まろの公園ライフ

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巨人・大鵬・玉子焼き

2012年05月30日 | 日記

先日、ダービーの馬券を買いに行った帰り
池袋方面に出ようと東京ドームの前を通りかかった。

東京ドームは言うまでもなく読売巨人軍のホームグランドである。
昔は後楽園球場と言ったが、今はもう知る人も少ない。
もちろん野球だけでなく各種のイベント、コンサートも行われる。

遊園地も併設していて一大レジャータウンとなっている。
週末などは大勢の子供や若者たちで「イモの子を洗うよう」な騒ぎである。
この水道橋駅近くに好きな居酒屋があって、時々出かけるが、しばらく入行っていない。

ドームのすぐ横に系列のホテルもあって、ここのバイキングは結構いける。
そんなことはどうでもいいのだが、高い建物を見るとつい写真を撮りたくなってしまう。
こういうアングルはどうだろう、面白くないかな?

この日はちょうど巨人vs日本ハム戦が行われていた。
どうやら巨人が勝ったらしく、ファンが満足そうにゲートからゾロゾロと出てくる。
この間までチームはどん底だったのに、すっかり調子づいてしまった。

ハッキリ言って私は巨人が大嫌いである。
巨人そのものより、横暴かつ傲岸不遜な「巨人的体質」が大嫌いなのである。
権力や中央集権や官僚が嫌いなのと同根である。
嫌いになった直接のきっかけは例の「江川事件」だが、それを知る人ももう少ない。
少年時代は熱心な巨人ファンで野球選手に憧れた。
と言うより、私の世代はテレビの野球中継は巨人戦ばかりだったから
自然にそうなったと言った方がいい。



私は「巨人・大鵬・玉子焼き」と呼ばれる世代である。
この間、若いディレクターにそんなことを言ったら怪訝な顔をされた。
無理もないと思いつつも、ちょっと淋しかった。
要するに子供の好きなものを羅列しただけで、確か昭和30年代の流行語だった。
好きだった「巨人」は嫌いになり、無敵の強さを誇った「大鵬」はすでに土俵を去り
残ったのは「玉子焼き」だけだが、昔ほど好きではなくなった。



勝利の喜びに沸く巨人ファン。
女の子が多いのにちょっと驚いてしまう。
女性はいつだって強いもの、華やかなものに憧れるんだよな・・・

この女の子たちはみごとな関西弁だった。
新幹線の時間を気にしていたから、わざわざ東京までやって来たのだろうか。
東京ドームで巨人戦を見るのが今どきのオシャレのようだ。

東北弁のオッサンも熱心に激写中。
ひょっとして「巨人・大鵬・玉子焼き」の世代かも知れない。
そう言えば、このコピーの考案者が堺屋太一氏だというのは余り知られていない。
コピーのもともとの真意は「子供が好きなもの」ということではなく
大人になってからも相変わらず子供と同じようなものが好きだと大騒ぎしている
「半人前で子供っぽい使えない大人」を揶揄した言葉だったと言う。
うーん、俺もそんなところあるなあ・・・

地下鉄の後楽園駅の前で時ならぬ行列を見かけた。
いったい何事か、何か事件でもあったのかと、隣の人に聞いてみると・・・

  「ああ、巨人の選手が出てくるのを待っているんですわ」
  「へえ・・出待ちですか!」
  「そうそう、出待ち。まるで芸能人ですな。アホらしい!」

と言いつつ、オジサンはその場を立ち去る様子はなかった。

その「出待ち」の列にいたオレンジのカップル。
お互いの顔を見つめ合いながら、とても微笑ましくいい感じだった。
悪いこと言わんから、巨人ファンなんかやめなはれ!
出待ちなんかせんと、とっとと二人でどっかへ行きなはれ!
と言いつつ、オジサンは地下鉄の駅に向かった。

 


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