まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

時は立ちどまらない

2014年02月23日 | 日記

公園にマンサクの花が咲き始めた。
この花が咲くと「そろそろ春も近いなあ・・・」と思う。

黄色いヒモ状の花がクルクルと巻いてユーモラスである。
早春、他の花に先駆けて咲くことから
東北弁の「まんずさく」が訛ったものだと言われている。

東北弁というと、昨夜、話題のドラマを見た。

震災3年を前に脚本家・山田太一が描いた
テレビ朝日の2時間ドラマ「時は立ちどまらない」である。
山田さんが「今だからこそ描けるドラマがある」と言っていたように
震災3年という時の流れの「無常」と「希望」を
結婚を機に「親戚」になるはずだった2組の家族を通して描いた力作だった。

東北の海沿いの街で暮らす浜口家と西郷家。
震災後の津波で漁業を営む浜口家は新郎を含む3人が亡くなり
家も漁船も生活のすべをて失った。
一方、高台に住んでいた西郷家はまったく被害を受けなかった。

ドラマでは「結婚寸前」だった両家が
その後、さまざまなすれ違いや対立を経て再生に向かう姿を
いくつものエピソードを交えながら丁寧に描いていた。



山田さんらしい想像力だなあ・・・と感心したのは
家を失った浜口家の家族が高台の西郷家に身を寄せる場面。
西郷家の主人・良介(中井貴一)にとっては
当然の配慮であり精一杯の思いやりのつもりだったが
その夜、浜口家の祖父・吉也(橋爪功)は突然の激情にかられ大暴れする。
やがて息子の克巳(柳葉敏郎)も加わって
お膳をひっくりかえし、手当たりしだいにものをぶつけてガラスを割るなど
お世話になっている西郷家に恩を仇で返すような所業。
良介が思わず「出て行ってくれ!」と怒り出すのも当然のことだった。

持って行き場のない怒りと無念。
同じ被災地に住みながらも天と地ほど違う互いの境遇。
吉也の感情が一気に爆発する。

   こっちはなんにもない。ありがとうと言うしかない。
   網もロープも船も・・・女房に嫁に孫まで持って行かれた。
   それ、俺のせいか、息子のせいか!

そんな事件があった後、浜口家は西郷家との関係を拒絶する。


  

被災地ではそうしたやり場のない憤りを
けっして口には出さず、誰かにぶちまけることもなく
じっと胸に抑え込んだまま3年目を迎える人は多いのではないだろうか。
ドラマがその人たちの思いを代弁する・・・
などと言うと傲慢だが、少なくともドラマでしか語れないことはあると思う。



公園では日陰にまだ雪が残っている。
東北の被災地はまだまだ深い雪の中だろうか。
その雪景色の片隅に「まんずさく」の花は咲き始めているのだろうか。

私は3年たった今も被災地に足を運んでいない。
震災については語る資格がない。
貧乏ヒマなしのせいだと言い訳しながら
結局、その「覚悟」と「勇気」がないだけではないだろうかとも思う。

春になったら訪れいてみたいと思う。
そして、何かを書いてみたいと思う。

 


敗北の味

2014年02月22日 | 日記

教会のミサに出ました・・・
という訳ではなく明治学院大学で打ち合せでした。
入試も終わって大学は春休み、キャンパスは閑散としていました。

美人教授との打ち合わせは1時間ほどで終了。
で、白金から品川駅行きのバスに乗ったまではよかったのですが・・・
車内の暖房と窓からの陽射しについウトウト。
ハッと気がつけばこんなところに到着してしまいました。

東京シティ競馬、大井競馬場です。
競馬場行きのバスに乗ったことは覚えているのですが
まさか終点まで寝過ごすとは・・・

大学のキャンパスと同様
競馬場内は人影もまばらで閑散としていました。
生憎、開催日ではなく、馬は遠く北関東「浦和」で走っているようです。



浦和のレースは大型ビジョンで中継されています。
それを見ながら大井でも馬券が買えるシステムになっているんですね。
私、大の競馬ファンで、昔は中央競馬だけでは飽き足らず
ここ大井にも足繁く通ったものです。
足繁く通ったものの、戦歴は実に無残なものでした。(笑)

