲しいのですが・・

ふと見上げるとケヤキの木が丸坊主です。
次から次へと散って来る落葉は本当に憎たらしくて
空を見上げて溜息をついたものですが
長く苦しい「落ち葉との戦い」もようやく終わりでしょうか。



おお、こちらも素っ裸ですねえ。
見事なくらいきれいサッパリと散り果てました。
気象庁に代わって私が発表します。

  落ち葉終結宣言!

お掃除スタッフから思わず拍手です。
苦しい日々を振りかえって
そっと目頭をぬぐう女性スタッフもいます。(笑)

落葉掃きの期間中
住民の方からさまざまな声をかけて頂きました。

  「ホント、毎日大変ねえ」
  「腰とか痛くならないの?」
  「放っておいて後でまとめてという訳にいかないの?」
  「落ち葉は風情があるけどねえ」
  「コレ、いい肥料になるんだけどなあ」
  「キリがないよね。もうウンザリでしょう」

中にはホウキを持って手伝ってくれる小学生もいて
ちょっと感激したものです。

落ち葉が散り落ちた公園には
柿の実が冬の陽に赤々と照り映えていました。
残り柿の風情もなかなかですねえ。
そう言えば、今年はずいぶん柿を食べたような気がします。
ハイ、秋の味覚を堪能させていただきました。



あれ、干し柿がぶら下がっていますねえ。
味は大和の吊るし柿・・・
なんて言葉が浮かんできました。
すっかり丸坊主になったケヤキの木に若葉が芽吹くのは
来年の五月頃でしょうか。
それまで何とか生きていたいと思います。(笑)


『モヒカン故郷に帰る』

2016年12月09日 | 日記

かつて「カルメン故郷に帰る」という名画があった。
この映画は「モヒカン」が故郷に帰って来る。
もちろんリメイクではない。

モヒカン男は松田龍平である。
いかにもピッタリだが人生初のモヒカン頭だそうだ。
隣りの恋人は元AKBの前田敦子嬢。
人生初の妊婦役らしい。
モヒカンの親父役を演じるコワモテ男は江本明。
若い頃から広島出身のロックミュージシャン矢沢永吉の大ファンで
普段から「矢沢は広島の義務教育だ!」が口癖である。
コーチをつとめる中学の吹奏楽部でも
部員に強引に永ちゃんの樂曲を演奏させるほどの思い入れだ。

妊娠した恋人・由佳を連れて
結婚報告のために七年ぶりに故郷の島に帰って来たモヒカン。
東京では売れないバンドマンだが
破天荒な言動の一方で意外なほど家族への愛情は強い。
由佳も今どきの蓮っ葉な娘だが
飾り気のないモヒカン家族に次第に惹かれていく。

昔気質の親父は
息子のモヒカン頭に激怒し結婚に反対するが
内心はうれしく、夜は島民たちを集めて飲めや歌えの大宴会。
しかし、宴会の途中で倒れ、ガンが発覚。
すでに余命いくばくもないこと宣言されドラマは一変する。
父親を喜ばそうと奮闘するモヒカンだが・・・

映画『モヒカン故郷に帰る』予告編

 

お涙頂戴の映画ではない。
ガン宣告があるとドラマはどうしても愁嘆場になりがちだが
この映画にはそうした暗さや湿っぽさを吹き飛ばす
得も言われぬ「笑い」がある。
松田龍平のすっ呆けた雰囲気と飄々した演技。
怪優・江本明の常軌を逸した(?)熱演。
コメディー映画の真骨頂であった。



もたいまさこの観音様のような存在感もよかった。
弟役の千葉雄大君も結構頑張っていた。(笑)
木下惠介監督の名画「カルメン故郷に帰る」は
もう60年以上も前の古い映画だが
はるかな時を超えてカルメンがモヒカンに姿を変えて
帰って来たような・・・そんな映画だった。


キニナル

2016年12月08日 | 日記

世の中には「キニナル」ことが山ほどある。
どうでもいいことばかりだが
気になって気になって、夜も眠れない。(笑)

いつも立ち寄るコンビニ前のマンション。
ゾンファとはどういう意味なのか?
どこの国の言葉なのか?
得体の知れない響きがあってキニナル。



自販機もほとんどホットに変わった。
これから冬場もずっとこのコピーで押し通すのか。
寒いからキニナル。

自販機もデフレ時代だ。
80円で売っても儲かるのなら
もともとの利益率はどうなっているのか!キニナル。

なぜ助詞を省くのか?
てにをは文章の基本ではなかったか?
共産党だけにキニナル。

職場仲間のオバチャンが飲む栄養ドリンク。
どれくらいすごいのか?
書いてある文字の一つ一つが謎でキニナル。

東京土建という団体のポスター。
誰しも「頼れる仲間」は欲しいけれど
ガテン系にしては頼りなさそうな連中でキニナル。

今どき「薪炭店」があるのに驚いた。
よく見ると「薪」も「炭」もちゃんと揃えてあるのだが
このご時世に商売が成り立つのか、キニナル。

気になって気になって、寝不足である。(笑)

 


メタセコイアの落葉

2016年12月07日 | 日記

公園のメタセコイアの並木が
12月に入って急速に色づいて来ました。
落葉も始まって休みなく葉っぱが舞い落ちて来ます。

赤さび色の独特の紅葉です。
ケヤキやイチョウの葉があらかた散ってしまった後
一番おくれて紅葉が始まります。
メタセコイアの葉が散り始めると本格的な冬の到来を感じます。
そう言えば、今日は24節気の一つ「大雪」ですね。



メタセコイアは一番遅い紅葉ですが
世界で真っ先にトランプに会いにいったのは安倍首相でした。
安保法制にしてもPKOの駆けつけ警護にしても
この人のやることは常に「前のめり」で危なっかしいですねえ。
プーチンを郷里の山口に呼ぶと言ってみたり
突然、ハワイの真珠湾訪問を思いついたり
いったいどんな戦略があっての行動なのか理解に苦しみます。
アベノミクスもTPPも完全に期待外れだけに
外交でなんとか歴史に名を残したいという焦りでしょうか。
郷里でプーチンにいくら美味いものを食わせたって
領土問題が動くとは思えませんし
トランプには早々にTPP離脱宣言のしっぺ返しを受けて
やることなすことピントがズレています。



メタセコイアの落葉があちこちに積もっています。
昨日は強風が吹きまくる一日で
この葉っぱが顔に当たって痛いほどでした。



こうやって見ると
メタセコイアが「針葉樹」であることがよくわかります。
日本名は「曙杉」と言ってスギの仲間です。
ギザギザの葉っぱにイチョウやサザンカの花びらも混じって
ちょっとした「吹き寄せ」のようですね。



メタセコイアは「生きる化石」と呼ばれます
はるか太古の昔から
この味わい深い紅葉をくり返して来たのでしょうか。
恐竜たちが次々と絶滅していく中
その偉大な生命力は荘厳ですらありますねえ。

  冬枯れて メタセコイアの 降りしきる (杉作)