まろの公園ライフ

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「円空仏」を見る

2011年10月26日 | 日記


打ち合せが思いがけず午前中で終了。
ちょっと嬉しくなって、東京駅から京浜東北線にのって大宮へ。
前から覗きたい「展覧会」があったのだ。



やって来たのは「埼玉県立歴史と民族の博物館」。
普段は地元・埼玉の民族資料や遺跡出土品などを展示しているのだが・・・



あの「円空」の特別展が開催されているのだ!
円空仏の大ファンとしては見逃せない。
館内は撮影禁止なので、以下は博物館の「展示資料映像」を拝借。



読者の皆さんは「円空仏」をご覧になったことがありますか?
江戸初期、美濃国(岐阜県)に生まれた修行僧の円空は
全国各地を巡り歩きながら、数多くの仏像・神像を彫ったことで知られている。
その数、実に12万体!



現存するものだけでも5000体以上。
出身地である美濃・飛騨地方を中心に北は北海道から
南は愛媛県まで、彼が歩いた地に今も数多くの「円空仏」が残る。



その作品のすべてが鉋一本から彫り出された「一刀彫」。
ゴツゴツとした荒げずりな風合いとシンプルなデザインが特徴だが
その芸術性が高く評価され大寺院の「秘仏」になっている作品もあるとか。



古来、仏師たちが経典の規範にそって制作した仏像とは違い
素朴で自由な造形が何より「円空仏」の個性的な魅力になっている。



迷いのない力強い直線的な造形と実に簡素な彫り。
見ているだけで思わず引き込まれそうな独特の存在感がある。



そして、無骨で野性味にあふれながらも
そこに浮かぶ不可思議な「微笑み」は何だろうか。
衆生のすべての罪を受け入れ、許すような「慈愛」に満ちた笑み。



現代人が400年以上の時をこえて
いまも「円空仏」に惹かれる由縁はこの「微笑み」の深さだろうか。



円空は民衆が気軽に拝める対象として
現代で言えば「量産型」仏像として円空仏を彫り
それが野に置かれることを何よりも望んだと言う。
やはり野に置け円空仏・・・まさに「庶民の仏像」なのだろう。
私もすべての罪を許された(?)ような気分になった。

「円空展」は11月27日まで。よかったらぜひ!

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マッQ)
2011-10-26 21:59:22
私は実際見た事は無いですが以前テレビでやってたのを見ました。素朴な仏像で地方によっては一般家庭にもあるとか。
返信する
Unknown (まろ)
2011-10-26 22:16:09
マッQさん
そうなんですよ、展覧会の出ている円空仏も、普段は地元の家で祀ってあるものも多いそうです。まさに庶民に愛された仏様でしょうか。
返信する

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