ちょうどお昼時だったので昼飯タイムに。
この店は「幸福堂」と言って、カレーに麺類、丼物となんでもアリの店です。
但し、馬券が当たって幸福になったことはありません。

ここに来れば必ず食べる「名物」があります。

イチオシの名物「牛スジ丼」です。
これはハッキリ言って「半端ない」美味さです。
吉野家の牛丼の3倍は美味いという巷の噂も決してウソではありません。
濃いめの出汁でトロトロに煮込んだ牛スジが
コンニャクや豆腐と絶妙に混ざり合って丼ごと頬張りたくなります。
まあ、丼ごとはちょっと危険ですが・・・
B級グルメの王道を行く、実にジャンキーな味ですねえ・・・

隣ではオジサンたちがせっせと馬券を購入しています。
風采の上がらない、どこか「いかがわしい」風体のオジサンたちばかりです。
でも、私、こういうインティメイトな雰囲気が大好きなのです。
JRAは盛んに明るく健康的な競馬をPRしていますが
ギャンブルなんて所詮は人間のドロドロとした「欲望」に根ざしている訳で
明るく健康的なはずねえだろ!と凄んでみたくなります。(笑)

で、居眠りして競馬場に迷い込んだのも何かの縁と
私も「開運馬券神社」に柏手を打ち、ちょっとだけ馬券を購入しました。
当然と言うべきか、案の定と言うべきか・・・
ご利益はありませんでした。

ガックリ肩を落とし、一人さびしく家路につきました。(笑)

   ♪ かもめはかもめ ひとりで空を ゆくのがお似合い~

海が近いせいか、風に乗のって微かに潮の香りがします。
作家の寺山修司は・・・
「ギャンブルには人生では味わえない敗北の味がある」と言いましたが
人生でもたっぷり敗北を味わっている私としては
最早、達観の境地ですね。(笑)



大井競馬場の名物はナイター競馬です。
4月になってあたたかくなると、恒例のナイター競馬が始まります。

   ♪ もうすぐ春ですねえ ちょっと気取ってみませんか~

 


街ぶらワーキング

2014年02月21日 | 日記

昨日はめずらしく朝が早く
朝食は久しぶりにモーニングサービスだった。


<東京・九段下>

厚切りのトーストにたっぷりのバター。
ジャムもついていて、カロリーを気にしつつも完食。
出来れば野菜が欲しかったが・・・
風がつめたい2月の街を忙しく歩き回った日だった。


<大手町・日経新聞社20階>

長い会議の合間にスモーキングタイム。
下界を見下ろすと都内からもようやく雪が消えつつある。
高速も順調に流れているようだ。

東京スカイツリーも元気だ。
遠くから見るばかりで、まだ昇ったことがない。
このまま昇らないまま人生を終えることになるのだろうか・・・


<千駄ヶ谷~神宮前>

昼飯後、編集スタジオへ。
途中のガレージにこんな車が停められていた。
うーん、名前はナントカ言ったけど、バンコクの街中を走っていたような・・・

すぐ横のビルにはこんな車も。
ロンドンタクシーに似ているけど、ちょっと違うかなあ・・・


 <新宿ゴールデン街>

ふらふらと迷い込んだ露地でネコが昼寝中。
昼寝というより、ほとんど熟睡していてピクリとも動かない。
この無防備な姿が愛おしい・・・(笑)


<渋谷・道玄坂>

ふらりと本屋を覗いたら・・・
「やなせたかし」と言うオジサンは本当に凄いなあと
最近、あらためて思う。


<新橋~銀座>

新橋の駅前イルミネーション。
どこかのテレビが街頭インタビューを撮影中。
何度か前を行き来してアピールしたのだが、全く無視されてしまった。(笑)

こうして見ると気楽に散歩をしているように見えるが
この間に三つも仕事をやっつけた。
単なるウォーキングではなく、ちゃんとしたワーキングだったのである。

 


新宿御苑の大惨事

2014年02月20日 | 日記

仕事帰りにいつもの1000円カット。
しばらく散髪に行く時間もなかったのでサッパリしました。

本日のお兄ちゃんはなかなか腕達者。
結構イメージ通りで、心身ともにシャキッとしました。
で、いつものように、すぐ近くの新宿御苑を覗いたのですが・・・

大変な「惨事」になっていました。
先日の大雪のせいで園内の木々が軒並み折れているのです!
わがジョギング公園も被害はありましたが
それとは比べものにならないほどの大惨事を呈してしました。
杉やヒノキ、梅、名物のサクラの大木も・・・
今朝のニュースによると開園以来の被害だと言います。

