まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

石巻を歩く①

2014年05月29日 | 日記

仙台取材の後、石巻まで足を伸ばした。
東日本大震災からすでに3年。
この目で被災地を見たいと思いつつ、すっかり遅きに失してしまった。
だから何も語る資格はなく、写真だけを撮ろうと思った。

石巻市内を一望する日和山は桜の名所である。
あの日、多くの人々が津波を逃れてこの高台へと避難して来た。
そして、愛する町が巨大な津波にのまれていく光景を声もなく眺めたのである。

あれから3年余が過ぎ
真夏を思わせる陽射しの中、石巻は見るからに穏やかだった。
町の中央を流れるのは旧北上川。
丸い建物は宮城県出身の漫画家・石森章太郎記念館。

中洲内の建物も川の両岸の住宅も全て津波にさらわれて何もない。
石巻は死者3000人、行方不明者500人と
あの東日本震災で最も津波被害の大きかった町なのである。

巨大津波は海から静かにゆっくりと
しかし、徐々に加速度を加えながら北上川を遡上して来た。
そして、沿岸の集落を容赦なく流し去り、多くの命を呑みこんだのである。

海岸に向かって果てしなく続く更地が
巨大津波の威力と3年の歳月をあらためて想起させる。
この大地に二度と人が住むことはない。
木立ちの間に見えるのは墓地。

あの日もこの防災サイレンは
けたたましく避難を呼びかけた筈なのに・・・

訪れる人もない山頂の茶店。
風に揺れる仮面ライターのお面が妙に物悲しかった。(笑)

下に降りて北上川の岸を歩く。
あの日は雪の舞う凍てつくような日だったのに
じっとしていても汗ばむような陽気だ。
ムッとするような潮の匂いが全身にまとわりついて来る。

多くの流木や漁船がひっかかっていたのがこの橋だろうか。
また汗がドッと噴き出して来る。



津波の高さは石巻市内で6、・9メートル。
足元まで迫る水から必死に逃れ、誰もがこの鉄階段を登ったに違いない。
そう思うと息苦しいような思いになって来る。

とりあえず瓦礫撤去は終わった。
そこで時間は永遠に止まっているような印象だった。
砂塵を上げて走り去る大型ダンプカーと静まり返るシャッター商店街。
あるのは公共工事という名の「復興」ばかりで
町は「もう「死にかけている」と言ったら怒られるだろうか・・・

明日はもっと海べりへ行ってみようと思う。

 

 


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