「生木を裂く」とは男女を強引に別れさせることですが
ホント、どちらも痛々しくて正視に耐えません。
聞けば、園内の樹木は自然を生かすために剪定しない方針で
伸び放題の枝に重い雪がのしかかって折れたとのこと。
自然の容赦ない力を思いつつも
やっぱり散髪は、いや「剪定」は必要なのだなあと深く思いをいたしました。(笑)

おお、お前はぶじだったか!
雨や嵐に負けず、健気に生きるのだぞ!

時々、あたたかな陽射しもこぼれて
過ごしやすい日でした。

雪もあらかた溶けたようで
園内ではお弁当を広げるOLの一団もありました。

え、何してるの!
一瞬、具合でも悪くなったかと心配しましたが
女性カメラマンが超ローアングルでカメラを構えている姿でした。
ホッとしつつ、オジサンにはとてもこの格好は無理だなあと
またまた、深く思いをいたしました。(笑)

今が盛りの「寒桜」の前では
カラフルな家族がワーワーキャーキャーと記念撮影中。
言葉は台湾関係の人たちでした。

公園の大惨事も我関せず
ネコが長閑に日向ぼっこでした。
カメラを向けるとトロンとした眼でポーズを取ってくれました。

さあ、時間がないので仕事、仕事!

出口へ向かう道すがら
前を歩く女の子が可愛い声で歌を口ずさんでいました。

  ♪ 仰げば尊し 我が師の恩 教えの庭にも はや幾年~

その清純な歌声にちょっと感動してしまいました。
そうか、もうそろそろ卒業のシーズンか・・・
でも、今どき「仰げば尊し」を歌う学校なんてあるのでしょうか?
私も思わずつられて小さく口ずさんでしまいました。

  ♪ 思えばいととし この年月 いまこそ別れめ いざさらば~

深く思いをいたしながら
慌ただしく新宿御苑に「さらば!」を告げたのでした。(笑)

 

 


ひとり中華の夜

2014年02月19日 | 日記

例によって帰りが遅くなりました。
例によって途中で腹が減って限界となりました。(笑)

ありふれた中華屋に飛び込みました。
何となく「中華」というコンセプトが浮かんだからです。
「突き出し」はこのようなものでした。

寒い夜はやはり紹興酒のホットです。
昔、これを飲み過ぎて前代未聞の悪酔いを体験したせいか
ちょっとトラウマになっているのですが・・・
でも、ほんわりと独特の香りで、温かくて美味しゅうこざいました。

健康を考えてトウミョウ(豆苗)の炒め物です。
ほのかな塩味とシャキシャキとした食感、ビタミンCも多いと思われます。
思わず「お灯明」を上げたくなりました。(笑)

これも健康を考えて「蒸し鶏」の燻製風です。
中華はカロリーが高いと言われますが、ここまでは優秀ではないでしょうか。
ただ、最後のシメがいけませんでした・・・

牛スジと豆腐の煮込みです。
トロトロに煮込んだ牛スジと豆腐が
ピリ辛あんかけと「渾然一体」となって口の中で溶けそうでした。
ああ、美味い!でも、カロリーがなあ・・・

店は空いていて
奥に一組いるだけで、あとは私一人でした。
ひとり居酒屋はしょっちゅうですが、「ひとり中華」は初めてかも知れません。
中華と言えば家族や仲間と賑やかにワワイワイやるのが普通で
ひとり中華はいかにも侘びしいイメージがありますが・・・その通りでした。(笑)



帰り道は雪が氷結して歩きにくかったです。
昼間は暖かだったのに、夜になると途端に冷え込んで来ます。
紹興酒のぬくもりもすっかり消えてしまいました。



家の前のコンビニです。
この灯りを見ると「誘蛾灯」のように吸いこまれてしまいます。
去りがたく、帰りがたく、往生際悪く・・・
オジサンはとくに買うものもないのに、足を向けてしまうのでした。